フォトニック・光学材料
フォトニクスとは、電子の代わりに、可視光や赤外線などの放射エネルギーであるフォトンを用いてデータを伝送する技術です。従来のエレクトロニクスに比べて、広帯域、高速応答、外部電磁場によるノイズの低減など、情報・画像処理技術に関する多くの利点があります。非線形光学(NLO:non-linear optical)プロセスは、光がNLO活性材料を通過する際に、周波数、位相、振幅、伝送特性などの光の特性を変化させることができるため、フォトニクス用途で非常に重要な役割を果たします。
フォトニック・光学材料では、色素(レーザー、赤外線、化学発光、フタロシアニン/ポルフィリン、フォトクロミック、サーモクロミック)のほか、非線形光学、フォトルミネッセンス、屈折率(RI:refractive index)制御材料など、幅広い製品を提供しており、光学およびディスプレイ研究に有用です。
有機非線形光学(NLO)材料
発色団、中間体、NLOモノマー、NLOポリマーなど、優れた応答速度、高い光学的透明性、三次の感受率がより優れた有機NLO材料を提供しています。材料がNLO活性を示すためには、非中心対称である必要があります。ポリマー系NLO材料では、NLO発色団は、ゲストとして(ホスト-ゲスト系において)、あるいはポリマー鎖への共有結合によるグラフト化や、ポリマー骨格自体への共重合といったかたちでポリマーマトリックスに組み込むことができます。共有結合型NLOポリマーは、さまざまな用途においてNLO発色団の安定性を著しく改善します。
導波路材料
屈折率は、光導波路、液晶ディスプレイ、反射防止膜、眼科用デバイスなどの用途で非常に重要です。ポリマー系の低屈折率および高屈折率材料は、無機材料と比較して加工がより容易で軽量であり、機械的応力の影響も受けにくい特徴を持ちます。芳香族および臭素化芳香族モノマーに基づく高屈折率ポリマーと、フッ素化モノマーを用いた低屈折率ポリマーを取り揃えています。
NIR色素
近赤外発光色素である「TokeOni」と「seMpai」は、小型動物の深部組織の非侵襲的バイオイメージングに最適です。677 nmをピークとする近赤外光を発するため、ほとんどの動物の組織や体を透過し、従来のホタルルシフェラーゼ(Fluc)/D-ルシフェリン系におけるD-ルシフェリンと比較して、はるかに高い感度を得ることができます。
D-ルシフェリンと比較して、TokeOniとseMpaiには以下の特長があります。
- 高い水溶性
- 長波長の発光
- 血液脳関門を通過可能
- 5.2倍の信号強度
- 高い化学安定性
- 低毒性
TokeOniを用いたAkaBLIシステムでは、最適化された酵素と組み合わせることで、従来のD-ルシフェリン/Fluc系と比較して、in vitroで40倍、in vivoで100~1000倍の輝度を実現し、自由に運動する動物の深部にある単一細胞を非侵襲的に可視化することが可能で、注入後1年経過してもその効果は持続しました。
関連製品資料
- Article: Photonic Optical Materials Tutorial
フォトニクスは、情報・画像処理技術をはじめとする多くの分野において応用の可能性を秘めています。
- Article: TokeOni: Properties and Applications
バイオルミネッセンス・イメージング(BLI)システムは、生体組織における細胞増殖、シグナル伝達経路の活性、タンパク質間相互作用の高感度かつ非侵襲的なモニタリングを可能にします。
- Article: TokeOni Analog - seMpai: Properties and Applications
近赤外生物発光を利用可能にし、中性pHの緩衝液へ高い溶解性を示す「seMpai」についてご紹介します。
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