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カーボンナノ材料

中空の円筒構造を持つカーボンナノチューブのイラスト

カーボンナノ材料は、0次元のフラーレンや量子ドット、1次元のカーボンナノチューブ、2次元のグラフェン、3次元のナノダイヤモンドやグラファイトからなる広範な炭素同素体のグループです。カーボンナノ材料は、その特有の物理的・化学的特性により、幅広い用途に使用されています。ナノ構造材料の詳細については、「Tutorial: ナノテクノロジーとその材料」をご覧ください。 




フラーレン

フラーレンはバッキーボールとも呼ばれます。私たちは、C60、C70、C76、C78の多様なフラーレンを提供しており、分散性および処理性を改善するために官能基で修飾したものも入手できます。フラーレンは、軽量複合材料、触媒担体、バイオサイエンス、代替エネルギーなどの分野で利用されています。

カーボンナノチューブ

カーボンナノチューブは、同軸の層の数に従って、単層ナノチューブ(SWCNT:single-walled nanotube)、二層ナノチューブ(DWCNT:double-walled nanotube)、または多層ナノチューブ(MWCNT:multi-walled nanotube)に分類されます。単層カーボンナノチューブの直径と螺旋角はその電子的特性に大きな影響を及ぼし、金属性導電体として、もしくは直接バンドギャップ半導体として挙動するナノチューブが得られます。異なるカイラリティを有する単層カーボンナノチューブは、電界効果トランジスタに基づく高性能エレクトロニクスの製造に最適です。紡績可能多層カーボンナノチューブアレイは、未処理のMWCNTをフィルムや繊維のように有用な形態に加工することが容易であり、元のCNTの構造や特性に損傷を与えたり最終用途における性能を損なったりすることの多い破壊的な後処理の必要性がありません。CNTは、高アスペクト比、電気伝導性、優れた熱伝導性、強い機械的特性を持つことから、フレキシブルな透明導電性スクリーン、バイオエレクトロニクス、人工筋肉、ファイバーエレクトロニクス、スマートテキスタイルなどの最先端アプリケーションに有用です。

グラフェン

グラフェンは、最も有望なカーボンナノ材料の1つです。グラフェンは、原子レベルで薄い単層構造、高い表面積、強固な機械的・電気化学的特性を示します。エレクトロニクス、エネルギー、軽量複合材料、バイオメディカルなどの分野で研究が進められています。例えば興味深いことに、2つのグラフェン層を「魔法角(magic angle)」と呼ばれる角度で重ね合わせると、ゼロ抵抗で電子が流れる超伝導状態と完全な絶縁状態を切り替えられることが実証され、新たなデバイス作製の可能性が広がっています。グラフェン、グラフェンナノリボン、酸化グラフェンベースの材料は、さまざまな形態で提供されており、あらゆる用途に容易に組み込むことができます。

ナノダイヤモンド

蛍光ナノダイヤモンドは低毒性かつ高い生体適合性を有し、光褪色を示さないことから、非常に安定なバイオイメージング向けナノ材料です。蛍光の明滅が起こらず、蛍光寿命が長く(>10 ns)、生体機能化が容易なため、ナノダイヤモンドは分子イメージングと細胞標識などの用途に有望です。  

炭素系量子ドット

毒性のないカーボン量子ドットやグラフェン量子ドットは、生体適合性および光安定性を示し、表面グラフト化も可能であることから、無機量子ドットに代わる有望な候補材料となっています。

その他のカーボンナノ材料

カーボンナノホーン(CNH:carbon nanohorn)やカーボンナノファイバー(CNF:carbon nanofiber)などのカーボンナノ材料も提供しています。カーボンナノホーンは、高表面積、高い電気・熱伝導性、優れた溶液処理性を持ち、大規模生産能力と合わせて注目されている材料です。触媒担体、ガス貯蔵、エネルギー貯蔵、薬物送達、光線療法などへの応用に有効な選択肢となります。

カーボンナノファイバーは、不連続でグラファイト性が高く、ほとんどのポリマー加工技術との互換性があり、等方的または異方的に分散させることが可能です。優れた機械特性と高い電気・熱伝導性を持ち、これら特性を、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、セラミックス、金属を含む広範なマトリックス材料に付与することができる、コストパフォーマンスの高い材料です。また、CNFは独特の表面状態を持つため、機能化や他の表面修飾技術を用いて、用途に合わせた設計やカスタマイズが可能です。





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