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タンパク質サブユニットワクチンの製造

タンパク質サブユニットワクチンプロセス

タンパク質サブユニットワクチンの一連のプロセス

タンパク質サブユニットワクチンでは、ウイルスタンパク質の精製した組換え断片を抗原として使用して、免疫系を刺激し、防御免疫を誘発します。ウイルスタンパク質断片は感染を引き起こすことができないため、組換えタンパク質ワクチンは、弱毒化ウイルスや不活化ウイルスを使用するワクチンより安全であると考えられています。しかしながら、タンパク質ワクチンにより引き起こされた免疫反応は、他の種類のワクチンにより生じた免疫反応より弱い可能性があり、そのためアジュバントが必要になることがあります。組換えタンパク質サブユニットは、微生物発酵、哺乳類細胞、昆虫細胞などのさまざまな方法を用いて産生されます。続いて、不純物や汚染物を除去するために堅牢なダウンストリームプロセスが必要であり、その後、最終滅菌ろ過と充填が行われます。


アップストリーム生産性を最適化する

サブユニットワクチン用の組換えタンパク質のアップストリーム製造ではさまざまなプラットフォームを利用できますが、選択される方法は必ず目標の生産性を達成するように最適化され、再現性があり、スケーラブルでなければなりません。

チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、トランスフェクションが簡単で、タンパク質収率が高いため、組換えタンパク質製造で好んで使用されます。昆虫細胞は、組換えタンパク質製造のもう1つの選択肢であり、コスト効率が高く、スケーラブルで、哺乳類細胞よりも取り扱いが簡単です。

ダウンストリーム回収率と不純物除去を最大化する

ワクチン抗原を捕捉・濃縮し、プロセス・製品由来の不純物を除去するダウンストリーム精製は、元来困難であり、コストがかかります。組換えタンパク質サブユニットは、製造においてトランケート型などの副産物から分離するのが特に困難です。そのため、プロセスを最適化し、回収率を最大化するための幅広いダウンストリームソリューションを利用できることが必須です。

無菌ろ過、製剤化、最終充填で患者の安全性を確保する

患者の安全を確保できるようにするため、組換えタンパク質サブユニット製品は必ず0.22 µmフィルターで無菌ろ過しなければなりません。ワクチンの製剤化にはシングルユースコンポーネントを用いることができます。製剤化試薬が含まれるシングルユースバッグは、無菌のクイックコネクトを介してどのミキサーにも接続できます。製剤化後のワクチンは、最終充填とバイアル分注のためにシングルユース充填システムへ無菌移送できます。

プロセスに品質を組み込む

データの収集・モニタリング・解析のためのソフトウェアの展開ならびに製造ワークフローへのプロセス分析技術(PAT)の統合により、プロセスの理解、機敏性、柔軟性が高まり、品質保証が向上します。ラマン分光法は、重要プロセスパラメーター(CPP)と重要品質特性(CQA)を反映するサンプルの分子組成を経時的にモニタリングすることができるため、PATとして使用される数多くのツールの1つとなっています。


関連技術資料

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アップストリームの細胞培養

アップストリームの細胞培養

アップストリーム生産性は、(CHO)由来細胞株昆虫細胞株、培地、サプリメント、およびシングルユーステクノロジーなどで構成される適切なプラットフォームを利用することで、最大化でき、スケールアップできます。

    清澄化

    清澄化

    清澄化は、組換えタンパク質をさまざまな不純物から分離し、ダウンストリームプロセス用のフィードストリームを調製するために利用されます。清澄化では、pDADMAC 10%溶液Millistak+® Pod ディスポーザブルデプスフィルターシステムMillistak+® HC Pro Podデプスフィルター、またはClarisolve® Podディスポーザブルデプスフィルターなどの改良された新しいデプスフィルターが使用されます。

      ダウンストリーム - タンジェンシャルフローフィルトレーション

      タンジェンシャルフローろ過は、不純物除去に貢献しながら、高い収率、プロセス効率、組換えタンパク質サブユニット回収率を確保する役に立ちます。メルクのポートフォリオには、Pellicon® 2 カセットを用いた限外ろ過/ダイアフィルトレーションPellicon® 3カセットを用いた限外ろ過/ダイアフィルトレーション、またはPellicon® カプセルを用いた限外ろ過/ダイアフィルトレーション、およびシングルユースのMobius® TFF 80システムがあります。

        ダウンストリーム – クロマトグラフィーとウイルスクリアランス

        クロマトグラフィー用Mobius® FlexReadyソリューションおよびクロマトグラフィー充填剤を用いたキャプチャー/ポリッシングクロマトグラフィーとクロマトグラフィーメンブレンを用いたポリッシングまでのダウンストリーム精製。組換えワクチン抗原を濃縮し、不要な不純物と汚染物を分離し、Viresolve® Proソリューションまたは大容量ウイルスろ過用Mobius® FlexReadyソリューション を用いてウイルスクリアランスを確実にすることは、プロセスの不可欠な部分です。

        • 糖タンパク質の精製のための新しいミックスモード充填剤であるEshmuno CMX充填剤の詳細をご覧ください。
          プロセス・製剤化用化学物質

          化学物質は、アップストリームから製剤化まで製造プロセス全体で使用されます。メルクのポートフォリオには、必要となるすべてのバッファー・塩類添加剤、およびCIP洗浄用製品が入っています。  Emprove®  プログラムでご提供する包括的文書と併せて適切な品質グレードを利用することは、ワクチン開発・製造のための適格性評価、リスクアセスメント、プロセス最適化に必須です。

            最終無菌ろ過・充填

            タンパク質サブユニットワクチンの確実かつ安定した無菌ろ過製剤化、および最終充填は、患者の安全を確保するために欠かせません。ここでは、Millipak® 最終充填フィルターMobius® シングルユースミキシングソリューションMobius® 2D/3Dアセンブリ・保存システム、およびNovaseptum® GO無菌サンプリングソリューションが使用されます。

              解析ソフトウェアとプロセス分析技術(PAT)

              プロセス分析技術(PAT)とBio4C ProcessPad™ データ解析Bio4C Orchestrator™ 自動化ソフトウェアを使って、プロセスをインラインからリアルタイムでモニタリング・制御することで、タンパク質サブユニットワクチン製造プロセスに品質を組み込むことができます。


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