DNA／タンパク質電気泳動およびトラブルシューティング表

• ポリアクリルアミドゲルでのDNA分離の有効範囲
  
• アガロースゲルでのDNA分離の有効範囲
  
• サンプルローディング色素のDNAサイズ別移動度
  
• SDS-PAGEタンパク質電気泳動のトラブルシューティングガイド

ポリアクリルアミドゲルでのDNA分離の有効範囲

% アクリルアミド（w/v）1	分離有効範囲（bp）
3.5	1000～2000
5.0	80～500
8.0	60～400
12.0	40～200
15.0	25～150
20.0	6～100
1 N,N'-メチレンビスアクリルアミドを30分の1のアクリルアミド濃度で加える。

アガロースゲルでのDNA分離の有効範囲

% アガロース（w/v）	直鎖DNA分子の分離有効範囲（kb）
0.3	5～60
0.6	1～20
0.7	0.8～10
0.9	0.5～7
1.2	0.4～6
1.5	0.2～3
2.0	0.1～2

サンプルローディング色素のDNAサイズ別移動度

アガロース濃度（% w/v）	キシレンシアノール	ブロモフェノールブルー
0.1～1.5	4～5 kb	400～500 bp
2.0～3.0（アガロースによるふるい分け）	750 bp	100 bp
4.0～5.0（アガロースによるふるい分け）	125 bp	25 bp

SDS-PAGEタンパク質電気泳動のトラブルシューティングガイド

問題	考えられる原因	解決策
タンパク質のバンドが薄い、または見当たらない	ローディング量が染色の検出感度を下回っている	A280を確認して、サンプル濃度を上げてください
		より高感度の染色法（銀染色など）を使用してください
	タンパク質がゲルに固定されなかった	タンパク質も固定する染色法を使用してください
		ゲル固定液を使用してください
	低分子のペプチド（<4 kDa）がゲルに固定されなかった	5% グルタルアルデヒドでゲルを固定し、染色前に水で十分にゲルを洗浄してください
	タンパク質が分解されている	A280を確認して、プロテアーゼの混入を避けてください
	タンパク質がゲルから流出した	濃度の高いPAGEゲルを使用してください。推奨のゲル濃度については、プレキャストゲルを確認するか、サイズが不明な場合には4～20%ゲルを使用してください
染色後のゲル上に膜が形成された	Coomassie Blue Rの沈殿	メタノールでゲルを15秒間洗浄して、すぐに水に戻すか、または脱染色してください
バンドの分解能が低い	タンパク質濃度が高い	タンパク質1つあたり10 μgまたはタンパク質抽出物1つあたり100 μgをローディングしてください
	還元反応によるゲルの劣化	新しいプレキャストゲルを注文するか、新たにゲルキャスティングを行ってください
	不適切なゲル濃度	推奨のゲル濃度については、プレキャストゲルを確認するか、サイズが不明な場合には4～20%ゲルを使用してください
バンドがスメアになっている	塩濃度が高い	サンプルを透析するか、TCAによりタンパク質を沈殿させるか、脱塩カラムを使用してください
	タンパク質濃度が高い	タンパク質1つあたり10 μgまたはタンパク質抽出物1つあたり100 μgをローディングしてください
	タンパク質の凝集	4～8 Mの尿素をサンプルに加えてください
	電圧が高い	10～15 V/cmで電気泳動を行ってください
ウェル内でのタンパク質の沈殿	疎水性タンパク質	4～8 Mの尿素をサンプルに加えてください
サンプル中に白い沈殿がある	SDSの沈殿	サンプル中にグアニジンまたはカリウム塩が存在するためと考えられます