1 筑波大学 名誉教授
2 津山工業高等専門学校 講師
材料科学の基礎 第8号 2012→ PDF版
1.はじめに
シグマ アルドリッチ ジャパン刊行の「材料科学の基礎」は、材料科学の研究を始めたばかりの人や、他分野の研究者で材料科学のあるテーマについてかいつまんで知りたい人にとって、とても良い手引きである。
通巻8巻目となる本巻では、2000年ノーベル化学賞1)に輝いて注目を浴び、今や様々な製品に応用される導電性高分子について、科学教育への展開を視野に入れた解説と、実際の実験教室例を紹介する。専門家ばかりが読むものではないという観点から、できるだけ易しく、イメージが湧くような解説を心がけた。
ところで、導電性高分子とはどんなものだろうか。導電性とは「電気を伝え導く性質(⇔絶縁性)」、高分子(ポリマー)は「分子量がとても大きい分子(一般には分子量1万以上)」のことである。したがって文字通り解釈すれば「導電性高分子」とは「電気を流すことができる高分子」、小学生にも分かるように言うなら「電気がとおるプラスチック」となる。しかし世間一般の常識では、高分子といえばガラスなどと同様、絶縁体の代表格である。実際、電線はポリ塩化ビニルなどの高分子で被覆してあるし、電源プラグも持つ部分は高分子でできている。かつては「高分子=絶縁体、金属のように電気を導くなどあり得ない」、これは常識であった。ポリアセチレンのドーピングによる導電性高分子の発見2)までは。
2.導電性高分子開発史
<セレンディピティー>
単結合と二重結合が交互に結合した直鎖状化合物[- (CH=CH)n -]は共役ポリエンと呼ばれ、古くから化学者だけでなく物理学者からも興味をもたれていた。有機合成化学者は早くから共役数(n)が増加するにつれて、その吸収(電子)スペクトルの吸収極大が長波長側に移動する(深色効果)と同時に、吸収係数が大きくなる(濃色効果)現象に気付き、これらの効果の説明を試みようとした。詳しい説明は省くが、直鎖状共役ポリエンでは、共役数が増加すると単結合はより短く、二重結合はより長くなることによって説明された。この傾向を共役が無限に長い仮想的な分子、無限長共役ポリエン、に外挿すると単結合と二重結合の長さは同じになり、結合の交互性(結合交替)が失われるだろうと予測された。このような状態では無限個のπ軌道は連続一様なエネルギー状態、すなわち一つのバンドを形成し、無限個のπ電子が作る結合性軌道がこのバンドの下半分(価電子帯)を占め、上半分の半結合性軌道が作る伝導帯と接する。したがって、常温(のエネルギー)でもπ電子の一部は価電子帯から伝導帯へ励起されるため導電性が発現する。無限に長い共役ポリエンが金属モデルとか自由電子モデルとして話題になった所以である。しかし、後になってπ電子だけでなくσ電子の寄与も考慮すると、結合交替のある分子構造の方がエネルギー的に安定であることが理論的に証明され、金属モデル説は否定された。
固体物理学者は分子の全エネルギーを電子エネルギーと格子エネルギーの和と見る。共役ポリエンを例にとると、格子は主鎖を構成している炭素原子の位置に関するものに相当し、格子間隔、すなわち炭素-炭素結合が等間隔で格子エネルギーは最も低くなる。これに反して、電子はスピンを逆にして対を作る傾向が強いので、結合の長さに長短ができた方が電子エネルギーは低くなる。このように格子エネルギーと電子エネルギーは相反する関係にある。とりわけ、共役ポリエンのように炭素-炭素結合が一次元に配列している直鎖状分子では、二次元あるいは三次元方向の拘束力が極めて弱いので、電子エネルギーの低下の寄与が、格子をひずませる(結合交替を生ずる)エネルギー増大の不利を補って、分子の全エネルギーを決定している。結合交替があると、価電子帯と伝導帯との間にギャップ(ΔEg)ができ、その大きさは結合交替の程度により小さい(≤1.5eV)と半導体、大きい(>1.5eV)と絶縁体となる。
共役ポリエンは共役数が増加するにつれて溶媒に対する溶解性が極端に悪くなるので、無限に長い共役ポリエンに相当する分子の合成は困難を極め、理論の正しさを実証することはできなかった。1958年になってG.Nattaらがポリエチレンやポリプロピレンの重合触媒として有名なチーグラー・ナッタ触媒でアセチレンを重合して得たのが、無限に長い共役ポリエンに相当する分子の合成の最初である3)。
1960年代後半、のちにA. J. Heeger、A. MacDiarmidとともに2000年ノーベル化学賞を受賞することになる白川は、東京工業大学でチーグラー・ナッタ触媒によるアセチレンの重合反応について研究をしていた。もちろん当初は導電性高分子をつくろうという意図ではなく、主にポリアセチレンの重合機構を知るためであった4)。しかし、そのころのポリアセチレンは誰が合成しても得られるのは黒い粉末状で、しかも不溶・不融。熱を加えても軟化しないし、溶媒にも溶けないとあっては、自由に成形できず、プラスチックとしての利点に乏しい、使い道に困る代物であった5)。
ところが1967年頃、誰もつくり得なかったポリアセチレン薄膜は半ば「偶然に」合成される。きっかけは、白川が所属していた東工大・池田グループに来ていた研究生がポリアセチレンを合成してみたいと言い出したことであった。白川は触媒の通常レシピを研究生に指南し、実験をさせた。しばらくすると、研究生は実験が失敗したと言ってきた。そこで白川が反応の様子を確認しにいって発見したもの、それは触媒溶液の表面に張った黒い膜であった。粉末状のポリアセチレンを得ようとして、できてしまった黒い膜、しかも圧力計の読みからアセチレンはほとんど重合していない・・・当初の目的からすれば、それは明らかな「失敗」であった。
しかし、白川が同じ失敗はしたくないという思いから、その黒い膜を詳しく分析してみると状況は一変する。それは紛れもないポリアセチレンの薄膜であった。そこで白川は意図的にポリアセチレン薄膜をつくる実験を開始する。その条件を探る中で、それまでよりも濃い触媒溶液を用いると薄膜ができやすいことが判明し、どうやら「どこかで触媒濃度の単位を取り違えて、レシピ上のmmolがmol(実に1000倍!)になってしまったのでは?」という仮説が生まれた。つまり常識的な化学者なら、まずもって行わないであろう非常識を研究生が誤ってやってしまったのが、この発見のすごさであり、単なる失敗として葬り去られたかもしれない実験に価値を見出したところが、セレンディピティー(偶然に幸運な発見をする潜在的能力)が発現された例とされる所以である。
かくして合成に成功したポリアセチレン薄膜は、実験をくりかえすうち、アルミ箔のような金属光沢を放つようになる。それを見た白川は「ひょっとしたら電気が流れるのでは?」と考えた。これが第二のセレンディピティーの瞬間である。もともと東工大の神原・籏野グループは粉末のポリアセチレンを研究し、有機高分子半導体であることを突き止めた。それがあったにせよ、金属のようには電気など通らないと考えられていた高分子に「電気が通るのでは?」というひらめきが、ポリアセチレンに世界初の導電性高分子という道を切り拓いたのである。
ところがこれで「電気が通りました、めでたしめでたし」とはならない。ドーピングされていないポリアセチレン薄膜の電気抵抗率とバンドギャップの測定値は次の通りで、半導体から絶縁体でしかなかったのである。
- トランス型ポリアセチレン:1.0 × 104 ohm cm、0.56 eV
- シス型ポリアセチレン:2.4 × 108 ohm cm、0.93 eV
しかも、この研究成果を発表したものの、幸か不幸か誰にも相手にされず、その分、競合する研究者も現れなかった6)。
しかしポリアセチレンを神は見捨てなかった。純然たる有機高分子化合物であるにもかかわらず、金属光沢を放つこの物質に興味をもった化学者がいた。ペンシルバニア大学のMacDiarmidである。1976年、白川はペンシルバニア大学に招かれ、固体物理学者のHeegerも加わり、3人で力を合わせての研究が始まる。その結果、高分子主鎖に電子が動く余裕、すなわちホールをつくるために求電子性のあるハロゲン(最初は臭素、のちにヨウ素)を微量添加するという、化学ドーピングが発案された。それを行ったところ、驚くべきことにポリアセチレンの電気伝導度は一気に1千万倍にも増加し、後の研究で数千S/cmと金属にも匹敵するものとなった。ここに導電性高分子「ポリアセチレン」が発明されたのである。
さすがに、この「導電性高分子ポリアセチレン」のインパクトは凄まじかった。世界的な大発明として注目された。白川の言葉を借りるなら「現代の錬金術」といっても過言ではない6)。この後、ポリアセチレンについては合成や応用について様々な研究が行われた。BASFの研究チームが溶媒にシリコンオイルを用い、また触媒溶液を加熱熟成することで105 S/cm程度という電気伝導度を有するポリアセチレンを合成したという報告をなしたが、著者が知る限り追試に成功したという報告はまだない。また期待が集まったポリアセチレンの応用については、環境安定性の低さから困難もあったようだ。その中にあって興味深いのは、今から30年以上も前に白川らがポリアセチレンを用いた有機薄膜太陽電池の試作を行っていたり、また今やリチウムイオン電池の発明者として知られる旭化成の吉野彰がポリアセチレンを電池の電極材料として研究していたりと、現在の電池事情を予言するような研究が既になされていたことだ。
3.導電性高分子とは
ポリアセチレンに代表される導電性高分子は合成した時点では絶縁体から半導体、後述するドーピングという操作を行うと半導体から良導体に変化し、高分子でありながら電気を導くようになる。ではポリエチレンなどの汎用の高分子と、ポリアセチレンに代表される導電性高分子は何が異なるのであろうか。答えは、両者の分子構造の違いにある。
図1 ポリエチレンの分子構造
図2 ポリアセチレン(トランス型)の分子構造
ポリエチレン(図1)とポリアセチレン(図2)は一見、似たようにも見えるが、ポリエチレンの主鎖は単結合すなわち強固なσ結合のみからなる。一方、ポリアセチレンの主鎖は単結合とニ重結合(σ結合 + π結合)が交互に繰り返す共役構造で、この共役構造こそが導電性になるかならないかを左右している。
図3に示すように、ポリアセチレン(トランス型)では主鎖を構成する全ての炭素原子はπ電子が入ったp軌道(π軌道ともいう)を一つずつもっている。つまり、π電子が一次元に配列していると見なせる。しかし、それぞれのπ電子はとなり合ったp軌道の間で共有されることによって二重結合を形成しているに過ぎず、自由に動くことはできない。いわば局在化しているゆえ、絶縁体かせいぜい半導体である。
図3 ポリアセチレンのp軌道とπ電子(イメージ)
導電性を付与するにはドーピングという操作(または反応)を行う必要がある。これを化学ドーピングと称している。実際の操作は導電性高分子に、表1で示した試薬(電子を受け入れやすいアクセプター、もしくは電子を与えやすいドナー)を少量添加することで導電性が発現する。
ドーピングは電気化学的にも可能であり、この場合、導電性高分子を正または負電極として、電解質(D+A-)を溶かした電解液中で電圧を印加することにより、正極ではアクセプタードーピングが、負極ではドナードーピングが起きる。
表1 ドーパントの種類
共役系高分子にアクセプターやドナーを加えると導電性が発現する理由は、アクセプターの場合には共役系高分子からπ電子が引き抜かれて負の荷電単体(正孔、ホール)が、ドナーの場合は電子が供給されて負の荷電担体ができるからである。
トランス型ポリアセチレンには二重結合が右肩上がりの共役構造(仮にA相とする)と右肩下がり(B相)の共役構造が考えられる。両者は対称的な構造をもち、エネルギー的にも区別はないので縮重(または縮退)しているといい、数多くの共役系高分子の中でトランス型ポリアセチレンだけがこのような構造を有している。
ESR測定からトランス型ポリアセチレンは3×1019 spin/g、の不対電子をもっていることが分かっている。一方、注意深く合成したシス型では不対電子が観測されなかったこと、および低温で合成したシス型は不可逆的にトランス型に熱異性化することから、その過程でπ電子の組み替えが起こり、対を作らず孤立したπ電子ができたと考えられる。言い換えれば、共役鎖内にA,B両相が共存する状態が起こり、この境界に孤立したπ電子が安定に存在している。この孤立したπ電子は中性ソリトンと呼ばれており電荷をもたないので荷電担体(キャリア)にはならないが、対を形成しているπ電子より反応性が高いので、アクセプターやドナーと反応してそれぞれ負や正の電荷をもつソリトンとなり導電性の発現に寄与する(図4)。
図4 縮重構造をもつトランス型ポリアセチレンに生じた不対電子(中性ソリトン)
トランス型ポリアセチレン以外の共役系高分子は非縮重系で、π電子の引き抜きや組み替えが起こると、エネルギー状態が異なる二つの構造をとる。例えば、ポリ(p-フェニレン)ではドーパントが二重結合からπ電子を引き抜くと、結合の組み替えが起こり、安定なベンゾノイド構造(A相)からエネルギー状態が高いキノイド構造(B相)に変わる。結合交替の組み替えによるB相への変換には、その差分のエネルギーが必要になるため、限られた領域にのみB相となりポーラロンが生成する。(図5)
図5 非縮重構造をもつポリ(p-フェニレン)に生じた正のポーラロン
更にドーピングが進むとポーラロンを形成している孤立π電子がアクセプターに引き抜かれると、二つの正電荷をもつバイポーラロンが、ドナーから電子が供給されると、二つの負電荷をもつバイポーラロンができる。(表2および図6)
表2 導電性高分子における荷電担体(キャリア)の種類
図6 荷電担体のエネルギー準位図
このドーピングという操作は、その程度により導電性を絶縁体レベルから導体レベルまでコントロールできるばかりでなく、導電性高分子に色や大きさなど様々な物性変化をもたらす。これが導電性高分子の応用の多様さの由来である。
図7 ポリアセチレンの化学ドーピング(イメージ)
図7にみるように、たとえばヨウ素のようなアクセプターをポリアセチレンに添加すると、ヨウ素は主鎖のπ電子を取り去り、そこにホールができる。これは例えていうなら、身動きもままならないほどの満員電車から、何人か人が降りたような状態で、人がいなくなった空間には別の人が、そうして空いた空間にはまた別の人がという具合に人が動けるようになる。つまり電子のリレーが可能になるというわけだ。そこに電圧を加えると、ホールが次々に移動して=電子が動いて、電気が流れるというしくみである。(図8)
図8 ポリアセチレンの電気伝導(イメージ)
図9には、表3の脂肪族、複鎖型、二次元の分類を除く、芳香環を含む導電性高分子の構造式を示した。
図9 芳香環を含む導電性高分子
応用という面で最も身近なのは、ポリピロール(Aldrich 製品番号:482552, 577030, 578177, 530573, 577065)であろう。しかし、日常生活のどこにポリピロールが使われているのか、知る人は少ない。ポリピロール(482552 他)はアクセプターでドーピングされた状態が安定であり、ピロール(131709)の酸化重合により比較的簡単に合成できる。応用例としては固体電解コンデンサが挙げられる。通常、電解コンデンサの電解液はイオン伝導体であるため電気伝導度が低く、周波数特性が悪い(高周波数域でのインピーダンスが大きくなる)7)。その電解液の代わりに電子伝導のポリピロールを使うと周波数特性は劇的に改善し、小型・軽量・高容量と3拍子揃った高分子固体電解コンデンサができる。このポリピロールを用いた固体電解コンデンサは、(急に電源が落ちた時に活躍するバックアップコンデンサとして、)ノイズの除去、リップル吸収、デカップリング効果に優れているため、既に携帯電話、ノートパソコン、小型ゲーム機や携帯オーディオプレーヤーなどに多用され、我々が普段使っている電化製品の小型化・軽量化・高性能化に大きく貢献してきた。
その一方でポリアニリンは原料のアニリンが安価で、酸化重合で比較的簡単に合成できるため、初期の頃から最も実用に近いとされ、良く研究された導電性高分子である。ポリアニリンは合成後の処理によって4つの異なった状態をとるが、導電性になるのは深い緑色をしたエメラルジンソルトの状態のみである。Heegerらは、カンファースルホン酸(CSA)やドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)といった機能性ドーパントを用いて、ポリアニリンの導電性を保ったままクレゾールやキシレンに可溶にした。これと前後して、ポリアニリンの応用研究は一気に花開き、ポリアニリンを電極に用いたトランジスタや高分子リチウム電池、色素増感太陽電池など次々に報告がなされた8)。より身近な用途としては帯電防止フィルムや、コピー機の除電装置に使われている。様々な状態のポリアニリンが市販されており、シグマ アルドリッチからも購入できる(428329 他)。
1990年代になるとケンブリッジ大学のR.H.Friendらによる、導電性高分子ポリフェニレンビニレンの電界発光の発表9)に端を発し、導電性高分子を用いた高分子有機EL材料の研究が盛んになる。未ドープ状態の導電性高分子の半導体的な性質を応用したもので、共役系高分子という呼び方も定着した。導電性高分子は分子構造のデザイン、すなわち共役の発達度合いに応じて様々な発光色を得ることができる。例えば、ポリフェニレンやポリフルオレンは青色から水色、ポリフェニレンビニレンは緑色から橙色、ポリチエニレンビニレンは橙色から赤色といった具合で、導電性高分子だけで三原色をつくりだせる。詳細な素子構造などについては、「材料科学の基礎 第1号 有機EL素子の基礎およびその作製技術」10)および「Material Matters Vol.2, No.3 有機エレクトロニクス」11)に詳しく述べられている。低分子有機EL材料を用いた有機ELディスプレイが普及しつつあるが、いずれは加工性に優れた導電性高分子を主体とする高分子有機EL材料が取って代わるように思われる。
最近の導電性高分子の花形といえば、何といってもポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)であろう。世界的に研究開発がなされ、PEDOTに特化した専門書まで複数発刊されている12),13)。ある意味においてPEDOTは、導電性高分子の一つの理想型といえる。非常に優れた安定性、高い導電性、ホール注入性、ドーピング特性を有するからである。ポリスチレンスルホン酸(PSS)を高分子ドーパントにして水や有機溶剤に分散した液 通称:PEDOT/PSS(483095 他)の発売はスピンコートでたやすく任意の厚さの導電性高分子薄膜をつくることを可能にし、有機エレクトロニクスの新たな道を開拓した。この分野においてはPEDOTの粒子径を揃え、均一な膜をつくる技術も確立された。
既にPEDOTは、前述の導電性高分子応用例であるコンデンサやトランジスタ、帯電防止フィルムや電池などに用いられつつあるし、他にもアクチュエータやセンサ、熱電変換素子など応用研究の多様性でも、群を抜いている12)。例えばアクチュエータを例にとると、高強度ハイドロゲルとPEDOTを組み合わせて、強さ・しなやかさに加え、電子伝導性をあわせもった人工筋肉の開発が行われるなど、他の機能性材料とのいわば「ハイブリッド化」も進み、この分野の研究に活気を与えている。
特筆すべきはPEDOTがホール注入性に優れるため、有機EL素子のホール注入輸送層の定番になっていることである。またPEDOT/PSSは有機薄膜太陽電池のホール輸送層としても広く用いられ、その素子構造については、「材料科学の基礎 第4号 有機薄膜太陽電池の基礎」14)に詳しい。その素子構造をよく見ると、同じくポリチオフェン系のポリ(3-アルキルチオフェン):P3HT(445703 他)と修飾フラーレンのフェニル-C61-酪酸メチルエステル:PCBM(684430 他)とのブレンドが、有機薄膜太陽電池の光電変換層として広く採用されている。またポリチオフェンは以前から、有機トランジスタ材料の有望株として長く研究されてきた。それについては「材料科学の基礎 第6号 有機トランジスタの基礎」15)にも詳しく記載されている。
更にPEDOT/PSSは可視光吸収が少ないため、今や透明電極材料になくてはならないITO(Indium-Tin Oxide)に代替しうる材料として期待されている。希少金属のインジウムや有害なスズを用いずに済むばかりでなく、高分子素材であるPEDOT/PSSは柔軟性・伸縮性に富んでいる。タッチパネルのような身近な応用もさることながら、フレキシブル電子ペーパーなど、かつてSF映画が描いた未来のディスプレイをも予感させる。
しかしながら、優れた材料であるPEDOT/PSSにも乗り越えるべき課題は存在する。例えばドーパントにPSSを用いると可視光領域に吸収をもつことは不可避であるため、PSSに代わるドーパントとしてベンゼン環を持たないPVS(ポリビニルスルホン酸)を用いると可視光領域の吸収が抑えられるという報告がある16)。また積層することで性能や寿命を高めてきた有機EL素子であるが、ホール注入層にPEDOT/PSSを用いると強酸であるスルホン酸の影響で素子の劣化が早まるとする指摘があり17)、PEDOTのドーパントや、PEDOT/PSSに代わる正孔輸送材料の研究もなされている18)。
PEDOT/PSSに限らず、導電性高分子の有機EL素子、有機系太陽電池、電極材料などへの応用に欠かせない技術がインクジェット印刷やスプレー成膜、Roll-to-Rollといった加工法である。これらを導電性高分子の素子化に活用できれば、より低価格でより高性能な製品が生み出させると考えられ、実際に多くの研究開発がなされている。特にインクジェット印刷に関しては、PEDOTのナノ粒子を吐出できる印刷装置も存在し、ナノレベルの配線やパターニングも可能である。そうなると電子デバイスの作成は、蒸着やフォトリソグラフィなどの大掛かりな装置に頼る必要性はなくなり、「必要な材料を」「必要な分だけ」「必要な場所に」置いていくボトムアップの技術であるプリンタブル・エレクトロニクスの時代が到来する。プリンタブル・エレクトロニクスと導電性高分子が共に発展していくことで、有機エレクトロニクス分野のみならず、電子デバイス全般に大きな変革をもたらすに違いない。
さて、ここまで導電性高分子とその応用について、そのあらましを見てきた。しかし本書の本当の目的は、この先にある。それは、導電性高分子の科学教育への応用である。
5.導電性高分子の科学教育への応用
「理科離れ」という言葉が叫ばれてから、もう20年も経つだろうか。今や理科が好きな子供は少数派になりつつある。光触媒の開発者、東京理科大学学長藤嶋昭によれば、「理科が好き」と答える子供は小学生:約7割、中学生:約5割、高校生:約3割だそうである。藤嶋が提唱する「七五三(しちごさん)問題」である。以前お会いした際にお伺いした話であるが、なるほど学年が上がるにつれて進行する理科離れを象徴している。その先にある大学生はどうなってしまうのだろうとますます不安になる。実際、大学生の理数系の能力は著しく低下しており、この国の高等教育に暗い影を落としている。
白川も予てから理科離れの問題には強い危惧を感じていて、その解決策として一般向け「実験教室」を各地で行っている。その実験プログラムの開発に大きな役割を果たしているのが、東京お台場の日本科学未来館(以下、未来館)である。未来館では、白川を講師に招き、2003年から「ノーベル賞化学者からのメッセージ~白川英樹博士×実験工房~」と題して、導電性高分子に関する実験教室を定期的に行っている。対象は小学校5年生以上のすべての人である。導電性高分子の実験というと一見難しく受け取られそうである。しかし、導電性高分子は実際には、
- 合成が比較的容易である
- ドーピング状態により色や性質が劇的に変化する
- ドーピングにより導電性、エレクトロクロミズム、電界発光など様々な物性を発現できる
- 諸特性が様々な応用に直結している
など、化学実験教室を魅力溢れるものにできる要素を持っている。また合成から応用までを一度に体験でき、化学の枠を超えて、科学全般の素晴らしさを体得できる稀有の素材でもある。2012年現在、行われている実験教室は2テーマ、「透明スピーカーへの応用」18)と「プラスチックELへの応用」19)で、廣木もかつて未来館のスタッフとして、白川や同僚の科学コミュニケーターと協力して実験教室の開発に当たった20)。今回はその実験教室の中から、いくつか実験を紹介しよう。
実験ノート
(1) もっとも簡単な導電性高分子の実験~ポリピロールの合成~
導電性高分子の合成と、その導電性を知るための最も簡単な実験が、電気化学重合(電解重合とも呼ばれる)によるポリピロールの合成(図10)である。
図10 電気化学重合によるポリピロールの合成
まず以下のものを用意する。
器具と試薬
- ITOガラス(50×50×0.50 mm、10 Ω/sq以下が望ましい) 1枚
- ステンレス板(50×50×0.1 mm) 1枚
- ゴム板(スぺーサー、10×40×2.0 mm) 1枚
- プラスチック製クリップ 1個
- 電源装置 1台
- テスター 1台
- リード線(ミノムシクリップ付、赤・黒) 各1本
- ビーカー(500 mL、300 mL) 各1個
- セロハンテープ
- 純水(蒸留水もしくはイオン交換水) 150 mL
- ピロール溶液(ピロール 2.1 mL、塩化ナトリウム 7.5 g、純水 150 mL)
実験手順
- 300 mLビーカーに洗浄用の純水を150 mL入れる。
- 500 mLのビーカーにピロール溶液を150 mL入れる。
- ITOガラスの導電面(電気が流れる面)をテスターで確認し、赤いシールを貼る。(図11-1)
図11-1 ITOガラスの導電面の確認
- ステンレス板にスペーサー(ゴム板)を置く。(図11-2)
図11-2 ゴム板をステンレス板に置く
ITOガラスの導電面とステンレス板がスペーサーをはさんで向かい合うように合わせ、プラスチック製クリップで固定する。(図11-3)
図11-3 ITOガラスとステンレス板の固定とリード線の接続
- 電源装置の電極にリード線をつなげ、ITOガラスにプラス極(+)のリード線、ステンレス板にマイナス極(-)のリード線をそれぞれつなぐ。(図11-3)
- 「2.」のピロール溶液に「6.」のITOガラスとステンレス板を浸す(高さにして50~60 mm)。
- 電圧(3V、約1分)をかけて、重合する。
- 重合が終わったら、ITOガラスを取り外して、「1.」の純水ですすぎ、乾燥させる。
- 重合でできたポリピロールにセロハンテープ2枚を図11-4のように並べて貼り付ける。(図11-4)
図11-4 ポリピロール薄膜の固定
- 下に貼った方のセロハンテープとともに、「8.」の重合でできたポリピロール膜をはがしとる。(図11-5)
図11-5 ポリピロール薄膜の剥離
- ポリピロール膜の導電性を確認する。(図11-6)
図11-6 「トオル君」によるポリピロール薄膜の導電性確認
- 導電性を確認するために用いられている道具の[トオル君]は、日本科学未来館のボランティアだった佐伯聡が考案した手作りの導通チェッカーで、発光ダイオード(LED)、トランジスタ、抵抗、3Vコイン型乾電池各1個からなる。現在は同ボランティア「ノーベルかがくショー実演チーム」の『ノーベル隊』に引き継がれている。導体に触れるとLEDが光って知らせるものだが、市販のパーティーグッズ「クリスタルキャンドル」でも代用できる。(図12)
図12 クリスタルキャンドルによるポリピロール薄膜の導電性確認
(2)PEDOTを使って有機EL素子をつくる
未来館で開発された最も新しい導電性高分子の実験が「導電性プラスチックを作ろう!-プラスチックELへの応用-」である。その実験法を紹介する。
まず以下のものを用意する。
器具と試薬
- ITOガラス(20×50×0.50 mm、10 Ω/sq以下が望ましい) 2枚
- ステンレス板(30×50×0.1 mm)1枚
- ゴム板(スペーサー、10×10×1.0 mm)1枚
- プラスチック製クリップ 1個
- 電源装置 1台
- テスター 1台
- リード線(ミノムシクリップ付、赤・黒) 各1本
- ビーカー(200 mL)1個
- トールビーカー(200 mL)1個
- 丸型シール(赤・青5φ、導電面・電極確認用)各1枚
- 両面テープ(25×25 mm、中央に10×10 mmの穴を開けておく)
- キムワイプ
- 純水(蒸留水もしくはイオン交換水) 100 mL
- エチレンジオキシチオフェン(EDOT)溶液(EDOT 0.165 mL、過塩素酸リチウム 0.800 g、70% EtOH 75 mL)
- ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)溶液(MEH-PPV 0.040 g、クロロホルム 10 mL、ガラス製秤量瓶に入れておく)
- ガリウム・インジウム共晶混合物(Ga/In、約0.050 g)
- エタノール少量
- ドライヤー
実験手順Ⅰ ホール注入層をつくる
- 200 mLのビーカーに洗浄用の純水を100 mL入れる。
- 200 mLのトールビーカーにEDOT溶液を75 mL入れる。
- ITOガラスの導電面をテスターで確認し、赤シールを貼る。(図13-1)
図13-1 ITOガラスの導電面の確認
- ステンレス板にスペーサー(ゴム板)を置く。(図13-1)
- ITOガラスの導電面とステンレス板がスペーサーをはさんで向かいあうように合わせ、プラスチック製クリップで固定する。(図13-2)
図13-2 ITOガラスとステンレス板の固定
- 電源装置の電極にリード線をつなげ、ITOガラスにプラス極(+)のリード線、ステンレス板にマイナス極(-)のリード線をそれぞれつなぐ。(図13-3)
図13-3 リード線の接続
- 「2.」のEDOT溶液に「6.」のITOガラスとステンレス板を浸す(高さにして約20 mm)。(図13-4)
図13-4 EDOTの電気化学重合
- 電圧(2 V、約5秒)をかけて、重合する。(図13-4)
- 重合が終わったら、ITOガラスを取り外して、「1.」の純水ですすぎ、ドライヤーで乾燥させる。(図13-5)
図13-5 PEDOT薄膜(ホール注入層)の乾燥
実験手順Ⅱ 発光層をつくる
- 手順Ⅰで作成したPEDOT薄膜付ITOガラスをMEH-PPV溶液(高さ約20 mm)に入れ、発光層をディップコートする。(図14)
図14 MEH-PPV(発光層)のディップコート
- ガラス面(ITOの付いていない面)に付着したMEH-PPVを少量のエタノールをつけたキムワイプで拭き取る。
実験手順Ⅲ 電子注入層の準備
- 新しいITOガラスの導電面をテスターで確認し、導電面側に青シールを貼る。(図15-1)
図15-1 ITOガラスの導電面の確認と両面テープの貼りつけ
- ITOガラスの導電面に穴を開けた両面テープを貼る。(図15-1)
- 両面テープの裏紙をはがし、窓の中央にGa/In共晶混合物 約0.05 gを載せる。(図15-2)
図15-2 Ga/In共晶混合物(電子注入層)の準備
実験手順Ⅳ 有機EL素子を組み立てる
- 導電面を内側にして、手順Ⅱと手順Ⅲで作成した2枚のITOガラスを貼り合わせる。(図16)
図16 有機EL素子の組み立て
実験手順Ⅴ 有機EL素子を光らせる
- 赤シールを貼った方のITOガラスにプラス(+)、青シールを貼った方のITOガラスにマイナス(-)のリード線をそれぞれつなぐ。(図17)
- プラス(+)につながっているITOガラスが上になるようにして、3V前後から徐々に電圧を上げ、発光の様子を観察する。(図17)
図17 有機EL素子の完成
導電性高分子をつかった有機EL素子の実験教室開発は、白川や実験教室に関わった未来館スタッフの悲願であった。単純な有機EL素子は、陰極と陽極の間に発光層を挟んだ単層型(図18-a)であるが、発光効率を高めるために電極から電子やホールの注入を助ける注入・移動層を用いた多層型(図18-b)が一般的である。この発光層・注入層の成膜法や封止、電子注入層に用いる金属などに困難があった。
図18 有機EL素子の構造
この実験教室開発を後押ししたのは、電子注入層の問題が早々に解決したことだ。通常用いられるカルシウムなどの金属の蒸着による成膜は、装置や時間の都合で使用できない。悩んでいたところ、住友化学の大西敏博の示唆で、常温で液体のガリウム・インジウム共晶混合物(Ga/In)を用いると、比較的簡単に電子注入層を形成できることが分かった。この混合物はシグマ アルドリッチから市販されており(495425)、たやすく入手できた。
次の問題は封止をどのようにするかであった。ここで白川の未来館スタッフを仰天させた発案があった。何と「強力両面テープ」で封止するというのだ。素子の電極は両極ともITOガラス。陽極にはPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン、ホール注入層)を成膜し、更にその上にMEH-PPV(ポリメトキシエチルへキシルオキシフェニレンビニレン、発光層)を成膜する。陰極にはGa/In共晶混合物を塗るのではなく、両面テープに約1cm角の窓を切り、それをITOガラスに貼り付けた上で、窓にGa/In共晶混合物を載せる。これに陽極を貼り付ければ、電子注入層の厚さは両面テープの厚さで制御され、煩わしい接着剤による作業を実験教室参加者に強いずに済む。
最後に問題になったのが、ホール注入層と発光層の成膜であった。当初は塗布成膜を試みて、一応は素子を組み上げ、発光させることには成功した。しかし膜厚が不均一であるため、ときにはショート、ときには接触不良で成功率が低かった。ホール注入層の成膜については、ゴムの板を使い、簡易的な電気化学重合法を思いついたことで解決した。当時、廣木が客員研究員を務めていた理化学研究所で、同室の研究員富永大輝がたまたま高強度ゲルを合成するのに使っていたシリコンゴムの薄板より発案したもので、ITOガラスの導電面と対極のステンレス板を薄いゴム板をはさんで等間隔に保ち、PEDOT溶液につけて電圧を印加する。すると流した電流と時間によって、任意の厚さのホール注入層を作ることが可能となった。最後に残った発光層の問題も、ディップコート法の採用により解決した。溶媒とMEHPPVの濃度を工夫することで、それまでよりも均一な発光層の成膜が可能となった。これらの工夫により、未来館スタッフがつくった素子は、ほぼ100%発光するようになったのである。(図19)
図19 実験教室で作成した高分子有機EL素子の構造
こうして蒸着装置もスピンコーターも使用しない高分子有機EL素子の実験プログラムは完成した。この実験でのこだわりは、導電性高分子PEDOTを電気化学重合で合成し、ホール注入層にはまた別の導電性高分子MEH-PPVを発光層に使っているという面白さにある。
実際に実験教室をやってみると、20人の参加者のうち1人か2人、光らないという状況が続いていたが、今年になってようやく全員が有機EL発光に成功したという知らせが、白川からもたらされ、ついに念願かなったというのが、筆者(廣木)の思いである。橙色のどこか温かなMEH-PPVの発光(図20)は、参加者に癒しと感動を与えるようである。
図20 高分子有機EL素子の発光
6.まとめ
1977年にポリアセチレンのドーピング結果を発表してから35年を経て、導電性高分子の科学はめざましく発展した。しかし、未だ分からないことは山ほどある。分子内の基本的な導電機構はすでに述べたとおりである。しかし、合成された導電性高分子は無限に長いわけではなく、測定された電気伝導度は分子から分子へのキャリアの移動を伴っているはずである。高分子の中では結晶性が高いといっても単結晶からはほど遠いポリアセチレンフィルムでも、銅に匹敵するような高い導電率(1.7×105 S/cm)が測定されている。この値は分子内伝導の寄与というより、むしろ分子間伝導を示していると考えるのが妥当であるが、その機構は未だ解明されていない。
導電性高分子の応用は更に広がり、センサ、キャパシタ、アクチュエータなどへの応用も盛んに研究されている。その理由は「高分子」であるがゆえに加工性に優れ、特に印刷技術と組み合わせてプリンタブル・エレクトロニクスの一翼を担うと考えられる。導電性高分子の溶液をインクとして打ち出して、パターニングをし、複雑な素子をも簡単に作製できる時代がやがてやってくるだろう。その頃、私たちはどんな生活をしているだろうか。ただ一つ言えることは、きっと生活のどこかに導電性高分子が密かに活躍しているであろうことである。これからも導電性高分子は進化し続ける。
導電性高分子の究極の応用は一本の共役分子鎖の半導性や導電性などを利用することにあり、それをどうやって実現するかが問題である。一本の共役分子鎖を取り扱い、その導電率を測定する技術、さらには希望する場所に一本の共役分子鎖を合成する技術など、いわゆる“分子ナノサイエンス・分子ナノテクノロジー” 22)の更なる発展が望まれる。
謝辞
この実験プログラムの実施に当たり、多くの方々に知恵を借り、ご協力いただき、材料の提供をしていただいている。ここに記して感謝の意を表する。
- 住友化学株式会社
- 株式会社 半導体エネルギー研究所
- 財団法人 材料科学技術振興財団
- シグマ アルドリッチ ジャパン
日本科学未来館における実験教室の開発実施・実施:宮島章子、渡部晃子、Blech Vincent、小岩井理美香、山口珠美、中川映理、大堀菜摘子の諸氏および、ボランティアの皆さん
津山工業高等専門学校における実験と画像撮影:田中慎二氏、須和田日法氏
関連製品
参考文献
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- 日立化成テクニカルレポートNo.51, 2008
- 特別コース「導電性プラスチックを作ろう ~透明スピーカーへの応用」
- 特別コース「導電性プラスチックを作ろう ~プラスチックELへの応用」
- 廣木一亮,「実験で知る導電性高分子」, 化学と工業, 2010, 63, 8, 808-809.
- 松重和美・田中一義編、科学フロンティア⑥, “分子ナノテクノロジー分子の能力をデバイス開発に生かす”, 化学同人, 2002
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