培地開発
最適な培地およびフィード戦略の選定
細胞株の性能を最大にするために、バイオ医薬品製造業者は、製造モードに最適な培地を見つけなければなりません。例えばパーフュージョンのシード培養と生産バイオリアクター培養には、最適な性能を得るための新しい培地製品が必要です。
フィード戦略は、培地のスクリーニングと最適化、ならびに栄養試験から得られた実験データに基づくものでなければなりません。フィード量とフィード添加のタイミングは、ハイスループット(HTP)アプローチや実験計画法(DOE)アプローチにより各プロセスや各細胞株でそれぞれ決定する必要があります。これらの作業は、社内で実施することも、同時スクリーニングを迅速化する専門家との連携により実施することもできます。
注目のカテゴリ
バイオプロセス用のカタログ培地とカスタム培地製品(CCM)は、モノクローナル抗体やワクチン、遺伝子治療用製品、細胞治療製品のアップストリーム工程の生産性を高めます。
Mobius® バイオリアクターファミリーは、初期開発から商業生産まで、さまざまなスケールに対応する細胞培養用のシングルユースバイオリアクターを提供します。
ドライパウダー細胞培養培地の安全な取扱いと効率的なミキシング
ドライパウダー細胞培養培地は、輸送や保存で多くの利点をもたらします。これらの利点を生かすには、高い溶解性と均一性をもつドライパウダー培地が必要です。これらの性質は、最適化されたミリング処理と適切な調製技術を組み合わせることで達成できます。さらに、溶解タンクに直接接続できる秤量済みバッグ入りドライパウダーなど、培地は取り扱いに便利な形で提供されなければなりません。それにより、製品汚染のリスクが最小限に抑えられ、従業員や施設を守ることができます。培地の溶解の際、特に容量が大きい場合には、専用のシングルユースミキシングシステムを用いて粒子の分散や溶解を良好に管理できます。
HCDCおよび特別に設計された増殖培地を用いたシードトレインの強化
細胞を1つのバイアルから細胞融解し、GMP製造バッチ実行のために細胞を増殖させるには時間と手間がかかり、非閉鎖系での細胞培養操作が必要になります。シードトレインの最初のバイオリアクターへの供給に高密度細胞凍結保存(HCDC)法を用いることで、プロセス全体を高率化することが可能です。凍結液量が比較的多いため、バイアルよりもシングルユースバッグが適しています。シングルユースバッグを使用すれば、HCDCを閉鎖系の処理で使用できるようになり、汚染リスクが低減されます。
シードトレインのパーフュージョン培養は、細胞密度をさらに高める方法の1つです。最適な結果を得るためには、特別に設計された増殖培地の使用をお勧めします。それにより、より高密度の細胞バイオマスによる製造バイオリアクターへの播種が可能になります。また、シードトレイン内のバイオリアクターの数を減らせばフットプリントを削減できます。さらに、バイアルの細胞融解から増殖、製造への移行中の馴化をなくすことで、時間を短縮します。
非動物由来およびChemically Definedの原料を使用したウイルス汚染リスクの低減
混入汚染の多くは、原料およびウシ血清やトリプシンなどの動物由来成分を起源とします。可能な限り、ウイルス汚染のリスクが高い原料および動物由来成分を、Chemically Definedの細胞培地や非動物由来の組換えサプリメントなど、リスクが低い代替品に代える必要があります。規制プロセスの簡略化にもつながります。
不溶性アミノ酸や不安定なアミノ酸への対処
必須アミノ酸であるチロシンとシステインは、アップストリームで使用されると、中性pHにおいて溶解度が低く(チロシン)、安定性が低い(システイン)ことから、課題をもたらします。フェドバッチプロセスを単純化し、この2つのアミノ酸の使用可能濃度を高くできるようにするために、化学修飾を加えたチロシンとシステインにより、中性pHにおける単一フィード戦略が可能になります。またこのアプローチのその他の利点には、フィード量の削減や容積生産性の上昇などがあります。
原料のロット間一貫性の確保
原料に一貫性がない場合、アップストリームプロセスにおいて著しいばらつきが生まれ、細胞密度や生存率の思わぬ低下を招き、最終的には収率が低下します。原料に関する理解を深めることで、プロセス変動をより高度に制御することができます。これは、サプライチェーンを原料まで遡り、その特性解析をすることで達成できます。
原料クォリフィケーションの迅速化
現在の規制ガイドラインや業界ガイドラインでは、アップストリームのバイオプロセシングで使用される化学物質に関して明確な基準が定められていません。基準がない中で、医薬品製造業者による原料の効率的な調達とクォリフィケーションは各自のサプライヤーに大きく依存しています。一般的にアンケートや別途文書による原料情報の収集には非常に長い時間がかかり、数週間かかることも少なくありません。結果として製造業者は、供給パートナーとして業界最高基準を厳密に満たし、原料のクォリフィケーションにおける医薬品製造業者の情報ニーズを満たす包括的文書パッケージとその裏付けのある原料を提供し、製造プロセスのリスク評価や最適化を完了できるサプライヤーを求めています。
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ワークフロー
細胞株開発
目的のバイオ医薬品を生産できるシングルセルクローンを選択することから開発が始まり、続いて生産性が高くスケールアップに対応した安定なクローンをスクリーニングします。
バイオリアクターによる製造
アップストリームプラットフォームの選択では、バイオリアクターやミキサーのスケーラビリティ、品質管理など、多くのことを考慮する必要があります。
モノクローナル抗体の製造
モノクローナル抗体(mAb)の製造は、mAbベースの免疫治療薬の製造に使用する高度にテンプレート化されたアプローチです。すべてのステップにおいて頑健でスケールアップ可能なプロセスソリューションが必要です。これにより、治療薬の高度な濃縮およびプロセスの安全性が担保されながら、市場に送り出すまでの時間やコスト面での制約といった問題に対応できます。
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