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OTM-45フロントハーフ抽出後のグラスファイバーメンブレンフィルターのPFAS抽出物の分析

PFAS化合物の空気モニタリングのためのOTM-45法

2021年に発表された米国EPA PFAS戦略的ロードマップには、PFAS化合物の空気モニタリング法(屋内、環境、工業用空気モニタリング)の開発に重点を置くことが含まれています。EPA Method 5、SW-846 Method 0010から改変された、固定発生源(スタックガスなど)からの大気排出物中のPFAS化合物をモニタリングするためのOTM-45が、最初のドラフト法として2021年に発表されました。より多くのデータが利用可能になれば更新される予定です。この方法には、7つのスタックガス分画のサンプル採取トレインが含まれます。このうち1つはグラスファイバー粒子状物質用フィルター上で採取された粒子状物質分画です。分画は抽出され、LC-MS/MSで分析されます。すべてのPFAS法と同様、フィルターを含むすべての消耗品とサンプル調製用品がPFAS分析物で汚染されていないことが重要です。汚染を回避するため、サンプリングおよび抽出の前に、塩基性メタノールおよび塩化メチレン中で、粒子状物質用フィルター分画の広範な洗浄プロセスが一般的に実施されます。分画を抽出後、ラボではLC-MS/MSの前にシリンジフィルターを用いて粒子状物質を除去することもできます。シリンジフィルターの推奨事項は、メルクの「PFAS分析とサンプルろ過に関するガイダンス」ページに記載しています。

私たちは、OTM-45の粒子状物質相サンプリング分画で使用するためのMillipore® AP-40グラスファイバーフィルター(接着剤未使用)の適合性を検討しました。データから、Millipore® AP-40グラスファイバーフィルター(接着剤未使用)が、固定発生源からの大気排出物中のPFAS化合物のOTM-45試験用のサンプリングトレインの粒子状物質ろ過分画として使用するために適切であることが示されました。

フロントハーフ抽出を用いたMillipore®グラスファイバーフィルターの試験法

2ロットのブランクAP-40フィルターを試験しました。PFAS分析では、微量の汚染物質であっても結果が著しく歪められる可能性があるため、清浄度に注意する必要があります。そのため、方法にはすすぎまたは洗浄のステップが組み込まれており、多くの場合、ラボに特有のSOPで補完されています。OTM-45のサンプリングおよびフロントハーフ抽出前のこのような洗浄方法に従い、まずフィルターをメタノール中5%(v/v) NH4OHに30分間浸漬しました。次に、フィルターを塩化メチレンに30分間浸漬しました(図1)。この方法では、フィルターの清浄度のみを検討するために、オンサイトでのサンプリングステップを省略しました。フロントハーフ抽出法のため、洗浄したフィルターに、C-13標識内部標準物質を添加しました。次にフィルターをメタノールに浸漬し、振とう台上で18時間抽出しました。抽出物をホットブロック濃縮とその後のブローダウンステップにより、濃縮し蒸発させました。次にサンプルを内部標準物質を用いてLC-MS/MSで分析しました(図2)。

フィルター洗浄を示すワークフローの図。フィルターをメタノール中5% v/v水酸化アンモニウムに30分間浸漬した後、塩化メチレンに30分間浸漬した。

図1.OTM-45を用いたPFAS汚染に関するMillipore®グラスファイバーカットディスクメンブレン(接着剤未使用)、直径90 mmの試験に使用した洗浄ステップの概略図

フィルターのフロントハーフ抽出を示すワークフローの図。最初に希釈した同位体内部標準物質をフィルターに添加し、フィルターをメタノールで18時間抽出した後、ホットブロック濃縮しブローダウンして濃縮・蒸発させた後、LC-MS/MSで分析した。

図2.OTM-45を用いたPFAS汚染に関するMillipore®グラスファイバーカットディスクメンブレン(接着剤未使用)、直径90 mmの試験に使用したフロントハーフ抽出ステップの概略図

フロントハーフ抽出後のPFAS抽出物の分析

試験した49個のPFAS分析物のうち、報告限界値(RL)である1.00 ng/サンプルを超える濃度で同定されたものはありませんでした(表1)。また、結果は同様に試験した競合他社のグラスファイバーディスクと同じでした。OTM-45には、極性を含め、さまざまな特性を有する多くの化合物が含まれているため、本方法には広いQC範囲(25~150%)が提案されています。したがって、この方法によって特定の化合物を定量する場合、ある程度の不確実性が予想されます。フルオロテロマースルホン酸類、フルオロテロマーカルボン酸類、フルオロテロマー不飽和カルボン酸類については特にそうです。将来的には、非極性と極性のPFAS化合物に焦点を当てた別の方法によって、これらの懸念の一部が軽減されると考えられます。

これらの結果から、Millipore® AP-40グラスファイバーフィルター(接着剤未使用)が、PFAS化合物の分析のためのOTM-45を用いたろ過に使用するために、信頼性が高く適切であることが示唆されました。

表1.LC-MS/MSによるPFAS汚染物質の検出の要約。OTM-45によるグラスファイバーフィルターディスクの洗浄とフロントハーフ抽出後にLC-MS/MSで分析したパーフルオロアルキルカルボン酸類およびパーフルオロアルキルスルホン酸類のみを示す。

表1に示していないが試験したその他の化合物は以下のとおりです。

  • パーフルオロオクタンスルホンアミド類:PFOSA/FOSA、N-EtFOSA、N-MeFOSAA(結果:ND、全サンプル)
  • パーフルオロオクタンスルホンアミド酢酸類:N-EtFOSAA、N-MeFOSAA(結果:ND、全サンプル)
  • パーフルオロオクタンスルホンアミドエタノール類:N-MeFOSE、N-EtFOSE(結果:ND、全サンプル)
  • フルオロテロマースルホン酸類:4:2 FTS、6:2 FTS、8:2 FTS、10:2 FTS(結果:ND、全サンプル)
  • パー/ポリフルオロエーテルカルボン酸類、パー/ポリフルオロエーテルスルホン酸類、フルオロテロマーカルボン酸類および次世代PFAS分析物:ADONA、GenX、9Cl-PF3ONS、11Cl-PF3OUdS、6:2 FTUCA、7:3 FTCA、10:2 FTCA、8:2 FTCA、PFEESA、8:2 FTUCA、PFMPA、PFMBA、5:3 FTCA、6:2 FTCA、3:3 FTCA、PFECHS、NFDHA(結果:ND、全サンプル)
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