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フローサイトメトリートラブルシューティングガイド:フローサイトメトリー分析の改善方法

フローサイトメトリーは、不均一な浮遊細胞集団を物理特性と蛍光特性に基づいて解析および/または選別します。最適な結果とデータ分析を得るには、蛍光色素とその特性、スペクトルオーバーラップとスピルオーバー、補正と拡散に加えて、測定感度に影響を及ぼす可能性のあるフローサイトメーター変数に関する基礎知識が必要です。 

以下のフローサイトメトリートラブルシューティングガイドでは、フローサイトメトリー実験で直面する最も一般的な問題について、考えられる原因と解決策を記載しています。以下の一般的な問題をクリックすると、フローサイトメトリー分析の改善方法に関するヒントが、使いやすく整理された表で示されます。

私たちは、最高のソリューションとサービスを世界中の研究者に提供することをお約束します。このフローサイトメトリートラブルシューティングガイドは、最もよく直面する問題を対象としています。しかし、トラブルはお客様固有の実験に関連する問題の場合もあります。私たちの抗体を用いたお客様のフローサイトメトリーアプリケーションで直面する可能性のある個別の問題については、テクニカルサービスチームにご相談ください。 

フローサイトメトリー実験を強化するためのその他のヒントについては、フローサイトメトリー用色素の選び方をご覧ください。 

測定スピードが大幅に低下する

原因推奨される解決策
機器の流路がブロックされている
  • 1 mLあたり約50万個の細胞数になるまでサンプルを希釈し、分析対象の細胞数を削減してください。過剰な細胞密度は流路をブロックし、アッセイを妨げるおそれがあります。
  • 標準的なフローサイトメーターでは、何度も使用すると流路のクリーニングが必要になる場合があります。アッセイ中またはアッセイ後に標準のクリーニング手順を実施し、流路を洗浄してください。これにより詰まりが解消され、定常なフローが確保されます。
細胞が凝集している
  • 付着性または粘着性細胞が細胞凝集を引き起こしている可能性があります。細胞採取の際にトリプシンなどのより強い酵素を分離のために使用すれば、細胞の分散に役立ちます。
  • または、セルストレーナーを使用して細胞塊を除去してください。

シグナルが見られないまたは検出できない 

原因推奨される解決策
サンプル中の細胞数が不十分
  • 細胞のロスは、アッセイ手順の洗浄ステップでよく起こります。分析中は、1 mLあたり約50万個の細胞濃度を保つようにしてください。
ターゲットが細胞内にある
  • 適切な透過処理を行い、確実に細胞内を染色してください。
  • 一部の固定剤は、特定の細胞表面エピトープの検出を阻害する可能性があります。そのため、染色プロセスの前に固定剤の効果を検討するのが最善です。
ターゲットタンパク質が発現していない
  • 試験対象の細胞でターゲットタンパク質が発現していることを、関連文献で調べてください。 
  • 十分な量のターゲットタンパク質を発現している細胞がサンプルに含まれていることを確認してください。
  • ターゲットが低濃度または低頻度で発現している場合は、発現量の低いターゲットまたは発現頻度の低い細胞集団を識別するために共染色を取り入れるのが最善です。
標識キットの失敗 
  • 標識済み一次抗体を使用してみてください。
  • 別の抗体で標識キットを試験してください。
マルチカラー実験において、色素輝度と抗原発現が適合していない 
  • 特定の細胞タイプにおける抗原発現レベルを、関連文献で調べてください。
  • 発現量の低い抗原には明るい色素を使用してください。
  • その他のヒントについてはマルチカラーフローサイトメトリーのページを参照してください。 
ターゲットタンパク質を発現するために細胞刺激を要する場合がある
  • 一部、適切な物質で刺激した後でなければ発現しないターゲットがあります。別の刺激剤、濃度、処理時間を試して、ターゲットタンパク質の発現を最適化してください。
抗原-抗体結合が最適でない可能性がある 
抗体が劣化している
  • 抗体が推奨温度で保存されていることを確認してください。
  • 新しいバッチの抗体を試してください。
一次抗体と二次抗体が適合していない
  • 適切な二次抗体を使用することによって結果が大幅に改善され、偽陽性や偽陰性の染色を排除または低減させることができます。
  • 一次抗体のクラスおよび/またはサブクラスに一致する二次抗体を使用してください。
  • 一次抗体を産生させた動物種で得られた二次抗体を使用してください。
  • その他のヒントについては二次抗体の選び方を参照してください。 
サンプル中の死細胞が多すぎる
  • 抗体は死細胞に付着する傾向があり、結果として偽陽性を招くおそれがあります。 生死判定用の色素を使用して細胞の健康状態を評価するのが最善です。
  • 調製したばかりの細胞で試してください。
抗体が不十分
  • シグナルが検出できない場合は、より高濃度の抗体を染色手順で使用する必要がある可能性を示しています。一部の細胞タイプでは、最適な染色強度を得るために複数回の抗体濃度調整が必要になる場合があります。

高いバックグラウンドおよび/または細胞の非特異的染色

原因推奨される解決策
抗体が多すぎる 
  • 非特異的染色とバックグラウンドは、染色手順で使用する抗体の濃度を下げる必要があることを示している可能性があります。一部の細胞タイプでは、最適な染色強度を得るために複数回の抗体濃度調整が必要になる場合があります。
実験において1つまたは複数の二次抗体と1つの一次抗体の間で交差反応が生じている
  • 一次抗体と特異的に結合する二次抗体を選択してください。
  • 標識済み一次抗体を使用してください。
非特異的細胞がターゲットとなっている
  • 適切なアイソタイプコントロールを加えて、Fc結合シグナルを差し引いてください。
  • 必要に応じて、二次抗体標識コントロールを加えてください。
  • 交差反応を示さない二次抗体を選択してください。
  • 細胞の非特異的結合を低減するため、染色の前に細胞を適切なFcブロッカーとともにプレインキュベーションしてください。
  • 細胞の非特異的結合を低減するため、細胞染色時に1~5% BSAを含むPBSを添加してください。
二次抗体が多すぎる
  • 二次抗体を使用する場合は、二次抗体の量をさらに削減してください。

日々の結果にばらつきがある

原因推奨される解決策
細胞生存率に変化がある
  • 実験用細胞培養をモニタリングして、分析対象の細胞の生存率と数が一貫していることを確認してください。
機器のキャリブレーションが変化している
  • 機器の品質検査(キャリブレーションなど)を日常的または使用前に実施してください。
異なるバッチの抗体を使用した 
  • 実験の各セットには同じバッチの抗体を使用してください。
  • 標識済み一次抗体を使用してください。

蛍光強度が高い

原因推奨される解決策
抗体の濃度が高い
  • 各サンプルに添加する抗体の量を減らしてください。
過剰な抗体が捕捉される
  • 適切な洗浄を実施し、洗浄バッファーにTween® 20またはTriton® X-100試薬などの界面活性剤を添加してください。
二次抗体が多すぎる
  • 二次抗体を使用する場合は、二次抗体の量をさらに削減してください。
  • 標識済み一次抗体を試してください。
  • 二次抗体の増幅効果を制限するために、ベンダーが検証済みの試薬を使用してください。

細胞散乱特性が最適化されない

原因推奨される解決策
機器の設定に誤りがある
  • 正しい機器設定がロードされていることを確認してください。 
細胞の固定または透過処理が不十分
  • 標準的な固定および透過処理手順に従ってください。
  • 低張液またはメタノールに急速に浸漬することによる細胞の損傷は避けてください。

他のアプリケーションでワークする抗体がフローサイトメトリーではワークしない

原因推奨される解決策
抗体がフローサイトメトリーに適さないため、推奨されていない
  • フローサイトメトリーアプリケーションに関して、試験済みかつ推奨されている抗体を使用してください。
  • テクニカルサービスへお問い合わせください。連絡先はこちら
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