野菜に含まれる硝酸塩
亜硝酸塩への還元およびグリース試薬との反応後の反射率測定
はじめに
硝酸塩は、空気、水、土壌、および植物中にみられる、天然に生じる化合物であり、窒素循環の一部を構成しています。ヒトはさまざまな物から硝酸塩を摂取しますが、飲料水中の硝酸塩含有量が極端に高い場合を除いて、通常は、野菜としての植物が最大の摂取源です1。野菜に含まれる硝酸塩濃度には、野菜の種類/部位、栽培頻度、気象条件、土壌の質、食品製造工程、肥料の種類/量など、多くの要因が影響を及ぼす可能性があります2。
硝酸塩そのものには比較的毒性がありませんが、亜硝酸塩、一酸化窒素、N-ニトロソ化合物などの体内で生成される代謝物は、がんとメトヘモグロビン血症と呼ばれる血液疾患に関連しているため、懸念されます3。そのため、これらの健康への有害な影響を回避するため、野菜に含まれる硝酸塩濃度をモニタリングすることが重要です。ここでは、反射率測定を用いて野菜中の硝酸塩濃度を測定する一般的な方法について概説します。
実験方法
硝酸イオンを還元剤により亜硝酸イオンに還元します。酸性緩衝液の存在下で、これらの亜硝酸イオンは芳香族アミンと反応してジアゾニウム塩を形成し、次にN-(1-ナフチル)-エチレンジアミンと反応して赤紫色のアゾ色素を形成します。これを反射率測定により評価します。
試薬、装置および関連製品
検査キット
- 硝酸塩テスト方法:反射率測定、テストストリップ5~225 mg/L NO3- Reflectoquant® (1.16971)または
- 硝酸塩テスト方法:反射率測定、テストストリップ3~90 mg/L NO3- Reflectoquant® (1.16995)
装置
- 反射計RQflex® 20 Reflectoquant® (1.17246)
注記:本アプリケーションノートは、RQflex® 20および製造中止したすべての装置(RQflex® 10、RQflex® plus)に関するものです。
サンプル調製
- ブレンダー(Ultra-Turrax®など)でサンプルをホモジナイズします。
- 代表的なサンプルをビーカーに量りとり、蒸留水を加えます。
- ビーカーに時計皿で蓋をして、約15分間煮沸します。
- 冷却し、メスフラスコに移し、最終容量まで蒸留水を加えます。
いくつかの野菜について推奨されるサンプル量と容量を、以下のサンプル調製表に示します。硝酸塩濃度は野菜によって大きく異なる場合があるため、希釈倍率を適宜調整してください。
装置分析
- 反射計のSTARTキーを押し、同時にテストストリップをサンプル(15~30℃)に約2秒間浸漬します。このとき、両方の反応ゾーンが確実に浸漬されているようにします。
- ストリップの長辺を伝わらせて吸水性のペーパータオルに余分な液を吸収させます。
- 60秒待ち、ストリップを反射計で測定します。
値[mg/L]は自動保存されます。(RQflex®操作方法およびReflectoquant®硝酸塩テストの取扱説明書を参照してください。)
計算式
硝酸塩含有量 [mg/kg] = 測定結果 [mg/L] x 水の容量 [mL] ÷ サンプル重量 [g]
硝酸塩含有量 [mg/kg] = 測定値 x ファクター
結果
参考文献
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