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レンチウイルス形質導入(トランスダクション)プロトコル

下記プロトコルは96ウェルプレートでハイコンテントスクリーニングを行うために開発されたものです。

関連製品

  • MISSION  shRNAレンチウイルス粒子(パーティクル)
  • 臭化ヘキサジメトリン(製品番号H9268
  • MISSION™ pLKO.1-puroコントロール用形質導入粒子(製品番号SHC001V)
  • MISSION™ shRNA Non-Targetコントロール用形質導入粒子(製品番号SHC002V
  • MISSION™ TurboGFPコントロール用形質導入粒子(製品番号SHC003V
  • 10%ウシ胎児血清を含む最小必須培地または特定の細胞株に最適化した培地
  • 96ウェル細胞培養処理プレート
  • 形質導入する哺乳類細胞

調製

哺乳類細胞が指数関数的に増殖し、形質導入前のコンフルエンスが70~80%以下になるよう調製します。

水を用いて2 mg/mL臭化ヘキサジメトリンストック溶液を調製します。

方法

1日目

96ウェルプレートを用いて各コンストラクトに必要なウェル数に新鮮な培地を添加し、細胞1.6 × 104個を播種します。各レンチウイルスコンストラクトおよびコントロールともデュプリケートまたはトリプリケートを準備します。
37℃、5~7% CO2雰囲気に設定した恒湿インキュベーターで18~20時間インキュベートします。

注記:細胞の増殖速度によって異なります。形質導入時のコンフルエンスが70%になるように播種する細胞数を調節します。また、播種密度を決める際は下流の分析を行う前に細胞が増殖する時間があることを考慮します。

2日目

ウェルから培地を除去します。各ウェルに培地110 µLおよび臭化ヘキサジメトリン(最終濃度8 µg/mL)を添加します。プレートをゆっくり揺らし、混合します。

注記:臭化ヘキサジメトリンは大半の細胞種の形質導入を増進させます。初代神経細胞など、臭化ヘキサジメトリン感受性の細胞もあります。このようなタイプの細胞には臭化ヘキサジメトリンを加えないでください。ある細胞タイプを初めて操作するときは、コントロールとしてヘキサジメトリンのみを加えたウェルを用いて細胞の感受性を調べてください。

レンチウイルス粒子2~15 µLを適切なウェルに添加します。プレートをゆっくり揺らして混合します。37℃、5~7% CO2雰囲気に設定した恒湿インキュベーターで18~20時間インキュベートします。レンチウイルス粒子含有培地に置換する前のインキュベーションは4時間程度の短時間でも構いません。レンチウイルス粒子の毒性が懸念される場合は、インキュベーションを一晩中行わないでください。

注記:ある細胞株に任意のレンチウイルスコンストラクトを初めて導入する場合、一定の量的範囲(MOI)でまず試験を行ってください。細胞1.6 × 104個当たりのレンチウイルス粒子液を2、5、10、15 µLまたはMOI 1、2、5とし、細胞株ごとに最適な形質導入効率・ノックダウン効率を求めます(補足資料参照)。MISSION™ TurboGFPコントロール形質用導入粒子を使って、shRNAコンストラクトのアッセイ前に形質導入効率を最適化することができます。

表1.96ウェルプレートの各ウェルへの添加量(µL)はウイルス力価によって異なるが、本表では1ウェル当たり約70,000細胞を前提としている。レンチウイルス力価は、ロットごとの試験成績書に記載。

3日目

ウェルからレンチウイルス粒子含有培地を除去します。各ウェルに新鮮な培地120 µLを加えます。

注記:プレートへの接着性があまり強くないタイプの細胞の場合、液体培地100 µLを捨て、新鮮な培地100 µLに交換します。

4日目以降

細胞をアッセイするまで3~4日ごとに培地を交換します。

shRNA発現アッセイ用に細胞をセレクションし、各クローンを増殖させます。

表現型解析、酵素解析、遺伝子発現解析など、各種解析を行います。ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールによるハイコンテントスクリーニングの事前に、実施するアッセイを最適化します。

注記:レンチウイルスは宿主ゲノムにランダムに組み込まれるため、コロニー間でTurboGFP発現レベルまたはshRNA発現レベルにバラツキが出るかもしれません。多くのコロニーで試験を行えば、最適な発現レベルを決めることができます。

補足資料

多重感染度(MOI):多重感染度とは、1細胞に感染するレンチウイルス粒子の数です。導入する新しい細胞タイプごとにMOIレンジの試験を行うことを強くお勧めします。各使用細胞株において効率的な形質導入に必要なレンチウイルス上清の最適量を求めることができます。

算出方法:

(1ウェル中の総細胞数)×(目標MOI)=必要な総導入単位(TU)

(必要な総TU)/(試験成績書に記載のTU/mL)=各ウェルに添加するレンチウイルス粒子量(mL)

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参考文献

1.
Li M, Rossi JJ. 2007. Lentivirus Transduction of Hematopoietic Cells. Cold Spring Harbor Protocols. 2007(10): https://doi.org/10.1101/pdb.prot4755
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