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ホーム測光分析・反射光分析分析法:土壌中のカリウム

LUFAに類似したCAL緩衝液で抽出後の土壌中のカリウムの比濁測定

概要

このプロトコルでは、LUFAに類似したCAL緩衝液で抽出後の土壌中のカリウムの比濁測定の概要を説明します。この手順では、Spectroquant® のテストキットと光度計を用いて土壌抽出物の調製およびカリウム濃度の測定を実施します。この分析は、土壌の質の評価と、作物の成長を促進するための適切な肥料や堆肥の選択のガイドに役に立ちます。

セクションの概要:

Spectroquant<sup>®</sup> 分光光度計の3つのモデル:Prove 100 plus、Prove 300 plus、Prove 600 plus。各デバイスは、本体が長方形で、洗練されたモダンなデザインである。一番前にある一番大きなモデルであるProve 600 plusは緑色で上部が黒色、測定データを表示するタッチスクリーンインターフェースとサンプルを挿入するためのスロットが装備されている。デバイスの右上隅には黄色の「M」のロゴがあり、前面には鮮やかな黄色で「600+」が印刷されている。2つの小さなモデルProve 100 plusとProve 300 plusは、後ろ側に置かれている。Prove 100 plusは黄緑色で上部が黒色、Prove 300 plusは黄色で上部が黒色。同じくどちらも、タッチスクリーンと「M」ロゴが装備されている。

Spectroquant® 分光光度計 - Prove 100 plus、Prove 300 plus、Prove 600 plus

はじめに

カリウム(K)は、リンや窒素と同じく、植物にとって重要な主要栄養素です。この元素は、植物組織内の水、栄養素、糖の移動系の発達を担っています。また、気体の移動を制御する気孔のコントロールにも役立っています1。カリウムが炭素分布や窒素代謝に影響を及ぼすことは研究でも示唆されています2。植物によるカリウムの取り込みは、土壌から実施されるため、栽培用の土壌には種間で異なる所定濃度のカリウムが含まれている必要があります。カリウム欠乏は、植物の成長と発達に著しい影響を及ぼします3。 

これらのことから、カリウム濃度測定のための土壌検査は、土壌の性質を調べ、作物の成長を増強するために使用する堆肥や肥料の種類を決定するために重要です。  

このアプリケーションノートでは、LUFAに類似したCAL緩衝液で抽出後の土壌中のカリウムの比濁検定を詳細に説明します。 

試薬・装置・関連製品

カリウムテストキット/試薬

測定のために、以下のSpectroquant® テストキットのうち1つが必要です:

  • Spectroquant® カリウムセルテスト(1.14562
  • Spectroquant® カリウムセルテスト(1.00615

装置・デバイス

測定のために、以下のSpectroquant® 光度計のうち1つが必要です:

  • Spectroquant® VIS Spectrophotometer Prove 100 Plus(1.73026
  • Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 300 Plus(1.73027
  • Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 600 Plus(1.73028
  • Spectroquant® Colorimeter Move 100 (1.73632

また、旧型システムも使用可能です

  • Spectroquant® Spectrophotometer Prove 100/300/600
  • Spectroquant® Photometer NOVA 30/60/60A

データ転送用ソフトウェア

  • データを既存のLIMSシステムに転送するためのオプションのSpectroquant® Prove Connect to LIMSソフトウェアパッケージ(Y.11086

装置アクセサリー

  • 角型セル10 mm(1.14946)および/または
  • 角型セル20 mm(1.14947)および/または
  • 角型セル50 mm(1.14944

その他の試薬・アクセサリー

  • 土壌分析用乳酸カルシウム (1.02103
  • 土壌分析用乳酸カルシウム(1.09325
  • 分析用水(1.16754
  • 分析用100 %酢酸(1.00063

実験手順

試薬の準備

CAL抽出溶液:土壌分析用乳酸カルシウム15.4 gおよび土壌分析用酢酸カルシウム7.9 gを別々に分析用水300 mLに入れ、温めながら溶解します。2つの溶液を合わせて1 Lメスフラスコに入れ、100% 酢酸を17.9 mL加えます。冷却し、分析用水を標線まで満たしてよく混合します。

分析前処理

  • 土壌サンプルを風乾した後、石や植物などの粒子を除去します。
  • サンプルを2 mmメッシュで篩過します。
  • サンプル5 gを別の容量約300 mLのフラスコに入れ、抽出溶液100 mLを加えます。
  • 蓋をしたフラスコを90分間、1分あたり175回振盪します
  • 抽出物を折りたたみ式フィルターでろ過して、最初の10 mLのろ液を廃棄します。
  • 澄んだろ液を、32 % 水酸化ナトリウム溶液でpH 5~7に調整します。
  • 35 mg/Lを超えるK2Oを含むサンプルは抽出溶液で希釈してください。 

分析

上記のテストキットで測定します。

計算式

純粋な抽出溶液を対照として測定を行います。サンプル抽出物が黄色の場合、試薬を追加せずにブランクとして測定し、結果をサンプル値から差し引いてください。 

カリウム含有量(単位:mg/kg K2O)  =分析値(単位:mg/L K) x 1.2 x 100
サンプル重量(単位:g)

 

測光分析のためのその他の用途については、 プロトコルおよびアプリケーションノートをご覧ください。

 

関連製品
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参考文献

1.
Potassium for crop production. Umn.edu. [Internet].[cited 08 Aug 2024]. Available from: https://extension.umn.edu/phosphorus-and-potassium/potassium-crop-production
2.
Xu X, Du X, Wang F, Sha J, Chen Q, Tian G, Zhu Z, Ge S, Jiang Y. Effects of Potassium Levels on Plant Growth, Accumulation and Distribution of Carbon, and Nitrate Metabolism in Apple Dwarf Rootstock Seedlings. Front. Plant Sci.. 11 https://doi.org/10.3389/fpls.2020.00904
3.
Thornburg TE, et al. Potassium deficiency significantly affected plant growth and development as well as microRNA-mediated mechanism in wheat (Triticum aestivum L.). Frontiers in plant science. 2020;11. [Internet]. Available from: https://doi.org/10.3389/fpls.2020
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