ウェスタンブロッティングのための細胞溶解・タンパク質抽出
細胞または組織(新鮮または凍結)からのタンパク質抽出のステップは、すべて2~8℃で実施します。タンパク質サンプル調製に用いる一般的な溶解バッファーの組成を以下に示します。バッファーおよびその他のウェスタンブロッティング溶液の調製法の一覧については、計算ツール・アプリのページにアクセスいただき、
Ready-to-useのタンパク質抽出用RIPAバッファー液(製品番号R0278)
- NaCl (S3014) 150 mM
- Triton X-100 (T8787) 1%
- デオキシコール酸ナトリウム(D6750)0.5%
- SDS(74255) 0.1%
- Tris-HCl (T1503) pH 8.0、50 mM
プロテアーゼ阻害剤 –サンプル調製中にタンパク質が失われないようにします
タンパク質抽出プロトコルのステップ
- 培養細胞入りシャーレの培地を廃棄し、氷冷PBSを用いて細胞を洗浄します。
- PBSを廃棄し、氷冷溶解バッファーを添加します。
- 冷却したプラスチック製セルスクレーパーを用いて細胞をかきとります。マイクロチューブに細胞を回収します。
- 4℃で30分間、マイクロチューブの中身を撹拌します。
- 4℃で20分間、チューブを16,000 x gで遠心します。新しいチューブに上清を回収して、氷上に置きます。ペレットを破棄します。
懸濁液中の細胞からのタンパク質抽出
- 4℃で5~7分間、細胞懸濁液を2,000 x gで遠心します。チューブの底に細胞が集まり、上清を破棄します。
- 細胞ペレットに氷冷したPBSを添加し、4℃で5~7分間、2,000 x gで遠心して細胞を洗浄します。
- 細胞ペレットに氷冷した溶解バッファーを添加します。4℃で30分間、マイクロチューブの中身を撹拌します。
- 4℃で20分間、チューブを16,000 x gで遠心します。新しいチューブに上清を回収して、氷上に置きます。ペレットを破棄します。
組織からのタンパク質抽出
- 対象の組織を氷上で切り出します。組織を丸底のマイクロチューブに移し、液体窒素に浸して急速凍結します。
- 組織5 mgに対して300 µLの氷冷した溶解バッファーを添加し、電気ホモジナイザーを使用してホモジェナイズします。ホモジェナイズ中に溶解バッファーをさらに300~600 µL添加します。
- 4℃で2時間、中身を撹拌します。
- 4℃で20分間、チューブを16,000 x gで遠心します。新しいチューブに上清を回収して、氷上に置きます。ペレットを破棄します。
サンプルの総タンパク質濃度を統一
- 少量の細胞溶解液を採取して、タンパク質濃度測定を実施します。
- 標準物質との比較により未知のサンプルのタンパク質濃度を測定し、標準物質が未知のサンプルと同一のバッファーで希釈されていることを確認します。タンパク質定量は、クマシータンパク質アッセイ試薬(製品番号27813)、BCAアッセイ、280 nm吸光度を用いることにより実施されます。
- すべてのサンプルが等濃度のタンパク質を含有するよう、適切な容量のライセートをマイクロチューブに移します。
- すべてのライセートが等容量になるよう、適切に氷冷溶解バッファーを添加します。
サンプルをLaemmliローディングバッファーと混和します。
電気泳動用サンプルの調製に必要なローディングバッファーの組成は以下のとおりです。
2X Laemmliローディングバッファー:
- ブロモフェノールブルー(製品番号B5525) 0.004%
- 2-メルカプトエタノール 10%
- グリセロール(製品番号G5516) 20%
- SDS (製品番号:74255)4%
- Tris-HCl(製品番号:T1503)、0.125 mM
- 細胞溶解液に同量のローディングバッファーを添加します。
- 上記の混合液を95℃で5分間煮沸します。16,000 x gで5分間遠心します。
- これらのサンプルは、−20℃で保存することも、ゲル電気泳動を行うために使用することもできます。
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