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ホームろ過によるサンプル前処理ユーザーガイド:完全性試験キット(小容量デバイス用)

ユーザーガイド:完全性試験キット(小容量デバイス用)

はじめに

小容量デバイス用の完全性試験キットを使用して、メンブレンの表面積が15 cm2(2.3平方インチ)未満のベント付き/ベントなしフィルターユニットの完全性テストを行う方法について説明します。これよりも大容量のデバイスの完全性試験には、Integritest®自動システムを利用できます。

注記:小容量デバイス用の完全性試験キットの圧力ゲージは、精度が中間レンジで2%です。SLTEST000ゲージは、ISO-10012の最新リビジョンに準拠したシステムにおいて、製造時に校正済みであることが証明されています。ゲージは校正済みですが、受領後に校正保守プログラムにかけることをお勧めします。ゲージは少なくとも年に1回校正する必要があります。用途の重要性と使用頻度によっては、年に2回の校正が必要になる場合があります。

使用上の注意

  • 小容量デバイス用の完全性試験キットは、メンブレンフィルターユニットでのみ使用してください。メンブレン以外のプレフィルターユニットの完全性試験には使用しないでください。
  • 50〜60ミリリットル(mL)未満のシリンジは使用しないでください。この容量よりも小さいシリンジでは、フィルターユニットの最大定格圧力を超える圧力が生じる可能性があります。フィルターユニットのユーザーガイドを参照して、テスト中にこれらの圧力限界を超えないようにしてください。
  • ベント付きフィルターユニットのテストに圧縮ガスを使用する場合は、完全性試験キットの最大圧力を超えないようにしてください。

必要な試薬・器具

フィルターユニットで完全性試験を実行するには、以下の試薬・器具が必要です:

  • 完全性試験キット(小容量デバイス用)
  • 60 mLシリンジ(Luer-Lok™フィッティングを推奨)
  • 湿潤溶液:
    実験用精製水(親水性フィルターで使用)
    メタノール(疎水性フィルターで使用)
  • サンプリングチューブ(カタログ番号 M00000001)または長さ10 cmで内径(ID)3.2 mmの透明で柔軟なチューブ
  • 50 mLのビーカーまたは容器

ベント付きフィルターユニットのテストに必要な追加の器具:

  • 二段式レギュレーター付き圧縮ガス(空気または窒素)
  • ガス用のLuer-Lok™コネクタ(例:カタログ番号XX3002570およびXX6700030)。「関連製品」をご参照ください。

ベントなしフィルターの完全性試験

  1. 適切な湿潤溶液をシリンジに吸引します(上の表を参照)。
    テスト対象使用する湿潤溶液の量
    Millex®フィルター湿潤溶液 5~10 mL
    Sterivex®フィルター湿潤溶液 20~30 mL
    その他有効なメンブレン表面積1 cm2あたり2~3 mL

  2. 図に示すように、フィルターユニットのインレットを、完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリのオス型Luer-Lok™コネクタに取り付けます。
    図に示すように、フィルターユニットのインレットを、完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリのオス型Luer-Lok™コネクタに取り付けます。
  3. サンプリングチューブの柔軟なプラスチック端をフィルターユニットのアウトレットに取り付けます。
  4. 完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリのメス型Luer-Lok™コネクタにシリンジを接続します。シリンジのコネクタがスリップ(はめ込み)式である場合は、この手順の間、シリンジをアセンブリに押し付けたままにしてください。
  5. シリンジバレルを押してフィルターユニットを濡らし、湿潤溶液を容器に入れます。
  6.  完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリからシリンジを取り外します。シリンジに液体が残っている場合は、シリンジプランジャーを押して空にします。
  7. シリンジプランジャーを60 mLラインまで引き出し、シリンジに空気を充てんします。
  8. 完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリのメス型Luer-Lok™コネクタにシリンジを接続します。チューブの開放端を液体に浸します。シリンジプランジャーを徐々に押して、フィルターユニットと圧力ゲージの圧力を上げます。
  9. 気泡の流れがチューブから排出され始めるまで、圧力を上げ続けます。この圧力がバブルポイントです。ゲージの圧力値を記録し、メーカーの最小バブルポイントの仕様データと比較します。お使いのフィルターユニットの標準的な最小バブルポイント値については、品質証明書を参照するか、テクニカルサービスまでお問い合わせください。

ベント付きフィルターの完全性試験

ベント付きフィルターの湿潤は、ベントなしフィルターの場合と同じ方法でシリンジを用いて行います。

ただし、ベントは圧力を「逃す」ため、逃された圧力を埋め合わせるのに十分な圧力をシリンジで生成することはできません。圧力逃しを埋め合わせてフィルターのバブルポイントに達するのに必要な圧力を生成するには、圧縮ガス源を使用する必要があります。コンポーネントXX3002570およびXX6700030を使用してフィルターを圧縮ガス源に接続する方法の例については、裏面の組立図をご参照ください。この組立図では、ガスレギュレーターに1/4インチのアメリカ規格の管用ねじ(メス型)アウトレットがあることを前提としています。

  1. ベント付きフィルターユニットを湿潤させるには、ベントなしフィルターのテストの手順1〜6に従います。
  2. 下図に示すように、完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリからシリンジを取り外し、アセンブリを圧縮ガスに接続します。組み立てる前に、XX3002570およびXX6700030のオス型ネジをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープで包んでおきます。チューブの開放端を液体に浸します。

    図に示すように、完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリからシリンジを取り外し、アセンブリを圧縮ガスに接続します。
  3. アウトレットチューブから気泡の流れが排出されるのが見えるまで、ガス圧を徐々に上げます。この圧力がバブルポイントです。完全性試験キットのゲージの圧力値を記録し、メーカーの最小バブルポイント仕様と比較します。お使いのフィルターユニットの標準的な最小バブルポイント値については、品質証明書を参照するか、テクニカルサービスまでお問い合わせください。
  4. 圧縮ガス供給源をオフにし、完全性試験キット(小容量デバイス用)アセンブリの圧力ゲージが「0」を示すまで待ちます。アセンブリをガス供給源から取り外します。

洗浄と保管

使用後、完全性試験キットのオス型Luer-Lok™コネクタに柔軟性のあるチューブを取り付けます。シリンジに実験用精製水を入れ、メス型Luer-Lok™コネクタに取り付け、完全性試験キットを少なくとも100 mLの水で洗い流します。Luer-Lok™コネクタの接続部でコンポーネントを分離し、空気乾燥させます。ゲージは清潔で乾燥した環境に室温で保管し、物理的な損傷や衝撃から保護してください。

仕様

圧力機器指令(2014/68/EU)への準拠に関する声明

メルクは、本製品が2014年5月15日のヨーロッパ圧力機器指令2014/68/ECを遵守していることを認証します。本製品は、圧力機器指令の第4条第3項に分類されています。安全に使用していただくため、"sound engineering practice"に準拠して設計・製造しました。本製品は取扱説明書を添付して納品しており、EMD Millipore Corporationが製造元または欧州共同体での本製品の正式な代表者であることを示すマークが付いています。本製品には圧力機器指令の第4条第3項に従って、CEマークが付いていません。

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