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生体直交型クリック反応による汎用性の高い細胞培養足場の作製

Malar A. Azagarsamy, Navakanth R. Gandavarapu, Kristi S. Anseth

University of Colorado at Boulder

生体組織における重要かつ複雑な細胞外環境を3次元的(3D)に再現できるような生物材料足場の開発は、組織工学や再生医療の分野において非常に重要なテーマです。このような疑似的な合成細胞外マトリックス(ECM:extracellular matrix)として広く研究開発されてきた材料の1つに、ヒドロゲルがあります。ヒドロゲルは、水分含有量や弾性率、輸送特性が高いために2Dや3D環境下での細胞培養に適しており、また、軟部組織環境のもつ機械的特性を模擬的に再現します1-5

基本的に、ヒドロゲルは、物理的、イオン性、共有結合性相互作用によって架橋結合を形成するような、幅広い種類の天然および非天然(合成)前駆体化合物から合成されます2。このような系で細胞を培養する場合、天然ポリマーから作製したヒドロゲルでは、数多くの生体信号(細胞接着性タンパク質や増殖因子、タンパク質分解ペプチドなど)が得られますが、高い再現性を保ちながら、最終的に得られる物質の物理化学的性質を柔軟に制御できない場合があります。一方、合成高分子から作製したヒドロゲルは、機械的特性や膨潤、分解特性などの重要な性質を正確に制御できる反面、細胞が認識できない化学を使用します。そのため、天然および合成由来材料の両方の利点を兼ね備えた、細胞送達用媒体や細胞培養系としてのゲルを合成するための研究開発が精力的に進められています。本稿では、ポリ(エチレングリコール)(PEG)を基盤とするヒドロゲルに関連した例をいくつかご紹介します。PEGヒドロゲルは2次元および3次元細胞培養で広く利用されており、ゲル特性の制御や細胞からの信号を取り込むためのさまざまな手法が検討されています3-5。より重要な点は、PEG材料が非特異的なタンパク質相互作用を最小限にすることであり、そのため、細胞が細胞外環境からの特定の信号をどのように受け取るのかについての理解が容易になります。

PEGヒドロゲル合成の化学および分子設計原理

PEGヒドロゲルは、通常は水性条件下で、直鎖状もしくは分岐/星型の高分子鎖を、共有結合的または非共有結合的に互いに架橋させて合成します。物理的に架橋したPEGとポリ(プロピレンオキシド)のブロック共重合体(Pluronic®など)は、37℃付近に調整された下限臨界溶解温度(LCST:lower critical solution temperature)をもつ、in situ 生成ヒドロゲルとして幅広く用いられていますが6、このように非共有結合的に構築されたヒドロゲルの機械的性質には限界があります。これに代わるものとして、共有結合による架橋が、安定性の高いPEGヒドロゲルを作製するには必要不可欠です2。細胞培養用に共有結合性架橋ネットワークを構築するには、架橋方法の細胞適合性にも留意する必要があります。この場合、(i)連鎖重合および(ii)逐次重合の2つの重合メカニズムが広く用いられています4,5。末端官能基化PEGの連鎖重合は信頼性の高いシンプルなものですが4、結果として形成されるネットワーク構造は複雑で構造的に不均一であり、成長鎖長の分布が広く、分解は架橋点に限定されます。最近になって、制御されたより均一な高分子架橋ネットワークを実現すると同時に、生体信号を導入する簡便なルートを与えるものとして、PEGの逐次重合が広く用いられるようになっています。通常、ゲルの形成には平均官能基数が2よりも大きい必要があり、逐次重合によるPEGヒドロゲルの場合、典型的には多官能性化合物系を二官能性化合物を用いて化学量論的に架橋させます。必要なメッシュサイズや架橋密度に応じて、これら化合物のどちらか一方または両方を用いてPEGヒドロゲルを得ることができます(図1)。3D細胞培養、組織再生を目的とするヒドロゲルの場合、細胞やタンパク質の存在下でゲルの形成が必要なことが多いために、生理条件下で、高効率で毒性のない化学的架橋方法が不可欠です。このように複雑な条件が要求される課題の解決のために、バイオエンジニアリングの分野では、穏やかで特異的でありながらも生理的pHや温度条件で適切な反応速度をもつような、ヒドロゲル合成に適した逐次重合反応の探索が続けられています。

逐次重合ヒドロゲルの模式図

図14分岐PEG前駆体および直鎖状PEG前駆体の構造と、これらのPEG高分子を用いて形成された逐次重合ヒドロゲルの模式図

複雑かつ明確に定義された足場材料の合成におけるクリック反応の利用

生体材料分野に目覚ましい進歩をもたらしている最新の化学的手法の1つが、Sharplessらによって提唱された「クリックケミストリー」です。この反応は、水中を含むどのような条件下でも、高速、高選択性で高収率に2つの分子を互いに結合させることができます7。銅触媒を用いたアジド-アルキン付加環化反応(CuAAC:copper catalyzed azide-alkyne cycloaddition)がクリック反応の最初の例であり(図2A)、その後、マイケル付加反応(図2B)、光開始チオールエン反応(図2C)、Staudingerライゲーション反応、歪みで促進されるアジド-アルキン付加環化反応(SPAAC:strain promoted azide-alkyne cycloaddition)などのさまざまな化学反応が、クリックケミストリーの概念を満たすものとして知られています7-9。これら反応は、互いに直交性であるだけでなく生体系の官能基に対しても直交性であるため、バイオマテリアルの分野において、十分に制御され高度に規定された複雑な足場材料を作製するための優れた化学的手法として普及しています。

代表的なクリック反応の例

図2代表的なクリック反応の例。A)銅触媒を用いたアジド-アルキン付加環化反応、B)チオールとマレイミドによる塩基触媒を用いたマイケル付加反応、C)光開始チオール-エンカップリング反応

ここまでは、PEGヒドロゲルとクリックケミストリーについて紹介してきましたが、以降の節では、(i)細胞培養用PEGヒドロゲルの作製におけるさまざまなクリック反応の利用と、(ii)細胞機能を制御するためにいくつかのエピトープ(抗原決定基)によってこれらの材料を高い精度で官能基化する上で、クリック反応の直交性がどのように利用されているのか、について取り上げます。

マイケル付加反応

マイケル型付加反応は、穏やかな反応条件と適度な反応速度のため、細胞の存在下でヒドロゲル材料を作製するのに適したクリック反応です。このタイプの反応は図2Bに示したように、チオラートアニオン(マイケルドナー)が、α,β-不飽和ケトン(マイケルアクセプター)の電子不足二重結合を求核攻撃することによって進行します。ヒドロゲルを形成するマイケルアクセプターとしては、ビニルスルホンや、マレイミド、アクリラートが広く用いられています。Hubbellらのグループ10,11は、細胞培養用に4分岐PEGテトラビニルスルホンとシステイン含有ペプチドを用いて逐次重合ヒドロゲルの作製に成功した、最初のグループの1つです(図3)。チオールのチオラートアニオンへの脱プロトン化がこれらの反応には重要であり、塩基が必要ですが、Hubbellらは単に溶液のpHを調整することでこの問題を回避しました。この合成ルートによって、追加の修飾反応を行わずにシステイン含有ペプチドの導入が可能となり、また、細胞接着性を制御する多くのエピトープペプチド(例えば、Arg-Gly-Asp-Ser(RGDS)、Ile-Lys-Val-Ala-Val(IKVAV))のほかに、細胞分泌プロテアーゼによって分解されるプラスミン感受性ペプチド架橋剤の導入も行われています。最近、Garciaら12は、非非常に低濃度の塩基を用いてマレイミド官能基化多分岐PEGを速い反応速度でジチオールペプチド架橋剤と反応させることでヒドロゲルが得られることを報告しており、このヒドロゲルは細胞をカプセル化する上で有利であることも明らかになっています。

遂次重合ヒドロゲルの合成

図3マイケル付加反応を用いた、4分岐PEGテトラビニルスルホンとシステイン末端官能基化MMP開裂ペプチドによる、遂次重合ヒドロゲルの合成

チオール-エン化学

マイケル付加反応(アニオン性)とは異なり、チオール-エン反応はラジカル機構によって進行し、電子不足または電子過剰の炭素-炭素二重結合(-エンと呼ばれます)のいずれかにチイル(thiyl)ラジカルが付加します8。代表的なチオール-エン反応では(図4A)、(i)開始ラジカルによるチオールからの水素原子の引き抜き、(ii)生成したチイルラジカルのアルケン官能基への付加による炭素ラジカルの生成、(iii)他のチオールへの炭素ラジカルの連鎖移動と新たなアルケンへ伝播するチイルラジカルの再生成が起こります。チイルラジカルは、熱、光、レドックス重合開始剤によって生成させることができますが、細胞関連用途において特に適しているのは光重合開始剤で、細胞適合性をもつ光重合開始条件についてはすでに多くの例が報告されており8、また、空間的も時間的にも反応を制御することが可能です。

光開始チオール-エン化学を用いたペプチド官能基化PEGヒドロゲルの合成について、最初に報告したのは我々のグループです13。ノルボルネン官能基化多分岐型PEGとシステイン含有キモトリプシン開裂ペプチドとを、生理的pH条件下でPBSバッファ中にて、水溶性光重合開始剤としてlithium phenyl-2,4,6-trimethylbenzoylphosphinate(LAP)と365~420 nmの光を用いて架橋し、PEGヒドロゲルを合成しました(図4)。ゲル作製条件と得られたヒドロゲル系によって、高いレベルの細胞生存率(>95%)が得られました。さらに重要なことに、この化学反応は光に基づいているため、ゲルの特定部位で細胞接着性RGDSのような細胞シグナルのフォトパターニングが可能で(図4)、その結果、細胞との相互作用や細胞形態を局所的に決定することができます。このように、細胞をカプセル化した後のヒドロゲル足場へチオール化細胞伝達化合物(チオール化タンパク質など)を容易に導入できることで、細胞機能(分化など)を時間的および空間的に理解し操作できる可能性がもたらされます。また同様に、足場材料に特定のcell survival protein14や細胞間相互作用を模倣するタンパク質15を保持したチオール化親和性ペプチドの導入がチオール-アクリラート重合によって行われており、ECMのさらなる機能性を足場材料に組み込むことができるようになっています。

チオール-エン光化学反応

図4チオール-エン光化学反応。A)チオール-エン反応の一般的なメカニズム、B)エンとして通常用いられる、4分岐PEGテトラノルボルネンの構造、C)システイン含有キモトリプシン開裂ペプチド架橋剤、D)チオール-エン重合によって作製したネットワークのフォトパターニングを表す模式図。非化学量論的にネットワークを反応させた後、ヒドロゲル足場内の特定箇所にチオール化細胞接着性リガンドを結合させます。画像は、Alexafluor488で標識したRGDのフォトパターニングから得られたものです。スケールバーは、500 μm。

歪みで促進されるアジド-アルキン付加環化反応

さまざまなクリック反応の中で、材料科学から生体医科学までの広い分野で用いられているのは、銅(I)触媒を用いたアジド-アルキン付加環化反応(CuAAC:copper(I) catalyzedazide-alkyne cycloaddition)によって1,2,3-トリアゾールを形成させる反応(図2A)であり、アジドやアルキン、トリアゾールが、さまざまな反応条件やほとんどの生体系に対してほぼ不活性であるのがその理由です。このクリック反応が広く用いられるようになったのは、古典的なHuisgen付加環化反応に銅(I)触媒が使われるようになって以降ですが、遷移金属の毒性のために生体系への利用は大きく制限されていました。特に細胞培養用途としては、CuAACによって合成したヒドロゲルは細胞をカプセル化した足場ではなく単なる既製の細胞培養基材にすぎなかったものの16,17、ヒドロゲル足場材料に逐次クリック反応(次節を参照)技術が用いられるようになるきっかけとなりました18

CuAACのこの制約を克服するためにBertozziと共同研究者らは、シクロオクチンとアジドを用いることで、銅触媒を必要としない、歪みで促進されるアジド-アルキン付加環化反応(SPAAC:strain-promoted azide-alkyne cycloaddition)を開発しています(図59。この反応は、細胞のカプセル化に適した理想的な生体直交型反応です。この銅を用いないクリックケミストリーの概念を用いて、4分岐PEGテトラアジドとジシクロオクチン末端マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP:matrix metalloproteinase)分解ペプチド(図6A)からPEGヒドロゲルが合成されています19,20。この場合、ゲルの架橋に分解性ペプチドを用いることで、細胞から分泌されるMMPによるネットワークの分解や再構成が可能となります。一例として、電子吸引性フッ素とともに特徴的な構造的歪みを有していることから、gem-ジフルオロシクロオクチン(DIFO:difluorocyclooctyne)9,19がより速い反応速度を得る目的で用いられています(図5)。細胞の存在下、生理条件で5分以内にゲル化が起こります。

アジドとジフルオロシクロオクチンの反応

図5アジドとジフルオロシクロオクチンによるSPAACによって銅触媒が不要となり、生理条件下で材料合成が可能となります。

逐次クリック反応

多くの生物学的応用では、ある特定の時点において、もしくは空間的に規定された領域への機能性シグナルの導入が望まれることがしばしばあります。これらのシグナルには、生存シグナル(インテグリン結合分子など)や増殖因子(サイトカインを捕捉する親和性リガンドなど)、細胞特異的な分解サイト(シグナルの発生や細胞運動を可能にする、MMPで切断されるリンカーなど)が考えられます。これらの導入に、逐次クリック反応の利用が検討されています。まず、クリックケミストリーによってゲルを作製し、続いて、さらにクリックケミストリーを用いることで時間的、空間的に制御しながらゲルを修飾します。チオール-エン反応は光照射によって引き起こされるため、PEGヒドロゲル細胞周辺環境へよく定義されかつ高精度でシグナルを導入する上で、強力で汎用性の高い手法です。

SPAACとチオール-エンクリック反応との間の直交性を利用した例として、我々の研究グループでは、SPAACによってPEGヒドロゲルを形成した後(図6A)、チオールエンクリック反応によって時間的、空間的な光パターンを作製しました。この場合、ペプチド架橋剤がアリルペンダント基を有するために(図6A)、ゲル化後のフォトパターニングが可能です19。このヒドロゲルマトリクス内にカプセル化された細胞は、90%を超える細胞生存率を示しただけでなく、パターン化された生化学的信号にも応答します。例えば、ゲルのある特定の位置にあるパターン化RGDペプチドにおいて、細胞形態や細胞接着の空間的制御が可能です(図6A)。同様に、開裂時に強い蛍光を発する、自己消光性ジフルオレセインコラゲナーゼ開裂ペプチドを光パターン化すると、コラゲナーゼ活性の高い領域(つまり細胞周囲)においてより強い蛍光が認められ、細胞の局所的活性をリアルタイムで可視化することが可能です。

さらに、我々は直交性の光カップリング反応および光開裂反応を用いることで、生体関連信号の光可逆的パターニングを行いました(図6Bおよび6C21。光開裂を行うために、ニトロベンジルエーテルリンカー21-23を含有するチオール化RGDペプチドを用いて、さまざまな波長の光によってカップリングおよび開裂の時間的、空間的な制御を行ったところ(図6D)、ヒドロゲル中の特定箇所にあるヒト間葉系幹細胞(hMSC:human mesenchymal stem cell)群の細胞接着および脱離を、外部から操作することが可能になりました(図6Bおよび6C)。このようにヒドロゲル足場上で生化学的信号を動的に制御できることで、再生医療における細胞デリバリーを目的とした、特定のシグナルおよび細胞を空間的に制御しながら放出できるだけでなく、特定かつ複数の信号を時間的、空間的に制御することによって、幹細胞の分化を調整できる可能性もあります。

SPAACヒドロゲルの化学

図6SPAACヒドロゲルの化学:A)4分岐PEGテトラアジドとジシクロオクチンMMP分解性ペプチドを用いた、SPAACクリックケミストリーによる3D逐次重合ヒドロゲルの形成(*は開裂サイトを示します)、B)SPAACで作製したヒドロゲルのチオール-エンフォトパターニングと、その後の細胞接着、C)パターン化された信号の空間的除去と、それに伴う細胞脱離、D)ニトロベンジルエーテルの光開裂反応。

クリックケミストリーは、非常に簡便で汎用性をもち、再生医療用途の複合材料足場を構築する上で生体直交性を示すことから、過去十年の間に、細胞培養および送達用の生体材料足場の分野に数々の技術改革をもたらしています24。クリック反応によって、高機能性PEGヒドロゲルの作製が可能となっただけでなく、例えば逐次クリック反応のような革新的手法によって、時間的に制御しながらヒドロゲル足場の特定箇所に生化学的シグナルを導入できるようになりました。しかしながら、化学的手法によって解決できる可能性を持つ領域、特に生体材料足場の設計において材料開発上の技術革新が多く生まれているわけではありません。例えば、これらの非常に優れた化学的手法は、3D環境での細胞接着や形態などの細胞の性質を根本から理解し制御するには大いに有用ではあるものの、これを応用して、幹細胞ニッチでの時間的、空間的に複雑なシグナルについての理解を深め、幹細胞の効率的な分化をin vitro で制御しながら操作するという大きな可能性を秘めた課題がまだ残されています。

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