神経幹細胞マーカーおよび抗体
抗NEFLモノクローナル抗体(AMAb91314)を用いたニューロフィラメントの代表的な染色像
図1ヒト小脳において、プルキンエ細胞の細胞体および近位側樹状突起において強い細胞質免疫反応が観察されます。
図2マウス線条体の免疫蛍光染色は、神経線維において強い陽性を示しています。
図3NSCは、まず環境要因に応じてニューロン、アストロサイト、およびオリゴデンドロサイトに分化します。
アストロサイトは、中枢神経系における主要なグリア細胞です。これらの細胞は、成長中の中枢神経系の神経上皮において、不均一な前駆細胞の集団から生じます。アストロサイトは、神経伝達物質の分泌や吸収、イオン恒常性、および血液脳関門の維持などの、脳内の複数の役割に積極的に関与します。オリゴデンドロサイトは中枢神経系(CNS)および脊髄内に存在するグリア細胞で、その主な機能はCNS内の軸索の周囲に絶縁ミエリン鞘を形成することにあります。さらにオリゴデンドロサイトは、BDNFやGDNFなどの種々の成長因子を産生することによりニューロンの維持、成長をサポートしています。NSCマーカーの選択肢のリストは、表1~4をご覧ください。
哺乳類成体脳のNSC
神経前駆幹細胞は、哺乳類成体脳の中に存在し、生涯を通して脳の可塑性に寄与します。1 成体NSCが初めて発見されたとき、これらの機能は新しいニューロンのための再生ソースを提供することにあると見なされていました。また、これらのNSCは、傷害後の機能的脳修復に寄与するのではと期待されていました。しかし、内因性成体NSCの主要な機能は、脳の可塑性への直接的および間接的な寄与にあることが、多くの実験によって明らかになってきました。2 成体体性幹細胞は、組織統合の維持において恒常的な役割を果たします。成体NSCを制御する代表的な基本的機序の一つに、転写因子による遺伝子発現の調節があります。3 シナプスが不足しているように見える場合でも、NSCは受容体を発現してさまざまな神経伝達物質に応答します。4 哺乳類成体脳には、内因性NSCが存在する2つの主要な神経起源ニッチがあります。一方は側脳室の内側の脳室下帯(SVZ)で、もう一方は海馬の歯状回の内側の顆粒細胞下帯(SGZ)です。成体NSCのほとんどは、ギャップ結合と、直接的な細胞間相互作用を介して他の細胞と情報交換します。5
抗GFAPモノクローナル抗体(AMAb91033)を用いたグリア線維酸性タンパク質(GFAP)の代表的な染色像。
図4ヒト大脳皮質の免疫組織染色がアストロサイトの強い細胞質陽性を示しています。
図5ラット海馬の免疫蛍光染色がアストロサイトの強い陽性を示しています。
抗MBPモノクローナル抗体(AMAb91063)を用いたミエリン塩基性タンパク質の代表的な染色像。
図6ヒト大脳皮質の免疫組織染色が有髄線維の強い免疫反応を示しています。
図7ラット大脳皮質の免疫蛍光染色が有髄軸索の強い免疫反応を示しています。
神経幹細胞(NSC)マーカー |
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神経幹細胞マーカー |
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アストログリアマーカー |
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神経幹細胞マーカー |
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参考文献
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