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ケムビーズ - 触媒をコーティングしたガラスビーズ

ケムビーズとは

研究者や化学者は、複雑で希少性の高い分子を合成するために、多様な反応条件の迅速なスクリーニングを最適化するための新しい技術を常に求めています。固体試薬をナノモルスケールで分注することは、その物理的特性から困難です。しかし、固体試薬をコーティングしたガラスビーズであるケムビーズが開発されて以来、特にハイスループット反応スクリーニングにおいて、ミリグラム以下の試薬を用いた創薬研究が、試薬の使用量を最小限に抑えながら効率よく行えるようになりました。

ケムビーズは、ハイスループット実験(HTE: High Throughput Experimentation)用に開発された、化学物質でコーティングされたガラスビーズです。このビーズにより、さまざまな固体を少量ずつ簡単に分注することができます。ケムビーズは、約250μmのガラスビーズと触媒や配位子、無機塩基などの試薬をミキサーに入れて撹拌して製造されます。1 Van der Waals力により、化学物質や界面活性剤を使わずとも、固体はビーズの滑らかな表面に均一にコーティングされます。触媒は、溶媒と接触して溶液中に放出されるまで、ビーズに担持されています。

ハイスループット実験では、自動化されたロボットシステムを用いて、複数の異なる触媒や化合物をマイクロからナノスケールでスクリーニングし、反応に最適な試薬の組み合わせや条件を決定することが一般的です。異なる物理的特性を持つ固体を分注するためのロボットプラットフォームのプログラミングが困難なため、このような反応では、しばしば高価な触媒をミリグラム量以下で手動で分注する必要がありますが、このプロセスでケムビーズが大きなメリットをもたらします。2 ガラスビーズの担持量が最大20wt%と低いため、ケムビーズはそのホスト媒体の物理特性を維持することで、ロボットプラットフォームをすべてのケムビーズ用にプログラミングすることが可能となります。すなわち、ケムビーズはナノモル濃度の触媒を自動分注するのに最適で、時間とコストの両方を削減することができます。

ケムビーズ は、容積で計量することも可能です。較正されたケムビーズスクープを使えば、5、10、または50ミリグラムのケムビーズを正確に計量することができます。ケムビーズスクープは、ケムビーズを一貫して正確に、迅速かつ効率的に計量できるように設計されています。スクープは、薬剤耐性のあるプラスチック製で繰り返し使用できます。

ケムビーズは、複数の反応条件を並行してスクリーニングして特定の出発物質を用いた反応を最適化し、高価な貴金属触媒やビルディングブロックの使用量(< 1mg)を低減し、開発のスピードとアウトプットを向上させることができるため、実験をより効率よく行うことができます。ケムビーズは、アカデミア、製薬企業および化学企業における研究に影響を与えるでしょう。

お客様の研究開発が新たなフロンティアに到達するべく、私たちはさまざまなケムビーズを提供して研究開発をサポートします。

ケムビーズ - 触媒をコーティングしたガラスビーズ

図1.ケムビーズ製品の拡大写真:Palladium (II) Chloride ChemBeads、 [1,1′-Bis(diphenylphosphino)ferrocene]dichloropalladium(II) ChemBeads、Grubbs Catalyst® M204 ChemBeads、Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0) ChemBeads (左から)

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参考文献

1.
Tu NP, Dombrowski AW, Goshu GM, Vasudevan A, Djuric SW, Wang Y. 2019. High-Throughput Reaction Screening with Nanomoles of Solid Reagents Coated on Glass Beads. Angew. Chem. Int. Ed.. 58(24):7987-7991. https://doi.org/10.1002/anie.201900536
2.
Martin MC, Goshu GM, Hartnell JR, Morris CD, Wang Y, Tu NP. 2019. Versatile Methods to Dispense Submilligram Quantities of Solids Using Chemical-Coated Beads for High-Throughput Experimentation. Org. Process Res. Dev.. 23(9):1900-1907. https://doi.org/10.1021/acs.oprd.9b00213
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