非侵襲性バイオ画像化用磁性酸化鉄ナノ粒子の最近の展開
はじめに
非侵襲性画像化は疾患の検出と診断ばかりでなく、治療処置に対する患者の応答のモニタリングにも役立つ貴重なツールです。各種撮像装置や機能が急速に発展し、それらの技術へのアクセスと利用が容易になるのとともに、放射線検査の種類も過去10年間に大幅に増えてきました - 米国だけを見ても、1年間に実施される臨床画像検査の回数は2億8千万回に達すると見積もられています。1,2近年、精密医療の確立を目指して、特定の疾患をターゲットとする画像化と薬物送達技術の研究が活発に行われています。この分野では、バイオマーカーをターゲットとした高感度と高分解能が特に求められています。病変検出や生理学的・病理学的条件の定量的測定におけるコントラストと感度増強のためにイメージ造影剤がしばしば用いられており、これにより、より正確な診断と適切な治療法の選択が可能になります。ナノ材料を応用した新しい造影剤や画像化プローブの導入が進み、非侵襲画像化ばかりでなく画像誘導インターベンションの機能と応用分野の拡張による臨床診断の前進が期待されています。最も情報量の多い診断画像化モダリティの1つとして磁気共鳴画像化(MRI)を挙げることができます。この方法は放射線を使用せずに高い空間分解能と軟部組織のコントラストが得られ、多様な組織特性に関連付けられる画像が得られます。磁性ナノ粒子に特異的な化学・物理特性はバイオマーカーをターゲットとする非侵襲性MRI応用に多くの利点をもたらします。3特に、現在臨床で用いられている低分子量ガドリニウム(Gd)キレート造影剤と比較するとその利点が明らかとなります。これらのFDA認証取得済みのGd3+-キレート、たとえばGd-DTPA (Magnevist®)、は縦緩和時間(T1)の変化を利用して検査中の組織の信号またはコントラストを増幅します。この変化が生じる理由は、常磁性Gd3+が持つ7つの不対電子の高い縦緩和能(r1 ≈ 4–8 mM−1·s−1)が、適切なキレートリガンドを選択することによってさらに高められることによります。
その一方、超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPIOまたはIONP)は、そのタイプごとに異なるコントラスト増幅メカニズムを提供します。これらの超常磁性酸化鉄ナノ粒子は、主として病変した組織や器官からの信号を抑圧することによって横緩和時間(T2とT2*)を短くします。磁性IONP系造影剤(例:Feridex®)の臨床への応用は、適用性の制限により、近年大幅に減少していますが、IONP自体は磁性ナノ材料に特異的な特性を利用した標的分子の画像化やセラノスティック応用向けのプラットフォーム開発に広く用いられています。IONPは、優れた生体適合性に加えて次のような特徴を備えています:1) 強力で調節可能な磁気特性を持つため、非常に優れたコントラスト増幅効果を持つ、2) 好ましい薬物動態特性を持ち、血液と組織保持時間が長い、3) 多様な表面化学を持つ。以上のことから、IONPに官能基を導入してマルチモード画像化やバイオマーカー標的化、治療剤送達などの応用が考えられます(図1)。診断と治療への応用へ向けた近年の分子画像化の発展、ならびに精密かつ機能画像化へのニーズの高まりから、生物医学画像化での使用を目的とした新しいIONPの開発が新たな注目を集めています。
図1.磁性ナノ粒子(MNP): A) 画像化応用の開発に有用な利点と特性、B) バイオメディカル応用の例。参考文献5、7から許諾を得て転載:copyright 2016 Wiley-VCH and copyright 2015 ACS respectively。
最近、MNPの化学、特性、画像化応用に関する優れた多くの総説(私たちの総説も含む)が公表されています。4,5この論文では磁性IONPの3つの領域に焦点を合わせて説明します。1) T1またはデュアル T1-T2 MRIコントラスト増強機能を有する、形状コントロールと腎クリアランス可能なサブ5 nm IONP、2) 特定のIONPのみに依存する磁性粒子画像化(MPI)アプリケーション、および 3) ハイブリッドMRI(MRIを光学および/または核画像化と組み合わせる)に対応できる複数機能IONP。
T1またはT1-T2デュアルMRI造影剤としてのサブ5 nm IONP
IONP系の薬剤は生体適合性に優れているため、鉄欠乏症の臨床治療にも実際に使われていますが、生物医療画像化で使用される大型IONP(核の大きさが10~50 nm)についてはクリアランス効率の悪さと肝臓保時間の長さが問題視されています。これに加えて、遊離Gd3+イオンが錯体から漏れ出すことによって引き起こされた重大な腎性全身性線維症(NSF)事例が増えていることから、腎不全患者に対するGd系T1造影剤の使用が制限されています。そのため、優れたT1コントラストとより良いクリアランスプロファイルを兼ね備えたIONPの開発が現在急がれています。
従来、IONPはT2 コントラスト「暗化」剤として使用されています(MRIの主たる信号源である水分子中の水素のT2緩和時間がその近傍に存在する磁性IONPから影響を受けるため)。横緩和能(r2)はIONPのサイズに対して直接的な相関関係を示します。IONPのサイズが4から6、9、12 nmへと大きくなるにつれて、r2の値も78から106、130、218 mM-1·s-1へと徐々に増加していきます(場の強度が1.5 Tの場合)。これまでのIONPの高いr2値と大きなr2/r1 比(~10)(コアサイズが10~50 nm)は優れたT2コントラスト「暗化」剤として機能しますが、臨床分野で求められるT1コントラスト「明化」剤としては不適です。5緩和能を調整してT1コントラストを増強するため、超薄型酸化鉄ナノウィスカ(直径 < 3 nm)や超微細酸化鉄ナノ粒子(uIONP)を含む低次元IONPが開発されました。6,7図2A~Cに示すのは、長さ20 nm、直径2 nmの超薄型酸化鉄であり、この材料のr1値は6.13 mM-1·s-1、r2/r1比は1.83です。このナノウィスカを皮下または腹腔内に注入したファントムおよびラットの T1強調スピンエコー画像のT1 コントラストが大きく改善されました。
5 nm未満の大きさのuIONPはT1強調造影剤としても有望です。その理由は、生体適合性に優れることに加えて、サイズが非常に小さく(< 5 nm)かつ大きな表面対体積比を持つことから、Gd3+と同レベルのr1値 (4–5 mM-1·s-1) と低い r2/r1 比 (< 4)を実現しているためです。6,8Gd-DTPAと銅レベルのr1値を持つことから、uIONPを静脈内投与したマウスの血管画像化において優れたT1コントラストが得られ、血管位置と腫瘍画像の輪郭判定がこれまでよりも容易になりました (図2E)。6さらに、マウスにおいては、これまでになかったデュアルT1–T2コントラスト効果が観測されました。具体的には、肝血管系においてT1コントラストの明化が観測され、肝実質においてはT2(または暗化)コントラストが示されました (図2F)。デュアルT1–T2コントラスト効果は臨床応用における血管系と肝実質の同時画像化への可能性ばかりでなく、組織特性とuIONPの濃縮位置を明らかにできる可能性を意味します。さらに重要なのは、画像化研究後のuIONPは腎臓を経由して分泌されるため、造影剤の生体適合性とクリアランス(安全性プロファイル)が改善されることです。uIONPを画像化用プローブとして使用した最近の研究によれば、5 nm未満のサイズのナノ粒子はそれだけ優れたEPR効果(血管透過性・滞留性亢進効果)を示します。7この効果が腫瘍内部へナノ粒子を送達する駆動力となり、腫瘍とさらに腫瘍内部への送達を促進します。このケースでは、異なる組織環境におけるuIONP分散の形態を変えることによってT1–T2コントラストが明から暗へ切り替わったという事実によって、uIONPの送達と組織浸透の状態が確認されました。すなわち、明るいT1コントラストが現れたのに続いて、腫瘍組織内に蓄積されたuIONPがクラスター化した結果としてコントラストが変化しました。直径5 nm未満のナノ粒子と、それよりも大きな直径を持つIONP粒子を比較すると、前者のほうがはるかに効率的に腫瘍に送達できることが定量的組織学分析によって確認されています。
磁性粒子画像化(MPI)用造影剤としてのIONP
磁性粒子画像化(MPI)は現在まさに発展中の非侵襲、トモグラフィー画像化技術であり、近年臨床前画像化ツールとして使用されるようになりました。MPI信号はIONPに磁場を印加したときに示す非線形磁化挙動から導かれます。外部磁場の下に置かれた組織中にIONPが存在すると、電磁エネルギーを印加することによってIONPの磁化を操作することができます。IONPが非線形磁化挙動を示すことから、励起周波数の高調波をIONPを利用して検出することが可能になります。このとき、調波の強度はIONPの存在と特性を反映して変化します。11MPI信号はもっぱらIONPから発生することを考えると、この画像化方法の信号にはバックグラウンドがほとんど現れないため高い感度を示し、コントラストの高い「ホットスポット」が現れるとともに正確な造影剤の定量が可能となります。この性質は核画像化に似ていますが、放射線同位元素ラベリングに付随する問題は生じません。場の強度の典型的な値 (1.5–7 T) においてMRIとMPIを比較すると、MPIは非常に優れた感度(Feのピクトグラムに近い)を示すとともに、画像取得速度も速い(最高40体積/秒)のが特徴です。MPIの信号強度はIONPの濃度に比例するため、注目する領域でIONPの定量が可能であり、バックグラウンド信号からの干渉を受けません。
図2.A) 透過型電子顕微鏡(TEM)画像、および B)ファントムとC)酸化鉄ウィスカーの腹腔内(中)または皮下(下)注入を行ったマウスと対照マウス(上)とを比較したT1強調スピンエコー画像。許諾を得て参考文献8より転載、copyright 2018 Royal Society of ChemistryD) uIONPのTEM画像;E) T1-、T2強調スピンエコー画像、サイズの異なるIONPのr1とr2値;F) マウスの脂肪抑制T1強調スピンエコー画像(10 mg·kg-1のuIONP投与の前と後)。脾臓を赤いドットサークル、腎臓を緑色のドットサークルで囲んでハイライト表示。参考文献6より許可を得て転載。copyright 2014 Royal Society of Chemistry。
IONPの設計仕様として考えられる多くの項目(コアサイズ、水力学的サイズ、表面化学、組成、生体適合性、血液循環時間など)の中で、MPIの信号強度と空間分解能を決定するという意味で特に重要なのはMPIのサイズと均一性です。9,10初期の研究が示すところによれば、使用周波数ごとに、IONPのサイズに応じて最適なコアサイズが存在します。たとえば、コアサイズが20 nmのIONPは25 kHzにおいて最高のMPI画像を生成し、15 nmのIONPは50 kHzで最高の画像を生成します。11IONPの特性と信号や空間分解能との相関関係を完全に理解するためには今後とも研究を続ける必要があります。ここで注意が必要なのは、MPIが提供するのはMPIが存在する位置近傍の「ホットスポット」情報であり、注目する組織や器官の構造的・形態的な詳細は含まれません。、解剖学的情報を得るためにはMRIまたはCT画像も必要となります。
MPIの最初のin vivoアプリケーション -Ferucarbotran (Resovist®、IONPを応用したIONP造影剤、平均流体力学直径60 nm) を使用- ではマウスの心臓構造の左右の心房、心室、肺静脈を示すことができました (図3A)。初期のMPI応用の目標は細胞の追跡と対象物の画像化でした。たとえば、免疫抑制ラットモデルの神経前駆細胞をResovist®を用いてラベリングした実験では80日以上にわたってin vivoで画像化と定量が可能でした。Resovist®ラベリングした幹細胞を追跡する検出限界は、現在のMPIシステムを使用した場合、100細胞程度でした。10赤血球(RBC)の移動の研究においては、SPIONラベリングを施さない対照RBCと比較すると、SPIONラベリング(Resovist®およびSinerem® (直径20~40 nm))を施したRBCから明確に識別できる信号が得られました (図3B~C)。SPIONでラベリングしたRBCのほうが長い半減期を示したことも興味深い結果であり、循環系の阻害や障害のリアルタイムモニタリングのためにMPIを使用できる可能性を示しています。
また、介入性医療デバイスや移植片などの視覚化と追跡にもMPIを使用することができます。図3D・Eでは、経皮腔内血管形成用として市販されているバルーンカテーテルにResovist®トレーサーを満たして血管ファントムに挿入した後にMPIスキャナを使用して画像を取得しました。12バルーンの膨張、収縮プロセスや動脈狭窄の膨張と同じように、ごく少量のMPIトレーサー (1リットルあたり25 mmolの鉄)だけでMPIを含むシャフト明瞭に視覚化されました。
図3.A) MPIの動的画像(左)と、マウス心臓鼓動のMPI-MRI融合画像(右); B) NPラベリングした赤血球細胞と対照赤血球細胞のTEM画像; C) Resovist®、Sinerem®、Resovist®ラベリングした赤血球細胞とSinerem®負荷した赤血球細胞(それぞれL1、2R-RBCとL1、2S-RBC)のMPI信号; D) IOPN(Resovist®)充填バルーンカテーテルのMPI軸方向、環状面、およびサジタルビュー;E) バルーンをしぼませた(上左)、膨らませている途中(上右)、膨らんだ(下左)および視野から取り除いた(下右)状態を3D化して表示した画像。12
IONP応用マルチモーダル画像化
得られる感度、分解能、解剖学的情報、およびコストの観点からそれぞれの画像化モダリティの強味と制限を説明してきましたが、現在では2つの異種画像化モダリティを組み合わせて相互補完させようとするマルチモーダル画像化システムの開発が注目を集めています。
MRI近赤外(NIR)光学画像化
MRIが持つ組織内部を3次元で解剖学的に画像化する機能を、コスト効率の良い光学画像化や機能分子画像化プローブと組み合わせることによって特定の生物学的および分子レベルでのイベントのさらに詳しい情報をin vivoで取得できる可能性があります。さらに、光学的な画像化を応用した外科的介入はMRIが提供する高い空間分解能を持つ解剖学的情報を利用することができます。各種の光学的画像化プローブの中で、NIR染料は従来使用されている蛍光フルオロフォアと比較して次のような利点を持っています:吸収干渉が小さい、生物サンプルからの自己蛍光、光を散乱する組織が少ない、および組織へより深く侵入できる。
NIRによる光学的画像化をMRIと組み合わせるためには、NIR染料がIONPと結合される必要があります。たとえば、Cy5.5は広く使用されているNIR染料の1つです。デキストランで被覆した架橋IONPに、アミンに対して反応性を示す架橋剤を介してCy5.5を結合し、さらに標的リガンドとして使用する合成ペプチド(EPPT)で修飾することにより、ヒト脾臓腺がんの過少グリコシル化ムチン1(uMUC-1)抗体の画像化に使用しました。標的プローブを静脈内投与してから24時間経過後には、腫瘍内部にはっきりと判るT2コントラストが観測され(図4A)、それに付随して高輝度NIR蛍光信号も観測されました(図4B)。7同じように、マウス乳がんの画像化を目的として、Cy5.5ラベリングを施したウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベーター受容体(uPAR)をターゲットとするIONPプローブも調製されました。Cy5.5とアミノ末端断片 (ATF) ぺプチドをIONPへ結合させた後、MRIとNIRにより画像化してuPAR発現腫瘍を視覚化しました (図4Cおよび4Dの円で囲った部分)。4同じように、IOPN上に腫瘍を標的とするインスリン様成長因子1(IGF-1)とNIR830染料を結合させることにより、IGF-1受容体陽性膵臓腫瘍モデルを標的とするMRI-NIR画像化が可能であることが示されました。51つのモダリティを補完する画像化と情報取得機能が追加されることに加えて、NIR染料を結合させたIONP(商用品として入手可能なMagDye-765®、IN765-05-05などを含む)を使用することにより、低分子量光学画像化プローブでは難しいとされる薬物動態学的ターゲットやバイオマーカーをターゲットとする機能が付与されます。一方、2つの材料を組み合わせて使用するときは、IONPと染料の本来の光学特性(光学クエンチング効果など)の間に発生する可能性のある干渉を十分に考慮する必要があります。
図4.ヒト膵臓腺がんを移植した後にCy5.5-EPPT-CLIOを注入したマウスの A) T2強調画像、および B) 色分けNIRマッピング:許諾を得て参考文献7より転載、copyright 2015 American Chemical Society; 4T1マウス乳がんを持つマウスへCy5.5-ATF-IONPを注入後の C) T2強調MRIと D) NIR画像。4
MRI-ポジトロン放射トモグラフィー(PET)
MRI-ポジトロン放射トモグラフィーは最も強力な臨床分子画像化モダリティです。この手法は、放射性を有するポジトロン放射トレーサーを使用して、疾患に関与する官能基、分子、代謝などの情報を報告する能力を持っています。PET-MRI複合スキャナはMRIを使用して解剖学的構造と組織の形態を視覚化するとともに、官能基や分子、生理学的情報を明らかにして強力な診断機能を提供します。現在では、PET-MRI複合システムが臨床に応用されています。PET-MRI複合システムの数が増え、使用方法が多様化するにつれて、MRIとPETの両方の検出能を向上させる新たな造影剤へのニーズが強くなります。これまで、MRI-PETの両方に対応できる造影剤として、PETに感度を持つ放射線同位元素(例;18F、64Cu、69Ge)でラベリングした化合物とIONPを統合した薬剤が用いられてきました。この統合の手段として次のようなキレートリガンドが用いられています:1,4,7,10-テトラアゾシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸 (DOTA、カタログ番号:86734) または1,4,7-トリアゾシクロノナン-N,N′,N″-三酢酸 (NOTA)。ネズミのリンパ節からの64CuでラベリングしたIONPの排出過程をデュアル画像化システム(図5B)を用いて追跡する目的で64Cu-ビス(ジチオカルバメートビスフォフソネート) [64Cu-(dtcbp)2] - IONPとPET同位体 64Cuをカップリングさせる(図5A)-が開発されました。13近年の放射化学の進展により、キレート剤を使用せずにハイブリッドMRIPETトレーサーを合成できるようになっています。図5Cに示すように、化学合成の過程で69Geと鉄前駆体とを混合することにより、ゲルマニウム (69Ge、t1/2が39.05 h) をIONPへドーピングすることができます。この物質はT2強調MRIと69Ge PETにおいて優れたコントラスト増強効果を示します。7PET画像化機能を有するT1 MRI造影剤を得るため、デキストラン被覆を施したuIONPに、マイクロ波を補助的に使用する経路 (図5D) を使用して68Gaをドーピングした結果、68Ga-uIONP系から、何種類かの鉄濃度において、これまでよりも明るいT1強調MRI画像とPET画像が得られました (図5E)。6,14
図5.A) IONP-64Cuキレートの模式図;B) 64Cu-(dtcbp)2-IONPを使用して得られたリンパ節のMRI/PETデュアルモード画像化;許諾を得て参考文献13より転載、copyright 2018 Elsevier;C) 69GeドーピングIONPの模式図、およびin vivo PETとT2強調MRI画像7;D) 68Ga-uIONPの模式図とTEM画像;E) 異なる鉄濃度での68Ga-uIONP画像:MRIファントム(上)とPETスキャン(下)。8
結論
バイオ画像化法の開発と応用において、磁性IONPは現在も主要なプラットフォームの地位を保っています。この状況は臨床前とトランスレーショナルリサーチ、さらに臨床画像化への可能性探索においても同様です。私たちは本稿において、IONPをMRI-、MPI-、およびMRIを中心とするマルチモード画像化用造影剤として使用するための設計とエンジニアリングの近年における展開に焦点を合わせて説明しました。IONPをGd-DTPAに代わるT1 MRI造影剤として使用する方法が近年注目を集めており、この新しいクラスのIONPがさらに発展して臨床使用に結びつくものと考えられています。何種類かのマルチモード画像化モダリティはすでに臨床応用で使用できる段階に達しているため、マルチ画像化モダリティにおいて複数のコントラスト強調効果
を結合できる多機能ハイブリッドIONP試薬の調製は今後とも活発な研究と開発の対象であり続けるでしょう。MPIの開発が進行して臨床分野への応用が認可されるまでにはまだ数年を要すると思われますが、臨床前研究への適用は急速に進んでいます。この事実こそが、MPIがin vivoバイオ画像化で示すであろう能力と可能性を明瞭に示しています。MPIは磁性IONPを必要とするため、MPIの応用に合わせて調整された新しいクラスのIONPの開発は今後も目を離せない注目すべき分野です。
参考文献
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