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ラボ用撹拌・混合

混合、攪拌および振盪用の実験器具は極めて特化されている場合があるので、作業に応じて適切なものを入手することが重要です。混合は複雑なため、さまざまなタイプのラボ用ミキサーがあります。最も簡単な方法は、攪拌棒またはスパチュラを使用して手動で溶液を混合することです。オーバーヘッドスターラーとインペラーには、マグネチックスターラーと比べてより高い粘度のサンプルで多くの利点があります。しかし、マグネチックスターラーにはかなり廉価のものが多く、プレート内を加熱するなどのオプションや、攪拌子のデザインが豊富にあるため、さまざまな程度のせん断応力が得られるという利点があります。また、さまざまな平面上で動くラボ用ロッカーやローラーも幅広く取り揃えています。速度がより遅く、制御性がより高いため、細胞や組織の培養作業、染色、ブロッティングおよび沈降研究によく使用されます。ボルテックスミキサーは、試薬を速やかに混合する場合や、小さなバイアルの中で細胞を懸濁する際に使用するシンプルな器具です。   



攪拌棒・スパチュラ

攪拌棒とスパチュラは、手動で溶液を混合する目的で使用します。攪拌棒は、寸法と材質に基づいて選ぶ必要があります。PTFEおよびポリプロピレン製の攪拌子はオートクレーブ滅菌が可能で、良好な耐熱性があります。ポリエチレン製とスチール製の棒は、耐薬品性と耐熱性の両方を示します。ホウ珪酸ガラス棒は、一般的な目的での攪拌や、プラスチックやスチールとの反応性を有する混合物との使用に適しています。ラボ用スパチュラは、すくい取りや削り取りに役立ち、いろいろな形状の頭部があり、各種容器やさまざまなレベルの沈殿がみられるサンプルに対応しています。混合は、研究機関や工業試験所で混合、溶解、またはその他の目的のために行います。溶液やサンプルの攪拌と混合にさまざまな器具が利用できます。

ボルテックスミキサー

ボルテックスミキサーは、円運動を用いて液体中や流動体中に渦を形成するので、溶液が均一に混ざります。ボルテックスミキサーは、接触による作動(タッチアクティベーション)もしくは連続モード作動、固定および調整可能な速度、および小さなチューブから大きなプレートまでのさまざまなタイプの容器やコンテナをサポートするプラットフォームで利用できます。ボルテックスミキサーまたはオービタルシェーカーの軌道直径により、使用可能な容器が決まります。より小さな3 mmの軌道は、マイクロプレート、微量遠心チューブ、およびその他の小さな容器に適しています。中程度サイズ(15 mm~25 mm)の軌道は、細胞培養皿、フラスコおよびビーカーに適しています。大容量または幅の広い容器には、より大きな軌道(30 mm超)のものをお勧めします。

マグネチックスターラーバー

マグネチックスターラーバーは、形状、サイズおよび材質に基づいて選ぶ必要があります。

形状:攪拌子の形状は、攪拌の程度と容器の適合性に影響を与える場合があります。

  • 通常、丸形の攪拌子は平底ビーカーおよび容器で使用されます。
  • スライド丸形の攪拌子は、中央の周りにピボットリングがあるため、振動と摩擦を低減させ、底が湾曲または不均一の容器内で良好に機能します。
  • 球形の攪拌子は、チューブおよびバイアルに使用します。
  • 楕円形の攪拌子は、丸底ビーカー内での使用に最適です。
  • 十字形の回転子は、高速での攪拌を安定させるため、乱流溶液用または沈殿のある溶液用としてお勧めします。
  • クラウン攪拌子は、キュベットまたは試験管内で使用します。
  • 底がわずかに凸面の容器内で使用する場合は、骨形の攪拌子をお勧めします。
  • 三角形の攪拌子は、削り取りと沈殿防止に優れており、乱流を増やして混合する必要がある場合にお勧めします。

サイズ:攪拌子は、攪拌中に容器の壁に触れないよう十分小さいものを選ぶ必要があります。攪拌子のサイズを最大化すると、より多くの動きとより良い混合が得られます。湾曲した容器では、フラスコの側面に引っ掛かるのを防ぐために、より小さな攪拌子が必要です。

材質:通常、マグネチックスターラーバーはアルミニウム、ニッケルおよびコバルトの合金でできています。サマリウムコバルト攪拌子は、プレートスターラーまたはスターラーマントルの内部攪拌磁石とより強く結合します。通常、攪拌子は耐薬品性と耐熱性に優れたPTFEでコーティングされています。コーティングの材質は、サンプルと適合している必要があります。

プレートスターラー・スターラーマントル

1つまたは2つの選択基準に基づいて、効果的なスターラーまたは攪拌ホットプレートをお選びください。ただし、以下のポイントを常に念頭に置いて、用途に最も合うものをご利用ください。

  • 正確性・安定性:ベーシックなアナログユニットは、攪拌速度を正確に制御するようには設計されていませんが、経済性、信頼性および使いやすさを提供します。攪拌速度の制御が不可欠な用途では、電子的フィードバック制御を備えたユニットが最大級の正確性と安定性を提供します。マイクロプロセッサー制御により、攪拌速度を監視し、選択した設定値に対するシステムの変化を自動的に補正します。よりコストが掛かりますが、正確に攪拌速度を制御することで、より再現性の高い結果を得ることができます。

  • 容積:スターラーと攪拌ホットプレートには、小さな単一容器ユニットから大容量のマルチユニットのものまで、さまざまなサイズと構成があります。複数の容器を同時に攪拌および加熱するために設計したユニットは、最大9つの容器を個別に攪拌制御できます。

  • 粘度:磁気結合強度に関しては、すべてのスターラーを同程度に製造しているわけではありません。ドライブマグネットと攪拌子のペアで特定の溶液を効果的に攪拌する能力は、ドライブマグネットの形状とサイズ、攪拌子の形状とサイズ、ドライブマグネットと攪拌子の距離、容器の形状とサイズ、必要な攪拌速度、および溶液の粘度などいくつかの変数に左右されます。より粘性の高い溶液を攪拌するためには、より大きな磁気結合強度を持つユニットが必要です。より大きなドライブマグネット(長さ12 cm超)、耐久性の高いモーター、およびより長い攪拌子に対応できる性能を備えたスターラーをお選びください。

  • 従来のモーターと電磁誘導ドライブの比較:従来のプル・マグネット・モーターは、摩耗やメンテナンスの問題があり、また、ログの攪拌時には大きな熱が発生するという問題がありました。2MAGスターラーで使用されている誘導ドライブは、可動部がないため摩耗やメンテナンスがなく、フラットでスペースをとらないためロボットに最適です。また、熱の発生が少ないため温度に敏感なサンプルに最適で、汎用性を高めるためにリモートコントローラを備えており、完全に水没させることができます。

ロッカー・ローラー

膨大な数のシェイクモーションがあるため混乱してしまいますが、それぞれに特徴があります。オービタルシェーカープラットフォームでは、多くの分子生物学用途に理想的な円運動をし、液体表面の「膜」形成を防止します。回転運動により、チューブ、フラスコ、またはボトル内のサンプルを優しく回転させることができます。一部には、傾斜の調節が可能なものがあり、回転角度を選択できます。ゆっくりと穏やかに混合するため、デリケートなサンプルに理想的です。ロッキングプラットフォームは、二次元または三次元のロッキング運勤が可能です。また、ロッキングプラットフォームは穏やかで均一な混合も行うことができ、マイクロプレートやバイアル、チューブラックとともに使用されるのが一般的です。免疫アッセイ、血液サンプル、細胞懸濁液、およびブロットに最適です。ウェービングシェーカーは、ELISA、DNA抽出、タンパク質合成、ハイブリダイゼーションなどのせん断感受性の流動体に使用します。ほぼすべてのモデルでは、速度と傾斜角を変えることができます。

インペラー・攪拌ブレード

インペラーは、適合性のあるシャフトまたはブレードと組み合わせると、せん断力、渦巻き、または通気を用いてサンプルを混合します。インペラーは、流れ、直径、粘度および材質に基づいて選ぶ必要があります。軸流は、液体の混合にお勧めします。輻流は、より高いせん断と乱流をもたらすので、分散液と乳濁液の混合にお勧めします。接線流は、高粘度サンプルの混合にお勧めします。通常、インペラーはさまざまなグレードのステンレス鋼またはPTFEで作られているため、過酷または腐食性サンプルなどの用途に向いています。

オーバーヘッドスターラー

オーバーヘッドスターラーはサンプルの上方に配置され、インペラーを用いてサンプルを混合します。攪拌速度、容量、トルクおよび粘度に基づいて選ぶ必要があります。より高い粘度の混合液の混合には、より高いトルクをお勧めします。オーバーヘッドスターラーは、可逆的方向の攪拌、自動シャットダウンのプログラミング、データログ収集、および過負荷/過熱防御など、さまざまなオプションで利用できます。



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