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Merck

粉末培地の調整

<注意事項>

  • 粉末培地は吸湿性が高いので、空気中の水分に触れないようにし、開封後は各製品を速やかに使い切るようにしてください。
  • 沈殿を生じるおそれがありますので、濃縮培地で調整をしないでください。
  • 添加物はろ過操作前に加えるか滅菌培地に無菌的に加えます。添加物により培地の保存条件や保存期間が変化する場合があります。

手順

  1. 最終体積の 90%の培養用水を量り取ります。(水は室温にしてください)
  2. 穏やかに撹拌しながら、粉末培地を加え、溶解するまで撹拌します。加熱はしないでください。
  3. 製品の容器を少量の水ですすぎ、残った粉末をすべて洗い出し、溶液に加えます。
  4. 調整する培地の最終体積に必要な重炭酸ナトリウムの量を下表の「重炭酸ナトリウムおよび L-グルタミン添加量表」から求め、溶液に添加し、溶解するまで撹拌します。
  5. 培地の pH は減圧ろ過中に上昇するため、撹拌中は目的の pH よりも 0.1~0.3 低い pH に調整します。その際には1 N の HClや 1 N の NaOH を用いるようにしてください。
  6. 培養用水をさらに加え、最終体積に調整します。
  7. 0.2 μm 以下のメンブレンフィルターで滅菌ろ過します。
  8. 滅菌容器に無菌的に分注し、液体培地は 2~8℃の暗所に保存します。

10倍濃縮液体培地の調整

<注意事項>

  • 10 倍濃縮培地の成分の 1 部は pH 7.0 で沈殿するため、1 倍に希釈した場合に pH 7.0 にならない場合もあります。そのため、1 倍に希釈した培地の pH は滅菌した 1 N の HClや 1 N の NaOH で調節する必要があります。
  • 希釈には滅菌容器、滅菌成分を用いてください。

手順

  1. 約 850 mL の培養用水を無菌的に量り取り、適切な容器に入れます。
  2. 穏やかに撹拌しながら、10 倍濃縮培地 100 mL を加えます。
  3. 必要量の重炭酸ナトリウムを培地に加えます。(下表の「重炭酸ナトリウムおよび L-グルタミン添加量表」を参照)
  4. 培地に添加物(L-グルタミン、抗生物質、血清)を無菌的に加えることができます。添加物により培地の保存条件や保存期間が変化する場合があります。
  5. 撹拌しながら 1 N の HClや 1 N の NaOH を加え、培地を目的の pH に調節します。
  6. 培地用水を加え、最終体積(今回の場合は 1 L)に調節します。
  7. 滅菌容器に無菌的に分注し、液体培地は 2~8℃の暗所に保存します。

重炭酸ナトリウムおよびL-グルタミン添加量表

<使用する試薬と注意>

  • 7.5% 重炭酸ナトリウム溶液(製品番号:S8761)、200 mM L-グルタミン溶液(製品番号:G7513)またはL-グルタミン(製品番号:G6392)を使用する場合、1 倍(等倍濃度)液体培地に適した重炭酸ナトリウムおよびL-グルタミンの濃度は、下表のようになります。
製品名製品番号7.5%重炭酸ナトリウム溶液(mL/L)L-グルタミン 200 mM(mL/L)L-グルタミン粉状(g/L)
MEM HBDD(イーグル最少必須培地 ,
Minimum Essential Medium Eagle)
M9288
組成表
4.7100.292
MEM EBSS(イーグル最少必須培
地,Minimum Essential Medium Eagle)
M0275
組成表
29.3100.292
EBSS(アール平衡塩類溶液,Earle's
Balanced Salt Solution)
E7510
組成表
29.3--
HBSS (ハンクス平衡塩, Hanks ′
Balanced Salt Solution)
H1641
組成表
4.7--
HBSS(ハンクス平衡塩, カルシウムと
マグネシウムと重炭酸ナトリウム不含)
H4641
組成表
4.7--

重炭酸ナトリウム添加量表

7.5%重炭酸ナトリウム溶液(製品番号:S8761)、または粉状(製品番号:S5761)を使用する場合 1 倍粉末培地に適した重炭酸ナトリウムの量は下表のようになります。

重炭酸ナトリウム添加量表
製品名製品番号7.5%重炭酸ナトリウム溶液(mL/L)炭酸水素ナトリウム粉状(g/L)詳細
エイムス培地 (Ames' Medium)A142025.31.9組成表
イーグル基礎培地, Basal Medium Eagle
(BME EBSS)
B963829.32.2組成表
DME/F12 (ダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物 F-12 ハム,Dulbecco's Modified Eagle's Medium/Nutrient Mixture F-12 Ham)D2906, D9785, D8900, D0547161.2組成表
DME (ダルベッコ改変イーグル培地, Dulbecco's Modified Eagle's Medium)D1152, D2902, D5030, D5523, D5648, D777749.33.7組成表
F12 (栄養混合物F-12ハム, Nutrient Mixture F-12 Ham)F663635.72.676組成表
Glasgow MEM (グラスゴー最少必須培地, Glasgow Minimum Essential Medium)G614836.72.75データシート
HBSS (ハンクス平衡塩, Hanks' Balanced Salts)H1387, H2387, H4891, H61364.70.35組成表
IMDF (イスコフ改変ダルベッコ培地, Iscove's Modified Dulbecco's MediumI763340.33.024データシート
クレブス-ヘンゼライトバッファー, 改変型 (Krebs-Henseleit Buffer Modified)K3753282.1データシート
クレブス-リンガー炭酸水素バッファー (Krebs-Ringer Bicarbonate Buffer)K400216.81.26データシート
マッコイ 5A 培地 (McCoy's 5A Medium)M489229.32.2データシート
MCDB 131 培地 (MCDB 131 Medium)M853715.71.176データシート
MCDB 153 培地 (MCDB 153 Medium)M740315.71.176データシート
199 培地 (Medium 199)M2520, M3769, M501729.32.2組成表
イーグル最少必須培地 (Minimum Essential Medium Eagle)M0268, M0643, M0644, M0894, M2645, M302429.32.2組成表
M0268, M0643
   M0644, M0894
     M2645, M3024
イーグル最少必須培地, Auto-Mod MEM EBSS AUTO-MOD (オートクレーブ可)M076929.32.2データシート
MEM HBSS NEAAM10184.70.35組成表
MEM HBSSM46424.70.35組成表
NCTC 135 倍地N326229.32.2データシート
栄養混合物 F-10 ハム(Nutrient Mixture F-10 HamN6635161.2データシート
栄養混合物 F-12 ハム (Nutrient Mixture F-12 Ham)N676015.71.176データシート
栄養混合物 F-12 ハム (Nutrient Mixture F-12 Ham)N352033.32.5データシート
RPMI1640 培地R138326.72データシート
RPMI1640 培地 (Hepes 改変)R413026.72データシート
RPMI1640 培地R650426.72データシート
RPMI1640 培地R875526.72データシート
タイロード塩 (Tyrode's Salts)T214513.31データシート
ウェイマウス MB 752/1 培地 (Waymouth MB 752/1 Medium)W162529.92.24データシート
ウィリアム培地 E (Williams' Medium E)W412529.32.2データシート

AUTO-MOD 粉末培地の調整

オートクレーブができるように調整された培地です。

製品名製品番号製品情報
イーグル最少必須培地, Auto-Mod Minimum Essential Medium Eagle, Auto-ModM07690.292 g/L の L-グルタミンおよび 2.2 g/L の重炭酸ナトリウムを添加してください。
RPMI-1640 培地 (RPMI-1640 Medium)R77550.3 g/L L-グルタミンおよび 2.0 g/L 炭酸水素ナトリウムを添加してください。

手順

培地の添加物は、その物質の熱安定性に応じて加えます。つまり、耐熱性添加物はオートクレーブ前に加えることができますが、非耐熱性添加物はオートクレーブ後に無菌的に加える必要があります。培地の保存条件および期限は添加物の種類によって決まります。

  1. 最終体積の 90%の細胞培養用水を量りとります。
  2. 穏やかに撹拌しながら Auto-Mod™粉末培地を加え、溶解するまで撹拌します。
  3. 製品の容器を少量の水ですすぎ、残った粉末をすべて洗い出し、洗水を溶液に加えます
  4. RPMI1640(製品番号:R7755)はオートクレーブ前にpH 4.0 に調整する必要があります。
  5. 細胞培養用水をさらに加え、体積を調整します。この時オートクレーブ後に加える重炭酸ナトリウム溶液と L-グルタミン溶液の体積を差し引いた体積に調整してください。
  6. 121℃、15 psi で15 分間オートクレーブを行います。(注:オートクレーブの性能にはバラつきがあります。各装置をご確認ください)
  7. 長時間の加熱および蒸発を避けるため、ただちに培地を取り出します。
  8. 培地を 15~20℃に冷却した後、調整する培地の最終体積に必要な滅菌済み 7.5%炭酸水素ナトリウム(製品番号:S8761)と、滅菌済み 200 mMのL-グルタミン溶液(製品番号:G7513)または、γ線滅菌済みL-グルタミン(製品番号:G6392)を加えます。適切な量については下表をご覧ください。
  9. 必要に応じて、無菌 1 N の NaOH または 1 NのHClでpHを調節します。
  10. 液体培地は 2~8℃の暗所に保存します。
製品名製品番号7.5%重炭酸ナトリウム溶液
(ml/L)(製品番号:S8761 )
L-グルタミン 200 mM
(ml/L)(製品番号: G7513)
L-グルタミン 粉状(g/L)
(製品番号:G6392) 
MEMM076929.310.000.292
RPMI1640R775526.710.250.3

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