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ホーム定量PCR(qPCR)SYBR® Green I蛍光色素検出を用いたqPCR遺伝子発現/コピー数の分析プロトコル

SYBR® Green I蛍光色素検出を用いたqPCR遺伝子発現/コピー数の分析プロトコル

PCR技術プロトコルの目次

qPCR条件の最適化

qPCR条件の最適化は、確実性の高いあるアッセイを開発する上で重要です。最適化が十分でないと、反復間の再現性がなく、非効率的で感度の低いアッセイとなります。2つの主要なアプローチとして、プライマー濃度またはアニーリング温度、あるいはその両方の最適化が挙げられます。 

SYBR® Green I色素検出を用い、一つ以上の恒常的なリファレンス遺伝子と比較してターゲット量を測定することは、qPCRの一般的な用途の一つです。以下は、特定の実験上のニーズに適応させることができる標準プロトコルです。

実験の目的

ターゲットおよびリファレンス遺伝子の両方に対するqPCRアッセイを最適化した後、これらのアッセイをターゲット量の測定に使用します。「データ解析」で説明するとおり、目的の遺伝子(GOI)と安定的なリファレンス遺伝子との量比を測定します。本例では、コピー数の決定に標準曲線を使用していますが、もう一つの比較定量分析法(「データ解析」を参照)を使用することにより、標準曲線なしで相対量を決定することができます。このアプローチをとった場合、標準曲線は省略されますが、すべてのテスト試料にキャリブレータ試料が添加されます。標準的なプライマー濃度およびアニーリング温度は、プロトコルに記載されていますが、これらは最適化実験で得られた結果に基づいて柔軟に変える必要があります(「プライマー濃度の最適化」および「温度グラジエントを使用したプライマーの最適化」を参照)。

器具

  • 定量PCR用装置 
  • PCRセットアップのためのクリーンベンチ(オプション)

試薬

  • gDNA 10ng~100 ng、またはテンプレートとして使用するcDNA(低発現遺伝子は2倍希釈、中~高発現遺伝子は10~100倍希釈)。
  • KiCqStart™ SYBR® Green ReadyMix™(KCQS00/KCQS01/KCQS02/KCQS03。各装置への適合は
    表P4-6を参照してください)。
  • PCRグレード純水:PCRグレード純水(W1754または W4502)を20 mLのアリコートに小分けして凍結します。各反応には新しいアリコートを使用します。
  • テスト遺伝子のためのフォワードおよびリバースプライマー(10 µMの保存溶液)。
表P17-42.SYBR® Green PCR Mix選択ガイド

消耗品

注記

方法

1.    ランするプライマーペアごとに、異なるqPCRマスターミックスを調製します。十分な量の試料のミックス、標準曲線反応液
(6希釈として後述)、テンプレートなしのコントロールを調製します。
すべてを二重測定としピペッティングエラーなどを想定して10%程度多めに調製します。

       たとえば、テスト試料が5つある場合は、試料のミックス(5×2)、標準曲線液(6×2)、テンプレートなしの
コントロール(NTC)(1×2) = 24反応液を調製します。したがって、1プライマーペアあたり26.4または27反応液のミックスを調製します。

表P17-43.SYBR® Green I検出のためのPCR反応のマスターミックス

2.    適切な標準曲線テンプレート/cDNAの1:10倍(または実験に適した希釈)段階希釈液を調製し、
各20 µLのテンプレート希釈液とします(計6希釈)。

3.    適切なテンプレート段階希釈液(標準曲線)5 µL、試料テストcDNAまたは水(NTC)を所定のチューブまたは
ウェルに添加します。

4.    マスターミックス15 µLを各チューブまたはウェルに添加します。

5.    チューブのキャップを閉めるか、またはPCRプレートをシールで封じ、ラベル付けします(ラベルが機器の励起/検出光路を覆い隠さないように
注意してください)。

6.    表P17-44に従って試料をランします。

 

表P17-44.標準曲線生成のためのPCRサイクル反応条件

注記:標準解離曲線のプロトコル(データ収集)を使用してください。

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