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Merck

ネオニコチノイド類

一般的な情報

ネオニコチノイド類は活性物質の総称であり、イミダクロプリド、アセタミプリド、チアクロプリド、ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキサムおよびクロチアニジンが含まれます。これらは、植物保護の目的として、有害な昆虫をコントロールするために使用されるとともに動物用医薬品としても使用されています。この名称は、ニコチンとの化学的な類似性によって文字どおり「ニコチンに似た新しい殺虫剤」を意味します。また短縮して「ネオニックス」あるいは「NNI」と呼ばれることもあります。ネオニコチノイド類は現在の殺虫剤世界市場の約20%を占めています。

毒性のメカニズム

ネオニコチノイド類は、シナプス後ニコチンアセチルコリン受容体(nAChRs)に作用します。これらの受容体は、昆虫では中枢神経系(CNS)全体に分布しています。哺乳類のnAChRsは、脳、自律神経節、骨格筋および脊髄内に分布しています。脊椎動物のネオニコチノイド類は、昆虫のそれよりも活性がはるかに低く、これは種々の受容体サブタイプの結合特性が異なるためです。また、哺乳類のネオニコチノイド類は血液脳関門(BBB)を比較的通り抜けにくい性質があります。昆虫のネオニコチノイド類は、昆虫ニコチンアセチルコリン受容体(nAChR)に選択的に作用し、初期にはシナプス後受容体を刺激して、Na+の侵入とK+の排出を増やし神経伝導を麻痺させて急速な死をもたらします。

背景 ― 規制

欧州連合(EU)

世界中でミツバチが異常な高死亡率で死んでいるというニュースが、過去10年にわたって絶え間なく報じられています。2006年後半、西洋ミツバチのコロニーが急激に消滅していることがアメリカで報じられました。ヨーロッパの養蜂家は、ベルギー、フランス、オランダ、ギリシャ、イタリア、ポルトガルおよびスペインで同様の状況を目にしました。ドイツでは2008年春に、中国と日本では2011年春にミツバチの大量死が報告されました。この現象は、蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれ、最初は寄生虫によるものとは考えられませんでした。

欧州食品安全機関(EFSA)は、作業部会を設置し、クロチアニジン、イミダクロプリドおよびチアメトキサムという3種類のネオニコチノイド殺虫剤によって受容できないほど高いリスクがミツバチに生じていると2013年1月に結論づけました。2013年12月にこれらの使用が部分的に規制されました。

2018年4月27日金曜日、欧州連合加盟国の代表は、ミツバチに危機をもたらすと考えられるこの3種類の殺虫剤をすべての屋外作物に使用禁止にすることを決定しました。今回、この一時停止措置は延長されず、すべての屋外作物に一般化され、温室での使用のみ許可されています。

2020年1月15日月曜日、欧州委員会は、欧州食品安全機関(EFSA)の科学的意見に基づいて、4番目のネオニコチノイドであるチアクロプリドのライセンスを更新しないと発表しました。最大の懸念事項の一つは地下水への影響でした。

北米

米国EPAは、すべての殺虫剤について15年間の登録審査サイクルを実施しています。すべてのネオニコチノイド類が1984年より後に登録されたので、再登録の必要はありませんでした。しかし、環境への懸念から、EPAは2008年12月にイミダクロプリドから始めて、それらのうち4種類(イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン)について再評価を行いました。EPAは、これらのネオニコチノイド類に対する最終リスクアセスメントを発表しました。

カナダでは、ネオニコチノイド類が州あるいは都市で禁止もしくは使用量が著しく減らされ、例えばオンタリオでは2015年半ば以後、法律により使用量が20%に減らされました。モントリオールおよびバンクーバーでは、市境界内部ですべてのネオニコチノイド類が禁止されました。

標準物質・標準品

私たちは、すべてのネオニコチノイド類、その代謝物、および同位体ラベル標準物質に対する高品質なPestanal®分析用標準品およびTraceCERT認証標準物質を幅広く提供しています。メルクの認証標準物質は、ISO/IEC17025とISO17034とのダブル認定を得て製造および分析されており、お客様に精度を保証しています。

分析方法

Ascentis Express C18による、分散SPE(QuEChERS)後のタンポポ花中ネオニコチノイド殺虫剤のLC/MS/MS分析

Ascentis™ Express C18による、分散SPE(QuEChERS)後のタンポポ花中ネオニコチノイド殺虫剤のLC/MS/MS分析
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