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エネルギー分野におけるコンビナトリアル材料科学

R. Bruce van Dover

Department of Materials Science and Engineering, Cornell University

材料は、エネルギーの生産、輸送、利用において解決が迫られている緊急の問題のみならず、持続可能性に関する一般的な課題の解決においても基礎となるものです。多くの場合、こうした問題の長期的な解決は、材料研究における革新的なブレークスルーにかかっています。米国エネルギー省のレポート、「安全で信頼性の高い持続可能なエネルギーの未来のための新たな科学」では、以下のように強調されています。

「…たとえ既知の概念に基づいた先端工学や最新技術による改良が加えられたとしても、エネルギーに対する従来の取り組み方では我々のエネルギーの未来を保障するには十分ではありません。この課題を解決するには、現状をはるかに超える水準でエネルギーを製造、貯蔵し、利用することのできる新たな技術が必要とされています。そのような技術は、光、電気、化学燃料の間のエネルギー変換に大きな影響を及ぼすような新規材料や化学プロセスに関する科学的ブレークスルーから生まれてくるはずです。」1

言葉の定義上、「予測不可能」であるブレークスルー材料を発見するための効率的な戦略などありうるのでしょうか?

その答えの1つは、コンビナトリアル材料科学に見出すことができます。この技術は予測できない新規材料を探索するための強力な手法となります。一つ一つの試料の合成や特性評価に高いコストがかかる上に、研究開発にかかる時間を短縮するために、材料開発分野の研究者は、(コンビナトリアル材料科学を実現するための)方法論としてのハイスループット技術の開発に力を入れつつあります。研究対象となる材料の数が増えれば、組成と特性の相関関係についての知見が増え、ブレークスルーとなる材料の発見の可能性を高めることができます。効果的に行うには、確かで、信頼性の高い方法での特性評価に対するニーズと迅速な特性評価に対するニーズとのバランスをとらなければなりません。

図1は、ハイスループット合成および特性評価が、物質探索に結果として効力を発揮するために考慮しなければならない主な項目をまとめたものです。選択したハイスループット合成技術によって作製された材料が、単発の実験で作られたものと同一である必要はありませんが、最終的な特性が類似していることが必要です。材料特性は、形態や微細構造、およびプロセスに依存するその他の変数に左右されます。薄膜は取扱いが非常に便利なことが多いのですが、同じ組成のバルク材料とは特性が全く異なることがあります。幸い、多くの場合、薄膜で観察される組成の傾向は、バルク材料と非常に似通っていることが見出されています。

新規材料探索のためのコンビナトリアル/ハイスループット手法におけるディシジョンツリー

図1ある未解決の問題を解決に導く新規材料を見出す上で、コンビナトリアル/ハイスループット手法は正しい選択なのでしょうか? このディシジョンツリーでは、確認すべき基本的項目を図示しています。正しい条件が揃えば、ハイスループット法による実験は想像以上に効率的なものとなります。

多くのハイスループット合成法が開発されていますが2,3、特に共堆積(共蒸着)コンポジションスプレッド(CCS:codeposited composition spread)法は、幅広い組成範囲の化合物を1回の実験で合成できるため、汎用性の高い方法であることが明らかになっています。この方法では、別々の、化学的性質の異なる2つ以上の原料から、物理蒸着によって基板上に薄膜を同時に堆積させ、個々の成分は十分に混合されつつ、組成が自然傾斜した膜を作製します。3つの蒸着源を使えば、場合によっては、1回の実験で完全な三成分相図を作ることも可能です。

可動シャッター(traveling shutter)4やさまざまな形状のマスク(shaped mask)5を用いてコンポジションスプレッド薄膜を作製することで、膜厚が傾斜した(wedge、くさび形)膜を作ることができます。続いて、試料をシャッターに対して回転させ、さらに第2または第3のくさび形の膜厚傾斜膜をその上から重畳させることによって、組成傾斜した(組成が連続的に変化した)膜が得られます。各層の厚さが1分子層以下であるようなくさび形の膜厚傾斜膜を多数堆積させれば、原子レベルでの混合が可能となります。この方法では、積層と積層との間の短い時間における表面の再組織化によって偶発的な乱れが生じることもありますが、(再スパッタ効果を無視すれば)組成と位置の関係を十分に定義できるという利点があります。

CCS合成は、例えば創薬研究6や、XiangとSchultzによって開発されたDCS(discrete combinatorial synthesis)法7などでも用いられているような従来の「コンビナトリアル化学」とは異なるものです。DCS法は、個別の前駆体物質の層を連続して堆積させた後に中温または高温で拡散および反応させることで、無機成分の混合物を作製します。その大きな利点は、多くの構成成分を含んだ任意の組成物を希望通りに調製できる点にあります。コンポジションスプレッド法の重要な利点は、後続の反応工程を行うことなく材料を調製することも可能である点にあり、そのため、低温相または準安定相の材料を作製できる場合もあります。また、CCS法では、非常に高精度の組成分解能で(物性測定法それ自体の分解能で制限されてしまうことが多いのですが)、特性を決定することも可能です。例えば、多くの場合、1 mol%間隔の組成空間分布で試料を作製することも容易で、これは1回の実験で数千もの試料を探索することに匹敵します。CCS技術は、合金やさまざまな化合物(金属間化合物や窒化物、酸化物、炭化物など)の作製に用いられています。また、数多くの薄膜堆積法(真空蒸着8,9、スパッタリング10-12、パルスレーザー堆積(PLD:pulsed-laser deposition)法13、化学気相成長14、低温プラズマプロセス15など)がコンポジションスプレッド薄膜の合成に用いられており、中でもスパッタリング法には以下のような優れた利点があります。

  • 現在利用されているDC、RF、またはパルスDCで制御される電源を用いたとき、ほとんどの場合、スパッタリング速度は一定で再現性があるので16、目標とする組成範囲のコンポジションスプレッド薄膜を合成することが可能です。

  • マグネトロンスパッタガンをスパッタリングに用いた場合には、原料間の相互作用はほとんどありません。すなわち、ガンからの堆積速度は、他のガンの動作には左右されません。その結果、それぞれの原料からの堆積速度を一度決定すれば、組成プロファイル(基板上の位置に応じた共堆積膜の組成)を定量的に予測することができます。しかしながら、環境によってはマグネトロンガンが成長する膜との間で顕著な相互作用を起こすことがあるため、再スパッタリングが起こったり、個々の堆積速度の単純な合計から予測されるものと組成が逸脱したりすることがあります。このような影響は、既知のスパッタ収率やスパッタシステムの条件から定量的に予測できるので、正確な調整と組成の的確な定量的予測を行うことができます。

  • 共堆積によって得られる組成傾斜(直径2インチの試料を使用)は、通常、1ミリあたり約1原子パーセントであるため、多くの測定法において、約1原子パーセントの分解能でその傾向(組成依存性)を決定することができます。

  • スパッタリング法は、金属、酸化物(酸素を含む雰囲気中の反応性スパッタリング)、窒化物(Ar-N2中のスパッタリング)、炭化物(Ar-CH4スパッタリング)、および混合アニオン(例えば、オキシナイトライド)系の堆積に適しています。ターゲットとなる、ほとんどの金属および多くの単成分や二成分の酸化物は、その他の一般的な材料と同様に入手が容易です。

スパッタ共堆積には、以下に挙げるような固有の欠点もあります。

  • 組成傾斜を変更するのが容易ではありません。傾斜は系内の全不活性ガス圧の変化に影響されますが、同じようにスパッタリングに関するその他多くの条件が変化するため、系統的な研究が難しくなります。

  • アルカリ金属やアルカリ土類金属、軽ランタノイド金属のターゲットには、空気中での急激な酸化/加水分解/水和により、取り扱いに問題があります。

組成傾斜膜中の物質の構造決定は、組成と特性の相関関係を理解する上で重要です。薄膜の相同定にはX線回折による測定が最も適しており、自動データ収集を利用することで、従来型の封入式X線管球型のX線回折装置17やシンクロトロン放射光を用いたもの18においても、1つのコンポジションスプレッド基板から数百もの回折パターンを得ることができます。しかし、重要な課題として、特定の回折パターンを識別し、CCS膜の領域(組成)に対応する隣接したいくつかの相領域(phase field)にグループ分けするための自動化された手法を開発しなければなりません。現在、多少の進展はあるものの17,19、十分に確かなアルゴリズムは未だ開発されていません。

燃料電池研究

エネルギー関連の研究において、コンビナトリアル手法は、新規高性能材料の探索や既知の系における材料特性の組成依存性の解明に広く用いられています。CCS法が特に適していると見出された試みの1つに、固体高分子形(PEM:polymer electrolyte membrane)燃料電池用高性能電極触媒の探索があります20。触媒反応は複雑な現象で、確信を持って予測することは実質的に不可能です。合理的設計によって徐々に改良が進むかもしれませんが、新たな活性を示す組成を特定する唯一の方法は、大量の異なる組成をもつ化合物をスクリーニングすることです。Mallouckらは触媒活性を定性的に光学スクリーニングできる手法を開発し20、その手法はさらに半定量法へと発展しています21。触媒活性な材料の特定には、その他にも電極アレイを用いたパラレル評価法(multiple independent electrode arrangement)22や走査型電気化学顕微鏡(scanning electrochemical microscopy)23を用いた方法があります。

実施例として、Pt-Taおよびその関連した系において、最も触媒活性の高い材料に関する知見を得るためにCCS法が最近用いられています。数百もの化合物系を評価した結果、Pt-Ta系で興味深い活性を示すことが見出されたため、二成分系コンポジションスプレッド薄膜において、メタノールの酸化開始電位を位置の関数として蛍光測定によって光学的に決定する詳細な研究が行われました。この実験では、シンクロトン放射光ビームラインを用いてX線回折データをハイスループット、かつ自動で収集し、相領域(図2)を同定しています。最も優れた触媒挙動(半波電位E1/2が最も低い値)は斜方晶Pt2Ta構造の存在と強く関連しており、その活性はおおよそ化学量論組成であるPt0.71Ta0.29で最適化されることがたちどころに明らかとなりました24

蛍光試験によって測定したPt-Ta系化合物の触媒活性

図2蛍光試験によって測定したPt-Ta系化合物の触媒活性。半波電位E1/2が低いほど、メタノール酸化の活性が高いことを表します。このプロットは、高い活性が斜方晶Pt2Ta相の存在と関係しており、単一相領域(18~35 at% Ta)で最高となり、化学量論値に近い組成であるPt0.71Ta0.29で最適化されることを示しています24

図2から、CCS法による高い組成分解能の実験が可能となることで、データの内部整合性に関する2つの重要なことがわかります。第一に、隣接した組成において近い値を示すために、測定時のランダム(統計的)なばらつきが全体の傾向に比べて小さい点が挙げられます。第二に、Pt2Taの相領域の組成に対するデータの傾向が滑らかであるため、最適な組成を確実に決定することが可能であることが挙げられます。しかし、内部整合性は組成もしくはE1/2値のデータが正確であることを証明するものではありません。真に正確であるかどうかは、単発での詳細な実験との比較によって確認する必要があります。コンビナトリアル手法の重要な利点は、従来の考え方、あるいは奇抜なアイデアによる単なる推測ではなく、きちんとした実験データに基づいて、より詳細に研究を進めるに値する特定の組成領域を効率的に同定できることです。

触媒特性の予測は、第一原理計算に基づいたものであれ、これまでの蓄積された経験に基づいたものであれ、信頼に足るものではありません。そのため、触媒開発は常に実験に基づいたアプローチを重視しています。要因分析法(factorial design)のほかにこれまでとは趣の異なる手法(遺伝的アルゴリズム25など)を用いた触媒組成の迅速な最適化を容易にするために、ハイスループット研究は特に有用です。実際の合成プロセスに最も近いことから、最適化には多くの場合液相合成が用いられます。ハイスループット法は、重合触媒、立体選択触媒、酸化触媒、還元触媒、脱水素触媒など、その他の幅広い触媒機能についての一次スクリーニングや最適化に用いられ、成果が得られています。

透明導電性酸化物

コンビナトリアル材料科学の有用性を示すもう1つの例は、低放射率コーティングを始め太陽電池前面の集電体26,27など、さまざまなエネルギー関連の光電子物質として機能する、透明導電性酸化物材料の研究にみられます。良く知られたn-型透明酸化物であるIn1-xSnxOyやSnO2:F、ZnO:Al は十分な性能を持っていますが、低い熱安定性や高コストといった欠点を併せ持っています。Ga2O3、SnO2、ZnO、CdO、およびIn2O3をベースとするより複雑な材料およびこれらの多成分混合物は、性能の改善が期待されていることから、従来の研究に加えてハイスループット法を用いた研究も行われています。

ZnOは、安価なワイドバンドギャップ半導体で、光透過性に優れています。導電性の高いn-型のZnOが、Al、In、またはGaのドーピングによって得られています。ZnOの電気的特性は、酸素欠損、格子間亜鉛、および水素など、いずれも電子ドナーとして作用する固有の点欠陥に強く左右されます。高導電率のZnOを得るためには、これらの点欠陥をドーピングによって意図的に導入しなければなりません。還元条件でのアニールの後に最も高い導電率が得られる一方、酸化条件(例えば中温度領域、大気中)にさらすことで導電率が著しく低下します。Zn2+サイトにAl3+を置換した多くの研究結果から、数原子パーセント程度のドーピングによって、適度な導電率を有し、しかも熱的にかなり安定した材料が得られることが示されました。In3+を用いたドーピングも、同様の効果があります。Zn2+に比べて、Al3+は32%小さなイオン半径を有し、In3+は9%大きなイオン半径を有しているため、どちらの不純物を導入してもZnOの電子移動度の低下が見られるのは当然なことです。コンポジションスプレッド法を用いた(Zn,Al,In,O)系の導電率、移動度、および結晶構造に関する研究から、これらの不純物の効果が明らかになっています。図3は、AlおよびInを共ドーピングすると、いずれかの元素を単独でドーピングした場合よりも、移動度の低下が小さいことを示しています28。X線回折から推測される格子歪みにもよく似た傾向が見られます。最も高い移動度を示す材料の平均格子定数は、ドーピングしていないZnOと一致し、さらに、この条件で導電率もまた最大となります。コンポジションスプレッド試料を用いれば、単発での研究には通常付随して起こる実験ごとのばらつきを考慮することなく実験を行うことが可能となり、よって確かな結論を引き出すことができます。

ZnOへのAlおよびInの共ドープによる電子移動度の分布

図3透明導電体を形成するAlもしくはInを含むZnO。Zn2+と比較して、Al3+イオンははるかに小さく、一方、In3+ははるかに大きなサイズです。共ドーピングによって、ZnO結晶中によりフィットしやすく散乱の少ない、いわば「平均の」ドーパントサイズが得られます。Zn-Al-In-酸化物コンポジションスプレッドを用いることで、2つのドーパントの様々なドーピング量での測定が可能になります。Zn-Al-酸化物およびZn-In-酸化物の二成分系組成傾斜試料は、(名目上)同一条件を設定した上で、別々の実験で調製しました。今回調べたドーピング範囲では、共ドープした組成で最も高い移動度が得られています28

その他のエネルギー関連研究

コンビナトリアル材料科学技術は、その他にも多くのエネルギー関連材料の研究に活用できる大きなポテンシャルを持っています。熱電変換は、高エネルギー冷却や低品位の熱源からのエネルギー回収などの技術を一変させる可能性のある、有望な技術であるがゆえに、熱電材料のブレークスルーに向けた研究が進められています29。熱電材料の探索では、コンビナトリアル研究を成功させるために必要な様々な要素が数多く揃っています。熱電材料には、原理的には薄膜の状態で測定され得る、広く受け入れられている性能指数(figure of merit)と呼ばれる指標があります。最近の研究によって、高い性能指数を持つ材料に必要であろうと思われる要素についての知見が進み、探索すべき材料系についての指針が得られようとしています30。新規熱電材料を開拓する上で最も難しい点は、おそらく熱電性能指数がドーピングに対して敏感なために、候補とされるすべての材料について適切なドーパントとその最適な濃度を明らかにする必要がある点です。そのため、材料の組み合わせが劇的に増加すると共に、プロセス条件に対して非常に敏感である可能性が高くなります。

もう1つの例は圧電材料であり、様々な商業用途をもち、低品位のエネルギー回収に有用であることが分かっています。一般的に使用されているのはごく少数の圧電材料に限られています。その他にも知られている化合物がありますが、ほとんど特性評価されていないため、合成、あるいは評価すべき物質がまだ多く残されていると考えて間違いないでしょう。圧電特性を高い信頼性で測定評価するためには高品位の結晶性薄膜が必要となるため、微細構造の制御が合成における重要なカギになると思われます。スクリーニングの方法は、おそらく、光学的手法や原子間力顕微鏡(AFM:atomic force microscope)のカンチレバーをプローブとして用いた簡便なものでなければなりません。より広いプロセスウィンドウやより大きな圧電性能指数を有すると思われる新たな材料は、基礎的な観点からも、商業的な重要性という観点からも、極めて興味ある対象となるでしょう。

残された課題

合成法や特性評価法の開発は、ハイスループット実験の概念にとって重要ではあるものの、実験から得られるのはデータや情報であり、知見(knowledge)や見識(insight)ではありません。実際に、スピードをとるか、質をとるか、そのトレードオフで決まってしまうデータの確度、あるいは精度がまずまずで、そうしたデータを大量に得ることができるようになると、それらをどのように活用するかという新たな課題がすぐに生じます。ハイスループット法を用いた探索によって最先端の高性能材料のみをスクリーニングしていると、比較的性能の低い材料から得られる見識や新しい方向性を見落とすことになります。

圧倒的に豊富なデータ環境を、材料における構造-プロセス-特性の関連性や相関性についての実用的な見識に変換する、効果的な方法が早急に求められています。そのためには、クラスター分析や多変量回帰分析などの機械学習や統計的なアプローチが重要な要素となりますが、そうしたアプローチは、材料の物理や化学の中に本来見いだされるはずの相関性を具体化するものではありません。そのため、おそらく、従来の研究とコンビナトリアル材料科学的手法との間の最も本質的な違いは、情報の処理や管理、検索という、インフォマティックスの役割にあるといえるでしょう。

結論

無機材料の探索に用いられるハイスループット法は、有用な特性をもつ新規材料の発見の可能性を高める方法です。その理由は、お金のかかる単発の実験を行うに値する材料が存在する見込みがないとして(これまで)避けられてきた組成領域も含め、未開拓の組成領域を検討するのに必要なコストが、財源、手間、時間などの見地からみて、劇的に低くなるためです。これまでの経験から言えることは、ハイスループットスクリーニングが材料探索における現実的な問題を解決するための有効な手段となるには、大まかに次の3つの基準にあてはまる場合です。まず一般論としてこの手法はパラレル合成により試料が調製可能であり、適切なハイスループットスクリーニングによって評価することのできる、十分に明確な課題に対して有効である、ということです。2つ目は、ハイスループット法は材料特性の組成依存性の解明を目的とする既知の材料系の研究にも有用である点です。そして最後に、共堆積コンポジションスプレッド法は、幅広い研究分野の中でもエネルギー関連材料を探索する上で、特に効果的であるということです。

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謝辞

本研究は、米国エネルギー省(DOE)科学局基礎エネルギー科学室(Award Number:DE-FG02-07ER46440)の支援を受けました。また、Lynn Schneemeyer、Héctor Abruña、Francis DiSalvo、John Gregoireとの示唆に富んだ議論に対し、深く感謝いたします。

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