パッシブ(拡散)サンプリング法とデバイス
パッシブ(拡散)サンプリングは、吸着剤の表面に拡散することで、気体成分(分析対象)をサンプリングします。アクティブ(吸引)サンプリングとは異なり、パッシブサンプラーは電力(高価なポンプ)が不要で、可動部品が使用されておらず、簡単に使用できます(ポンプ操作やキャリブレーションが不要)。サンプリング後、吸着された分析対象は溶媒または加熱脱離により吸着剤から脱離されます。
パッシブ(拡散)サンプリングの利点:
- コンパクトで携帯可能、かさばらず安価
- 8時間から数週間または数カ月の期間にわたる平均的な汚染レベルがわかる
- 監視不要で音が出ず、有害性のある環境でも使用可能
- 低価格により、複数箇所でのサンプリングを実現(例:汚染のホットスポットの特定、各地域における長期的なデータの傾向の把握など)
- 個人モニタリング(呼吸域)、屋内空気分析、屋外大気分析に適している
パッシブサンプラーの原理
Fickの法則から、サンプリング速度(Q)は所定の分析対象の拡散係数(D)とサンプラーの幾何学的定数(K)の関数であることがわかります:Q = D.K.拡散係数(D)は所定の分析対象に対して常に一定であるため、サンプリング速度(Q)を向上させるには幾何学的定数(K)を改善しなければなりません:K = S/l(ただし、Sは拡散表面、lは拡散表面と吸着表面との間の距離)
市販のパッシブ(拡散)サンプラーのほとんどは平面型やアキシャル形状であり、サンプリング速度が遅く、サンプリング容量が限られています。その結果、短時間の分析ではサンプリング速度が遅いため、また、長期間のサンプリングでは容量が限られているため、分析対象が逆拡散して、感度が低下してしまいます。ラジアル同軸デザインにより形状を改善することで、この問題を回避できます。
アクティブサンプリングデバイスと同様、パッシブサンプリングデバイスにもさまざまな吸着媒体が充填され、15分から3週間の期間にわたり低レベルの汚染物質を選択的に採取します。私たちは、バッジ型デバイスと比べてサンプリング速度が2~3倍で、より感度の高いラジアルパッシブサンプリングデバイス、Radiello®およびDSDを提供しています。
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