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Pd触媒クロスカップリングのための2-ピリジル誘導体

はじめに

鈴木-宮浦クロスカップリング反応は、医薬品開発において最も有用なC-C結合形成反応のひとつです1,2。しかし、2-ピリジンボロン酸およびその誘導体は、反応効率が低い、安定性が悪いなどの理由により、クロスカップリング反応に利用するには制限があります。

Oxford大学のM.Willis研究室とPfizerの研究者らは、ボロン酸の代替としてピリジン-2-スルホン酸エステルを求核的なカップリングパートナーとして利用することにより、脱スルフィニル化によるPd触媒クロスカップリングという新たな適用例を見出しました3。臭化アリール、塩化アリールのいずれもカップリング反応の基質として利用でき、これまで合成困難だった創薬化学に有用なピリジン骨格を有するヘテロ環ビルディングブロックが合成可能になりました。

Willis教授およびパートナー企業

主な反応例

主な反応例

利点

  • 実験室環境で安定な、固体試薬
  • 高効率的な求核的クロスカップリング剤
  • 水で容易にワークアップ可能

この記事を寄稿していただいたMichael Willis教授とTim Markovic氏に感謝します。

参考文献

1.
Miyaura N, Yamada K, Suzuki A. 1979. A new stereospecific cross-coupling by the palladium-catalyzed reaction of 1-alkenylboranes with 1-alkenyl or 1-alkynyl halides. Tetrahedron Letters. 20(36):3437-3440. https://doi.org/10.1016/s0169-4332(01)95429-2
3.
Markovic T, Rocke BN, Blakemore DC, Mascitti V, Willis MC. Pyridine sulfinates as general nucleophilic coupling partners in palladium-catalyzed cross-coupling reactions with aryl halides. Chem. Sci.. 8(6):4437-4442. https://doi.org/10.1039/c7sc00675f
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