精密ラジカル重合ガイドブック(日本語版)
Controlled Radical Polymerization Guide
ラジカル重合は、高分子量ポリマーの商業生産に最も広く使用されているプロセスの一つです。多様なビニル化合物に適用できるラジカル重合にリビング特性を付与した、可逆的不活性化ラジカル重合(RDRP:reversible deactivation radical polymerization)技術の開発により、従来のラジカル重合の汎用性の多くを維持しながら、重合プロセスの制御が可能になりました。ラジカル重合をブロックやスター型などの複雑な構造をもつポリマーの合成に応用することは、もはや困難ではなくなりました。現在、最も注目されている重合技術には、ニトロキシドを介したラジカル重合(NMP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)があります。これら重合反応は、材料科学からライフサイエンスまでの幅広い用途の材料を生成するための手法として、高分子合成を超えた幅広い分野で採用されています。
本ガイドブックでは、ATRP、RAFT、NMPの3種類の精密ラジカル重合法に関するビューおよび実験に関する詳細について、Krzysztof Matyjaszewski教授、Graeme Moad博士をはじめとするCSIROの主要メンバー、Karen L. Wooley教授など、各分野の著名な先生方に解説していただきました。
目次
原子移動ラジカル重合(ATRP)
- ATRP:機能性ポリマーを自在に合成するための配位子と開始剤
- ATRPを利用するためのツール
- ピリジルメタンイミン配位子存在下でのCu(I)種を用いたリビングラジカル重合
- ATRPの典型的な重合方法
- 表面開始重合によるポリマーブラシ薄膜生長へのARGET ATRPの応用
- ARGET ATRP:PMMAポリマーブラシの作製法
- 製品紹介
- ATRP開始剤
- ATRP触媒用配位子
- ATRP触媒用金属塩類
可逆的付加-開裂連鎖移動重合(RAFT)
- Micro Review:RAFT重合
- RAFT重合のコンセプトおよびRAFT剤の選択
- RAFTにおける典型的な重合方法
- ブロック共重合体の精密合成に用いられる切り替え可能なRAFT剤:選択と合成方法
- 汎用/切り替え可能なRAFT剤を用いる重合方法
- 製品紹介
【参考】ATRP、RAFT、およびNMP法の利点と制限
関連情報
精密ラジカル重合については以下のページもご参考ください。
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