ChIP実験ガイド、トラブルシューティングのヒント、補足プロトコルの詳細については、クロマチン免疫沈降(ChIP)法のページをご確認ください。
抗体
- モノクローナル抗体とポリクローナル抗体のどちらを用いるべきですか?
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体のいずれもChIPに用いることができます。モノクローナル抗体は、高度に特異的であることが多いですが、架橋状態により影響を受けることがあります。過剰な架橋は標的エピトープをマスキングするおそれがあるため、慎重に最適化する必要があるかもしれません。ポリクローナル抗体は、過剰な架橋状態にもあまり影響を受けず、同等なモノクローナル抗体よりも良好に濃縮される可能性があります。しかし、ポリクローナル抗体は非特異的標的に結合しやすい傾向があります。
- 抗体の使用量はどのくらいですか?
標的タンパク質の存在量や、標的に対する抗体の親和性に応じて、2~10 µgのChIP抗体を用いることをお勧めします。抗体の量を増やせば、必ずしもシグナルも強くなるとは限りません。最良のChIPシグナルを得るためには、抗体の量を調整することが推奨されています。
- 選択した抗体がChIPで機能する可能性を高めるには、どうすればよいですか?
抗体によって認識されるエピトープを同定するために、特異性/交差反応性を試験してください。ウェスタンブロット、免疫細胞染色、免疫沈降法などの複数の免疫アッセイにおいて抗体を試験する必要があります。その後、その抗体を用いてChIPにおいて標的のDNAが良好に濃縮されるかどうかを確認してください。
- 市販のChIP抗体はどのように選択すればよいですか?
複数の特異性/交差反応性試験に合格しており、ChIPや複数の免疫アッセイで検証済みの抗体を選択してください。
- 適切なコントロール抗体とは何ですか?
ChIP抗体と同一の種に由来する正常なIgGを用いることをお勧めします。もしマウスモノクローナル抗体を使用するならば、正常なマウスIgGをお勧めします。
融合タグ
- 融合タグを付けてタンパク質を過剰発現させたい場合、どのような点を考慮すればよいですか?
過剰発現が起きている系は、偽陽性の相互作用を引き起こす可能性があります。理想的には、安定発現している融合タグ付き細胞株を分析する場合は、高発現および低発現細胞株を用い、対照比較のためにトランスフェクトしていない細胞のクロマチンによりモックIPを行うことをお勧めします。
- 実験に適切なChIP抗体がない場合、タグの使用は推奨されていますか?
ChIPにおけるタグ抗体の使用は、抗体が利用可能でない場合、ばらつきがある場合、架橋されたクロマチンにおいてエピトープがマスキングされている場合に良い方法です。タグが転写因子の機能に干渉する可能性があります。それぞれのケースでタグを評価する必要があります。N末端とC末端でタグを切り替えると、良いコントロールになる場合もあります。
架橋とビーズ
- プロテインA/Gビーズブレンドを用いる利点は何ですか?
多数の抗体が、プロテインAおよびGの両方に結合しますが、親和性や特異性はそれぞれ異なります。プロテインAとGのビーズを混合することによって、どちらか一方を選択したり、最適化のために両方のビーズに対する結合を評価したりする必要性がなくなります。ほとんどの場合において、プロテインA/Gビーズブレンドを用いたほうが、純粋なプロテインAまたはプロテインGビーズを同量用いた場合よりも良好な濃縮が得られ、バックグラウンド活性が減少することが認められます。
- 架橋ステップを停止させる必要はありますか?
クエンチングは通常、グリシンの添加によって行います。しかし、一部のプロトコルでは、ホルムアルデヒドをPBSで洗い落とせば(培養細胞を固定する際に)、架橋を停止させるのに十分であるとされています。これは、細胞を固定する際に増殖培地に血清が含まれているかどうかによって異なります。血清タンパク質が増殖培地に含まれている場合は、グリシンクエンチングがより重要になります。
- アガロースゲル電気泳動の前に、架橋を反転させ、ChIP DNAの溶媒抽出を行う必要がありますか?
このステップを実施する前に、架橋を反転させることを強くお勧めします。大きな複合体はゲルの細孔を塞ぎ、電気泳動を遅らせ、バックグラウンドを高くする場合があります。DNA精製については、用いるサンプルによっては任意となる場合があります。プロテイナーゼK消化と架橋反転の後に、粗DNAをうまく増幅し、染色することは可能です。
- ホルムアルデヒド以外の架橋剤を検討すべきですか?
これは、お客様が用いるサンプルによって異なります。場合によっては、架橋剤2種類の併用が推奨されます。UV架橋が行われる場合もあります。ただし、UV架橋は不可逆的であり、ChIP DNAの分析ができなくなります。
- サンプルが過剰に架橋されているかどうかを判断するには、どうすればよいですか?
これまでにChIPでこのターゲットを調べたことがない場合は、培養細胞を1%のホルムアルデヒドにより室温で10分間処理することをお勧めします。濃縮が得られない(かつ、調べている位置にタンパク質が存在すると予測される)場合は、架橋時間を15~20分に延長してください。過剰な架橋が認められる場合は、通常、同じシグナルが位置に依存しない形で見られます。位置に依存しないとは、同じシグナルが、既知の結合部位と既知の陰性遺伝子座(例えば、4 kb離れた部位)で観察されるということです。
- ヒストンの架橋が必要ない場合はありますか?
ネイティブなChIPにおいて、ヒストンH3とヒストンH4は非常に堅固に結合されているため、架橋の必要はありません。ヒストンH2AとヒストンH2Bはそれほど堅固に結合されていませんが、それでもネイティブChIPにおいても問題なく使用できます。
- 組織の前処理の手順として、細胞培養培地でホルムアルデヒドを用いて架橋溶液を作ることになっていますが、細胞培養培地についてはどこにも言及されていません。なぜ抽出バッファーの代わりにこの溶液を使用するのですか?他にどのようなものが使用できますか?
In vivoで起こるDNA-タンパク質相互作用をそのまま固定保存するため、細胞を生理学的条件下(したがって培養培地中)で架橋結合(クロスリンク)させる必要があります。架橋結合した細胞は、その後低張液で膨潤させ、ホモジナイズして核を遊離させ、クロマチンを核溶解バッファーで抽出します。
クロマチン断片化
- クロマチンをせん断するために、酵素消化と超音波処理のどちらを行うべきですか?
酵素消化は超音波処理と比べて効率が低いと考えられ、消化のためにサンプルを37℃でインキュベートすることでエピトープが分解される場合がありますが、消化は超音波処理と比べて、モノヌクレオソーム、ジヌクレオソーム、トリヌクレオソームを得るために最適化が少なくて済む場合があります。
- 超音波処理に最適な装置は何ですか?
お客様が用いるサンプルによって異なります。どのような型の超音波処理装置も使用可能ですが、超音波処理過程はサンプルの種類ごとに最適化しなければなりません。
- プローブソニケーターを使用する場合、プローブの先端はどこに置けばよいですか?
プローブの先端は、チューブの壁に触れないように、沈めてください。クロマチンをバッチで調製するには、15 mLのコニカルチューブを用い、最小容量を0.6 mLとし(1.2 mLのほうがより一貫性があります)、プローブがチューブの底に近く、ただし壁に触れないように、クランプを設置することをお勧めします。超音波処理中に調節可能な台の上でチューブそのものを氷浴に浸す必要があります。
- 超音波処理が上手くいきません。超音波処理に関するコツはありますか?
処理過程を通して、超音波処理中も細胞を氷上に置いてください。超音波処理は長時間行わないように注意してください(30秒を超えるとサンプルが過熱され、変性が起こるおそれがあります)。
超音波処理は細胞株ごと、装置ごとに最適化する必要があり、再現性のある超音波処理としてDiagenode社のBiodisruptor(水を利用した超音波処理)を推奨します。最初は、Highの「H」設定で30秒「オン」・30秒「オフ」のサイクルで5分、10分、15分で実施してみてください。
超音波処理をチェックするため、以下のようにゲル電気泳動を行います。
- サンプル10 µLにH2O
40 µLを加える- 5 M NaCl 2 µLを加えて架橋を反転させる(最終濃度0.2 M NaCl)
- 15分間沸騰させる
- 室温に戻した後、10 mg/mLのRNase Aを1 µL加え、37℃で10分間置く
- GenElute™ PCR精製キットを用いてDNAを洗浄・精製する
- 超音波処理したDNA 1 µLと4 µLをゲルに添加し、スメアの大きさを測定する
- ChIP反応には、DNAのスメアの大きさが200 bp~1 kb、ピークが500 bp(2~3ヌクレオソーム)前後となる超音波処理条件を用いる。
- なぜDNAを1,000 bp未満に(約3ヌクレオソーム、約400~500 bpまで)せん断しなければならないのですか?
ChIPの良好な解像度を確保するためです。平均断片サイズが1,000 bpより大きい場合、PCRのための標的配列を含むDNAをプルダウンすることは可能ですが、対象となるタンパク質が標的から700ヌクレオチド以上離れている場合があります。
細胞数、バッファー、核の単離など
- クロマチンを凍結融解すると、ChIPの結果に影響がありますか?
クロマチンサンプルを取り扱う際に、凍結融解することはお勧めしませんが、ChIPの結果に影響がない場合もあります。これは、クロマチンを保存しているバッファーによって異なります。一部のプロトコルでは、バッファーにグリセロールを加えることによって、凍結融解サイクル中のエピトープを安定化させます。
- なぜIPの前に多量のChIP希釈バッファーが必要なのですか?それぞれのビーズには、それぞれ異なるバッファーを用いたほうがよいですか?
クロマチン断片化に用いる溶解バッファーに高濃度(場合によっては1%)のSDSが含まれている場合は、クロマチンの10倍希釈が必要です。希釈すると、IPビーズや抗体が界面活性剤による変性や影響を受けないようにできます。ChIPキットでは、アガロースビーズと磁気ビーズのどちらも同様のバッファーを使用します。
- 核の単離ステップは必要ですか?
クロマチン抽出の前に核を単離することで、細胞質タンパク質を除去し、バックグラウンドを低減できます。
- どのようにすれば、細胞から核が単離されたかどうかを見分けることができますか?
位相差顕微鏡でサンプルを観察し、核が細胞から遊離しているかどうかを判断できます。
- DNAと間接的に結合しているアクセサリー因子のようなターゲットには、細胞をどのぐらい使用すべきですか?
細胞1,000万個をお勧めします。
- 細胞数を増やすことは可能ですか?Imprint®クロマチン免疫沈降キットを用いたときの細胞数の上限と下限はいくつですか?
このキットで使用可能な細胞数の範囲は10万個~100万個/ウェル/ChIPサンプルです。1ウェルあたり100万個を超える細胞を使用すると、非特異的結合が増加し、ChIP反応の特異性を低下させると考えられます。下流の処理(標識/ハイブリダイゼーション)のために高収量のChIP DNAが必要な場合、DNAを複数のChIP反応からプールすることができます。また、ChIP-chip解析のためにWGA 2キットを用いてDNAを増幅することもできます。
- qPCRを行う際のGAPDHプライマーの効率はどのくらいですか?
qPCRでのGAPDHプライマーの効率は95%です。
- Imprint®クロマチン免疫沈降キットは、超音波処理がうまくいかない場合に、溶解酵素に対応していますか?
はい、対応しています。クロマチンは酵素(ミクロコッカスヌクレアーゼ、MNase)消化でも断片化することができます(試薬/プロトコルはキットに含まれていません)。MNase処理の量と時間は、細胞株に応じてユーザーにより最適化する必要があります。
- 核調製バッファーにはどのような機能がありますか?プロテアーゼ阻害剤はいつ添加しますか?
核調製バッファーは低張食塩液であり、細胞を膨潤させ、その後のホモジナイズのステップで核の遊離を促進するのに役立ちます。プロテアーゼ阻害剤カクテルは、使用直前に添加します。
- Imprint®クロマチン免疫沈降キットは、植物で使用できますか?また、爬虫類細胞でも使用できますか?
はい、使用できます。このキットは、植物または爬虫類細胞から調製し、超音波処理したクロマチンでも使用できます。ただし、ユーザーは架橋条件や超音波処理クロマチンの調製を最適化する必要があります。
- 組織を用いてChIPを実施するにはどうすればよいですか?
一般的に、クロマチンは新鮮または凍結組織から調製し、1%のホルムアルデヒド含有溶液により15分間で固定することができますが、その実施方法やクロマチン単離の前に組織を脱凝集させる、またはホモジナイズする方法には多くのバリエーションがあります。Magna ChIP® G組織キット(17-20000)を使用すると、より簡単にChIP用に組織サンプルを処理することができます。UC DavisのFarnhamラボなどの研究室から入手できる、組織ChIPのためのプロトコルもあり、脳組織を用いる場合の方法もいくつか公開されています。
- 一度にいくつのChIP反応を行うことができますか?
現在、市販製品を用いた方法では、96ウェルプレートで一度に最大96のChIP反応を行うことが可能です。ハイスループット実験の場合は、Magna ChIP® HT96 ChIPキット(17-10077)またはコントロールが同梱されたEZ-Magna ChIP® HT96キット(17-10078)を推奨します。
データ解析
- ゲル解析と定量リアルタイムPCR(qPCR)のどちらを行うべきですか?
qPCRを実施することをお勧めします。qPCRの場合、アッセイの対数増幅期を確保するためにサイクル数を最適化する必要がないためです。また、転写因子では濃縮が低下する場合がありますが、qPCRを行えば、定性的ではなく定量的な解析が可能です。
- 免疫沈降したDNAを定量したい場合は、どのようにすればよいですか?
ChIP実験で精製されたDNAは、増幅オリゴが特定の基準を満たせば、PCRによって定量することができます。オリゴは24 merで、GC含有量が50%(±4)、Tmが60.0C(±2.0)である必要があります。PCR反応が増幅の線形範囲内にあることを確認しなければなりません。一般的に、これを実行するには時間がかかります。インプットDNAが多すぎると結果に影響が及ぶため、実験ごとに複数のチューブを準備し、インプットDNAを最適化します。一般的に、酵母では約1/25~1/100、哺乳類細胞では約1/10ですが、抗体とインプットクロマチンの量によって異なります。
また、20サイクルより多くは行わず、dNTPが常に過剰に残るようにしてください。さらに、あらゆる実験条件にわたって変化が起きないゲノム領域に設定した、コントロールプライマーを毎回の反応に加えます(実験バンドと比較する対象として;適切に分離させるために大きさが十分に異なることを確認します;75塩基対で通常は大丈夫です)。また、精製されたインプットDNA(ChIPなし)からPCRを行い、同様に抗体なしのコントロールのPCRを行います。PCR産物は500 bp以下で、対象となる領域(ヒストンのアセチル化またはメチル化に変化があると考えられる領域)に広がるものでなければなりません。PCR産物はすべて、7~8%のアクリルアミドゲルで電気泳動を行い、SYBR® Green 1(Molecular Probes)により1:10,000(1Xトリス・ホウ酸・EDTAバッファー、pH 7.5)の希釈率で30分間染色します。脱染は必要ありません。
Molecular Dynamics Storm 840または860において、青色蛍光モード、PMT電圧900でゲルをスキャンした後、ImageQuantソフトウェアを用いて定量を行います。この方法には、エチジウムブロマイド染色と比べて明らかな利点があります。SYBR® Greenのほうがはるかに高感度であり、エチジウム染色ゲルの発光は、使用するライトボックスのUV電球の質によりゲル間で異なる場合があります。詳しくは以下をご覧ください。Strahl-Bolsinger et al. (1997) Genes Dev.11: 83-93
- 濃縮率(%)を測定するにはどのようにすればよいですか?
1つの方法として、ChIP DNAおよび抗体コントロールサンプルとともに、インプットDNAの段階希釈サンプルのPCR反応を同時に行います。得られたCt値を使って標準曲線を作成し、試験サンプルをこの曲線に適合させて濃縮率(%)を測定することができます(qPCRとデータ解析の項を参照)。
- qPCR結果の誤差(アッセイ内またはアッセイ間変動)はどのように報告すればよいですか?
すべてのqPCRを複数回繰り返し、平均Ctと標準誤差を算出します。次に、誤差伝播計算機(https://www.eoas.ubc.ca/courses/eosc252/error-propagation-calculator-fj.htmなど)を用いて、この標準誤差を濃縮率計算全体に伝播させます。
- 相対Ct法において試験サンプルをIgGのみに対して正規化することは推奨されますか?
比較解析の標準的な方法としては、モックIP、ChIP IP、インプットを、標的アンプリコンと参照アンプリコンの両方に用います。その他のサンプルを必要とせず、モックIP(IgG)のCt値のみを正規化因子として使用することは、お勧めしません。
- 正常なIgGコントロール抗体について、許容可能なインプット率(%)の範囲はどれくらいですか?
IgGプルダウンには相当なばらつきがあり、qPCRアッセイによって異なる場合があります。同一のモックIgGサンプルでも、アッセイデザインの配列組成によって、ゲノムの別々の場所ではインプット率(%)の結果が異なる場合があります。シグナルは、チューブ、ビーズ、抗体に対する核酸の非特異的結合によるものである場合があります。ChIPは相対的であるため、特定のインプット率(%)値に適合しようとしないことが最善です。しかし、理想的には、モックIgGサンプルのCt値が、標準曲線において最も希釈されたサンプルに最も近い値である必要があります。同様に、ChIPは相対的であることから、ChIPシグナルがIgGシグナルよりも高い場合に(アッセイのばらつきの範囲内で)、ChIPの結果が陽性となります。
- ChIP DNAの適切な濃縮倍率とされる値はどのくらいですか?
ターゲットタンパク質によって異なります。ターゲットが大量に存在する場合は、存在量の低いターゲットと比べて濃縮率が高くなる可能性があります。一部のラボでは、実験に成功するための最小閾値として、IgGコントロールの5倍という最小濃縮倍率を定めています。しかし、設定値に適合させるよりも、実験の結果と公開されている結果を比較することをお勧めします。
- qPCRプライマーを試験するにはどうすればよいですか?
プライマーは、既知濃度の適切なサンプルの段階希釈液を用いたqPCR反応を行うことによって、試験することができます。プライマーが最適に機能し、その他すべての反応条件が満たされていれば、サイクルの各線形相においてアンプリコンがほぼ倍加するはずです(qPCRとデータ解析の項を参照)。
- シングルプレックスとマルチプレックスqPCRアッセイのどちらを行うべきですか?
マルチプレックス実験は、複数のサンプルを試験する場合により適していると考えられますが、反応チューブの中でターゲットDNAごとに異なる蛍光シグナルを生じやすい、蛍光標識付きプローブなどの、より複雑な検出方法が必要になります。そのため、プライマーとプローブのセットごとに最適化を行う必要があり、さらにコストがかかる可能性があります。シングルプレックス実験は設計が極めて容易で、SYBR® Greenのような費用対効果の高いDNA結合色素と、適切に設計されたプライマーを用いて、複数のサンプルを同時に試験することができます(qPCRとデータ解析の項を参照)。
- 核酸夾雑物をSYBR® Greenの非特異的結合から識別するにはどうすればよいですか?
アンプリコンを融解させるようにqPCR過程の温度条件を操作し、融解曲線分析を行うことができます。ターゲットアンプリコンの融解曲線にピークが1つだけ観察されるはずです。その他のピークは、プライマー二量体または夾雑物の存在を示すと考えられます。
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