炎症シグナル伝達経路のマルチプレックス測定：免疫学と細胞シグナル伝達のギャップを埋める

• T細胞シグナル伝達
  
• Th細胞の分化・シグナル伝達
• 炎症反応シグナル伝達
• 敗血症シグナル伝達
• 炎症経路のマルチプレックス測定
• 関連製品

細胞内シグナル伝達ネットワークは、心血管疾患、がん、神経変性、肥満、糖尿病、敗血症、およびその他の疾患に関連する炎症反応を仲介する免疫細胞の発生、成熟、機能をどのように調節するのでしょうか？いかなるバイオマーカーも、単一では疾患の発症や進行における炎症の役割について決定的な情報を提供することはできませんが、マルチプレックスアッセイを使用すれば、1つの少量サンプルから、複数の関連する血中または細胞内バイオマーカーを測定することができます。炎症アッセイまたは細胞シグナル伝達アッセイを用いた炎症シグナル伝達経路のマルチプレックス測定が、免疫学と細胞シグナル伝達の間のギャップを埋めるためにどのように役立っているのかをご覧ください。

T細胞シグナル伝達

細菌などの病原体が感染または侵入すると、マクロファージが活性化され、T細胞のシグナル伝達が開始されます。ヘルパーT細胞（Th細胞）は活性化されると、B細胞を活性化し、最終的に抗体産生を刺激します（図1）。

また、IL-8、IL-6、TNFα、RANTESなどのさまざまなサイトカインの経路を刺激して、炎症やアポトーシスに関与する好中球やその他の細胞を活性化させます（表1）。

Th細胞の分化・シグナル伝達

活性化Th細胞は、Th細胞のTh1、Th2、TregおよびTh17細胞への分化も誘導します。これには、IL-12、IL-4、TGFβ、IL-2、IL-6、IL-21、IL-23とSTATおよびSMADタンパク質間のシグナル伝達が関与しています（図2）。

これらのヘルパーT細胞の作用を表2に示します。

炎症反応シグナル伝達

マクロファージのシグナル伝達に関与するサイトカインやその他のタンパク質は、炎症反応やアポトーシスを引き起こす可能性があります。具体的には、炎症反応経路にはIL-1β、IL-6、IL-8、IL-12、TNFα、MIP1α、MIP1β、RANTESの刺激が関与します（図3）。

敗血症シグナル伝達

炎症は、IL-6、Lactotransferrin、MIF，MMP-8、ResistinおよびC5aの活性化の増加によって刺激される敗血症経路にも関連しています。敗血症は、低血圧と低酸素症を伴う重篤な状態です。好中球の活性化は、最終的には組織損傷や多臓器不全につながる可能性があります（図4）。

炎症経路のマルチプレックス測定

マルチプレックスにより、研究者は時間と貴重なサンプルを節約しながら、炎症経路のあらゆる側面を検討することができます。多数のバイオマーカーを測定できるマルチプレックスアッセイにより、炎症経路の免疫学と細胞シグナル伝達のギャップを埋めることができます。例えば、MILLPLEX^®マルチプレックスパネルは、炎症シグナル伝達のさまざまな側面を検討することができる、マルチプレックス炎症アッセイと細胞シグナル伝達アッセイを幅広く取り揃えています。

関連製品

炎症シグナル伝達経路を解析できるMILLPLEX^®の炎症アッセイと細胞シグナル伝達アッセイをご覧ください。

サイトカイン解析

Th17細胞解析

CD8+ 細胞解析

敗血症解析

TGFβ解析

STATリン酸化タンパク質解析

NFκB経路解析

マルチパスウェイ解析

アポトーシス解析

研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。