MAGは、細胞外にIg様ドメインを有するI型膜貫通糖タンパク質であり、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞接着分子です。これらの接着分子は、シアル酸を認識するサブグループのI型レクチンとして定義され、細胞表面のシアル酸残基を含む多糖類に特異的に結合します。このため、シアロアドヘシン(Siglec)ファミリーとも呼ばれています。シアロアドヘシンは、細胞表面の特定のシアリルグリカンを介してさまざまな生物学的プロセスを媒介します。中枢神経系および末梢神経系の微量成分であるMAGは、ミエリンの形成や構造維持に関与していることが示されています。ミエリンを形成するオリゴデンドロサイトやシュワン細胞で発現しており、O-結合型グリカンやガングリオシド上のα2,3-結合シアル酸を選択的に認識します。MAGには、mRNAのスプライシングの違いから、アミノ酸配列および細胞質尾部の長さが異なる大分子(71 kDa)と小分子(67 kDa)の2種類のアイソフォームが存在します。病態下において、リンパ球は正常に神経細胞と相互作用を生じます。MAGは、新生児の後根神経節(DRG)および胚の脊髄神経細胞からの軸索成長を促進することが示されていますが、成人のDRGや生後の小脳ニューロンにおいては軸索再生の潜在的阻害因子として作用します。また、MAGは、軸索とミエリンとの相互作用において重要な役割を果たしています。正常なヒトおよび末梢神経障害患者の組織において、細胞外ドメインを含む可溶型MAGがミエリンから大量に放出されていることが確認されています。この可溶型MAGの放出が、神経細胞損傷後に生じる神経再生の欠如の一因となっている可能性があります。
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