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CoMoCAT™ 単層カーボンナノチューブ

Ricardo Prada Silvy, Yongqiang Tan, Philip Wallis

SouthWest NanoTechnologies

単層カーボンナノチューブ: 最近の進展、製造、特性評価および応用

カーボンナノチューブの構造
単層カーボンナノチューブ特有の性質
単層カーボンナノチューブの課題
単層カーボンナノチューブの合成
単層カーボンナノチューブの特性評価と品質保証パラメータ
単層カーボンナノチューブの応用
結論
関連製品

はじめに

カーボンナノチューブは優れた特性を備えた材料で、プリンテッドエレクトロニクス、センサ、フレキシブルディスプレイ、電子書籍端末、医療、エネルギー貯蔵など、多様な新規成長分野における利用が進んでいます。特に、単層カーボンナノチューブ(SWNT、SWCNT:Single-walled carbon nanotube)は、1991年にIijimaによって発見されて以来1、世界中の学術および産業界で研究開発が進み、製造方法の確立、特性評価および応用開発に関する多大な投資が行われてきました。本稿では、単層カーボンナノチューブの物理化学的性質および特性評価、ならびに商品化についての現状を簡単に述べます。多層カーボンナノチューブ(MWNT、MWCNT:Multi-wallwd carbon nanotube)については、MWNT関連の記事をご参考ください。

カーボンナノチューブの構造 

単層カーボンナノチューブは、フラーレンなどのsp2混成炭素で構成される同素体の一つです。グラファイトと同様の六員環炭素からなる円筒状チューブ構造をとり、この円筒状チューブ末端の一方もしくは両端が、バッキーボールまたはフラーレン構造(半球状)で閉じている場合もあります。

単層カーボンナノチューブ構造を理解するには、ナノチューブのカイラリティと呼ばれる概念が必要です。SWNTの特性の多くがそのカイラリティに依存するため、カイラリティとその構造的意味合いを理解するために、図1のような「カイラリティマップ」が作成されています。

形成可能なSWNTを示すカイラリティマップ。SWNTの特性は、差し込み図に示したように、巻き方よって制御されます。たとえば、アームチェア構造(もしくはm - n が3の倍数)のSWNTは金属性となります。

図1形成可能なSWNTを示すカイラリティマップ。SWNTの特性は、差し込み図に示したように、巻き方よって制御されます。たとえば、アームチェア構造(もしくはm - n が3の倍数)のSWNTは金属性となります。

単層カーボンナノチューブは、原子1個分の厚さのグラフェンシートをチューブ状に丸めたものと考えられます(図1挿入図)。カイラリティは、シートを丸める方向と直径の両方を表しています。  カイラリティマップにおける各SWNTは2つの整数、(n, m) で表され、前述したように、個々のSWNTの特性の多くがカイラリティによって決まります。n = m の場合、円筒面の切り口からアームチェア型ナノチューブ、m = 0 の場合、ジグザグ型と呼びます。また、n = mまたはn - m = 3ii は任意の整数)の場合は金属製を示し(マップ上で青色)、(n - m) がそれ以外の場合は半導体性であり(マップ上で黄色)、カイラスベクトルの長さによって異なるバンドギャップを示します。黄色のものは半導体性であり、カイラスベクトルの長さによって異なるバンドギャップを示します。

単層カーボンナノチューブ特有の性質

機械的特性:個々の単層カーボンナノチューブは、スチール(鋼)よりも格段に高い強度を有しています。SWNTの引っ張り強度の計算値は、同じ重さでは(重量は16分の1)スチールの約100倍に達します。これまで測定された最大値は予測理論値の約半分であり、おそらく構造欠陥が原因と考えられます4

電気的特性:各単層カーボンナノチューブの電流容量は109 amp/cm2で銅または金より高く5、半導体性SWNTの電子移動度は、シリコンより高い値を示します。

光学的特性:単層カーボンナノチューブは特異的な光吸収応答性および蛍光応答性を持ち、カイラリティごとに特有の吸収および蛍光スペクトルを示します。

熱的特性:単層カーボンナノチューブの室温における熱伝導度は、既知の材料の中でも熱伝導度が最も高いと一般に考えられているダイアモンドまたは面内方向のグラファイトの値に匹敵します。

単層カーボンナノチューブの課題

これまで、純度、選択性、分散性における技術的課題のために、単層カーボンナノチューブの応用範囲は限定されていました。現在、これら課題の解決に向けた多くの進展が見られています。

純度:単層カーボンナノチューブの製造にはさまざまな反応工程が含まれるため、生成物には残留触媒や他の形態の炭素がさまざまな割合で混入します。  多くの場合、これら不純物を除去して生成物の純度を高めるための精製プロセスが必要となります。近年では、製造の際に生じる不純物を最小限に抑える合成法が商業的に可能となっています。

選択性:先に述べたように、単層カーボンナノチューブはカイラリティの異なるチューブの混合体であり、中には導電性のものもあれば、半導体性のものも含まれます。多くの分野では、たとえば半導体性と金属性に関してチューブのタイプを分離することが望まれます。またある分野では、明確に定義された異なるカイラリティを持つチューブの分離が望まれる場合があります。実験室規模では非常に高度な選択性を持つ合成方法が報告されており2、現在では、大量生産の可能な分離プロセスが実現しつつあります。  特にCoMoCAT™触媒CVD法のような製法の場合、製造後(未処理)のSWNTにおいて特定のカイラリティに対する高い選択性が得られるため、二次精製プロセスの収率が大幅に向上(もしくは精製プロセス自体が不要)します。

分散性:単層カーボンナノチューブを分散させることは難しく、その一因としてチューブ間のファンデルワールス力によってロープ状または束状(バンドル)になる傾向があることが知られています。しかし、適切な界面活性剤を用いることで小さな束もしくは個々のチューブとして水溶液中に分散させることが可能であり、あるいは官能基化によっても低濃度で分散させることができます。SWNTの水溶液にDNAやデオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウムのような表面活性分子を加えて超音波処理すると、バンドル状のSWNTを剥離することができます。分散溶液中のナノチューブの剥離の程度を定量化するために、TanおよびResascoは、光吸収スペクトルから共鳴吸収比率(resonance ratio)の概念を定義しました3。共鳴吸収バンド面積を非共鳴吸収バックグラウンド面積で割った比率を求めることで、絶対吸収にかかわらず結果を容易に比較することができるようになります。  このパラメータを用いて分散剤の有効性を評価することができます。

また、樹脂および熱可塑性プラスチックへの分散では、SWNTバンドルの絡み合い起因する粘性の著しい増大のために単層カーボンナノチューブの利用が制限されます。この問題に関しては様々な手法が独自開発されており、SWNTを用いた新しいハイブリッド材料の開発が進んでいます。

単層カーボンナノチューブの合成

単層カーボンナノチューブの製造にはさまざまな方法が用いられています。レーザーアブレーション法、炭素アーク放電法、CVD法などがあり、HiPCo®法のようなガス触媒、またはCoMoCAT™法のような担持触媒が用いられます。レーザーアブレーション法は、主に研究用材料の合成に用いられます。アーク放電法では1.4~2.0 nmの直径を持つ、長さの長いチューブが生成しますが、不純物が非常に多く含まれるために多くの用途では大規模な精製処理が必要となります。CVD法はより大量のSWNT製造に最適な方法であり、CoMoCAT™法は量産化に関する拡張性が最も高いと考えられます。このCoMoCAT™法では、規模ははるかに小さいものの、石油精製に用いられているものと同様の流動床反応炉が使用されており、優れた担持触媒技術によって、製造中にカイラリティをかなりの精度で制御することが可能です。

単層カーボンナノチューブの特性評価と品質保証パラメータ

前述のように、カーボンナノチューブの特性は個々のSWNTのカイラリティによって変化します。現時点では、すべての単層カーボンナノチューブはさまざまなカイラリティの混合物として製造されるので、その材料特性はカイラリティの割合に左右されます。SWNT材料の構造決定には、SEM、TEM、AFM、STMなどの観察技術から、UV-Vis-NIR、フォトルミネセンス(PL)、ラマンなどの分光法にまで及ぶ、多くの分析手法が用いられています。Miyataらは、これらの方法に加えて、SWNTの光学スペクトルを用いて同定したカイラリティを確認するためにX線回折を用いました8。さらに、熱重量分析法(TGA:thermogravimetric analysis)が、酸化の開始、最大酸化速度、および製品中の残留触媒の質量を決定するために広く用いられています。TGA曲線からは、妥当に純度を推定することが可能な場合もあります。

TEMおよびSEMは、単層カーボンナノチューブの純度評価に広く用いられています。しかし、これらの方法は純度を定量的に見積もるには信頼性が不十分です。典型的なTEMまたはSEMの画像の場合、1~4 µm2の面積に対して重量約1 pgの材料が用いられます。したがって、全体の純度に関する有意な結果を得るためには、巨視的サンプル全体をランダムに写した多くの顕微鏡写真を解析する必要があります。さらに、未精製の典型的なSWNT材料に見られるナノチューブ以外の物質の相対的割合を客観的に決定するための適正なアルゴリズムがありません。このように、TEMおよびSEMは、生成物の構造に関する有益な情報を与えてはくれますが、慎重に用いる必要があり、純度についての定性的指標に過ぎないと考えるべきです。

得られた単層カーボンナノチューブの品質を確認するために、比較的直接的かつ一般的な3種類の方法を組み合わせて用います。品質保証の点から、ラマン分光スペクトルを用いて純度を概算します。TGAは残留触媒の測定が可能で、以下に述べるようにSWNT含有量の測定にも適しています。UV-Vis-NIR領域における光吸収測定は、カイラリティ制御の安定性を確認するために用いることができます。

ラマン分光法

ラマン分光法は、単層カーボンナノチューブ材料中の詳細なカイラリティ分布の決定、および純度評価に広く用いられています。ラマンスペクトルには、SWNTとの関連性の高い3つの領域があります。まず、約120~300 cm-1のRadial Breath Mode(RBM)は単層カーボンナノチューブに特有のもので、ナノチューブ直径が伸縮する振動に由来し、次の式からチューブの直径を決定することができます。

チューブ直径算出用数式

ここで、dは単層カーボンナノチューブの直径(nm)、νは波数(cm-1)です。

存在するカイラリティの全体像を把握するために、励起周波数の異なるいくつかのレーザーを使って測定することが重要です。Jorioらは、連続可変レーザーを用いてSWNTを励起することで、Signis® SG65のカイラル構造を明らかにしています9

これに加えて、単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル中にはさらに2つのバンドが見られます。約1350 cm-1のDバンドは不規則炭(格子欠陥)に由来するピークであり、また、1500~1586 cm-1にあるGバンドは、グラファイト状物質からのtangential stretchingモードに対応するものです。これらGバンドとDバンドの高さの比は、SWNTの純度の尺度として広く使われています。しかし、Gバンドは共鳴バンドであり、Dバンドと比べてはるかに強いため、この比率を測定する際には注意が必要です。G:D比が大きいことは高純度SWNTの必要条件であるもの、純度を保証するのに十分な情報ではないと考えるのが妥当でしょう。そのため、純度決定にはこのパラメータと合わせて他の方法を用いる必要があります。たとえば、他の形態のグラファイト状炭素によってGバンドが強まることもあります。

SG65iのラマンスペクトル

図2Signis® SG65i単層カーボンナノチューブ(773735)のラマンスペクトル

上記に留意すれば、純度の大まかな指標としてラマンG:D比を用いることができます。Signis® SG65i SWNT(773735)の典型的なラマンスペクトルを、図2に示しました。

光吸収分光法

UV-Vis-NIRの領域における光吸収(OA:optical absorption)測定では、π-プラズモンに起因するバックグラウンドの上に重なって、個々のカイラル指数 (n, m) の特性を示すピークが見られます。たとえば、(6,5) 型は、566 nmおよび976 nmで吸収し、これに対応して983 nmの蛍光を発します6,7。(7,6) 型単層カーボンナノチューブは、645 nmおよび1024 nmで吸収し、1030 nmの蛍光を発します。これら個々のピークは、SWNTの純度を推定するための指標として使われています10。Nairらは、スペクトルのベースラインの算出方法を開発し、これにより、個々の (n, m) 型に対するピークの高さと面積を計算することが可能となりました11。単純化のために、通常は測定した光吸収スペクトルをエネルギー単位に変換して、SWNTの特性評価に重要な領域でのバックグランドを差し引きます。図3に、Signis® SG65iの典型的な光吸収スペクトルをエネルギー単位に変換して示しました。挿入図は、吸収を波長の関数としてプロットしたスペクトルを示しています。最も強いピークの高さ(P2B)と、全信号の積分値(S2B)の測定値を用いて、製品の品質にばらつきが少ないことを示すことができます。我々は、ある特定のチューブタイプが優勢に含まれているSignis® SG65i(773735)およびSG76(704121)のナノチューブの制御パラメータとして主にP2Bを用いています。P2Bは、350 nmと1350 nmの間のスペクトルの最大ピークの高さをその波長におけるバックグランドで割ったものとして定義されます。

P2B = (6,5) または (7,6) の信号ピークの高さ/バックグラウンドピークの高さ

UV-Vis-NIR領域における、Signis®SG65i(773735)の光吸収スペクトル

図3UV-Vis-NIR領域における、Signis® SG65i(773735)の光吸収スペクトル

ここで説明した光吸収スペクトル法は、単層カーボンナノチューブサンプルを分散させ、遠心分離した後に測定した光吸収スペクトルを使用している点に注意する必要があります。この方法は、全体の純度というより、むしろカイラリティ制御を測定する手段として用いられます。また、特定の波長における遠心分離の前後の吸光度を測定すると、SWNTの分散性の度合についての情報が得られます。

熱重量測定(TGA)

Signis® SG65iの典型的なTGA曲線を図4に示しました。TGAを用いて、材料の純度を評価することが可能です。TGA分析から得られる第一の品質パラメータは、625℃における残留質量であり、サンプル中の残留金属触媒(酸化状態)の量です。微分曲線における最初のピークは単層カーボンナノチューブの酸化を示し、二つ目のピークはSWNTよりも高温で酸化される他の形態の黒鉛状炭素に帰属されます。触媒性能の向上およびSWNT合成がともに改良されたことで、TGAでは測定できないレベルまで他の形態の炭素量が減少しています。残留質量は、200℃における重量減少に対して正規化したパーセントとして表されます。

残存質量 = 625℃における重量損失/初期重量損失

Signis®SG65i(773735)の熱重量分析

図4Signis® SG65i(773735)の熱重量分析

これら3つの方法を組み合わせることで、SWNT純度および品質の一貫性について優れた指標が得られます。しかしながら、単層カーボンナノチューブの応用がさらに広がるにつれて、純度のデータとSWNT性能とを関連づけるために、電気伝導度測定などの試験が必要になるでしょう。

単層カーボンナノチューブの応用

単層カーボンナノチューブは、多様な独特の性質のために、さまざまな用途における利用を想定した研究が盛んに行われています11。たとえば、高い導電性および表面積を有することから、導電性ポリマー複合材や導電性薄膜、リチウムイオン電池、スーパーキャパシタなどの作製に利用されています。また、その光学特性により、ディスプレイ、太陽電池、固体照明の電極としても用いることが可能で、半導体性単層カーボンナノチューブは、論理回路、不揮発性メモリ素子、センサ、セキュリティタグに利用されます。

しかし、大半の場合、得られるカーボンナノチューブは特性にばらつきのある混合物です。直径およびカイラリティの範囲が広く、その光学的、電気的、化学的特性は信頼できるものではありません。多くの単層カーボンナノチューブ製造法では、形態の異なる炭素や、金属および金属酸化物が相当量生成するため、後処理によって純度を上げる必要があります。通常、半導体性SWNTの含有率が66%、金属性SWNTが33%であるような材料を出発物質とするため、カイラリティ分離や合成後の処理は非常に高コストで、収量も低くなります。その結果、製造コストが高い上に生産量も限定されてしまい、市場への浸透を妨げています。

我々が新たに開発したSignis® SG65i(773735)は、SG65(旧製品)よりも高品質の単層カーボンナノチューブです。SG65はNIST(National Institute of Standards and Technology、米国国立標準技術研究所)の標準参照物質の出発物質であり、最近まで、入手可能な合成後未精製の単層カーボンナノチューブの中で最もカイラリティ選択性の高いものでした。表1に、これら2つの物質の特性の比較を示します。

表1Signis® SG65i とSG65の比較

これら2つの製品は特許取得済みのCoMoCAT™合成技術を用いて製造されており、他の製法よりもカイラリティおよび直径の選択性が高いことで知られています。SG65i の製造では、大幅に改良された触媒系を用いて選択性をさらに高めています。そのため、プリンテッド半導体デバイス、特に薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)の開発が促進されることが期待されます。TFTに要求されるOn/Off比や移動度の実現には高純度半導体性単層カーボンナノチューブが必要であり、例えば有機ELテレビなどの普及にはコストも抑えなければなりません。SG65i を用いれば、99+%という高い収量で必要な半導体材料が得られますが、市販されている他の材料では、通常、「自然の」比率である67%しか半導体性SWNTが含まれていません。このような半導体型の初期含有量が低く、直径およびカイラリティの分散度の高い出発物質を用いた場合、高い材料コストによって商業利用が妨げられる可能性があります。半導体性SWNTの含有量が95%以上の材料を用いれば、必要とされる純度への精製がより簡便となります。

こうした特徴に加え、単層カーボンナノチューブ特有の柔軟性や「伸縮性(stretchability)」を利用したコーティングによって、フレキシブルエレクトロニクス用のプリンテッド・フレキシブル半導体の実現が可能となります。これまで多くの研究開発が進められているもの、商業的には実現に至っていません。

単層カーボンナノチューブ、特にSignis®の応用分野として興味深いもう一つの分野は医療分野であり、中でもがん治療が注目されます。いくつかの有望な研究プロジェクトが進行中であり、(6,5) もしくはそれに近いカイラリティで直径の小さな高純度ナノチューブが用いられています。この場合、カイラリティ独特の光学特性が利用されています。近赤外(NIR)領域の光を照射すると単層カーボンナノチューブから赤外域の蛍光が得られるため、悪性組織の存在する部位に送達したSWNTへ照射を行うと、ガン組織内部の加熱が可能となります。このケースでは、実用的には、SG65i における(6,5) 型単層カーボンナノチューブ含有量のより高い材料が求められます。

透明導電性薄膜(TCF:transparent conductive film)への応用では、PEDOT:PSSのような導電性ポリマーやITOなどの代替物として、単層カーボンナノチューブの利用が始まったばかりです。透明導電性薄膜の多くは、SWNTベースのコーティングよりも高いオプトエレクトロニクス特性を有しているもの、現状のSWNTコーティングでも、多くの用途においてその利用が可能です。これらのケースでは、品質の安定した材料の供給、新規用途を支えるための大量製造法の確立、優れたオプトエレクトロニクス特性を有する材料の供給などの観点から、市場への浸透が進んでいませんでした。こうしたニーズに応えるものとして、我々はSignis® CG300(775533)を開発しました。CG300は、量産性と品質安定性で広く知られているCoMoCATTM法によって製造され、プリンテッドエレクトロニクスやコーティングに要求されるインクへの混合に適した性質をもつ、最も導電性の高い単層カーボンナノチューブ製品です。

結論

単層カーボンナノチューブ材料は、その発見後大きな関心を集め、膨大な量の研究が行われていますが、その商業的利用は今日でも限定されたものです。しかし、近年の基礎研究における目覚ましい進歩によって、本格的な市場導入の機運が高まりつつあり、単層カーボンナノチューブの飛躍的な用途拡大が期待されます。

CoMoCAT™法で製造された高純度単層カーボンナノチューブ製品を以下にご紹介します。

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Trademarks

CoMoCAT™ is a trademark of Chasm Advanced Materials. Signis® is a registered trademark of Chasm Advanced Materials. CHASM™ is a trademark of Chasm Advanced Materials.

参考文献

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